こんにちは小野アムスデン道子です。ブルース、ジャズ、ロックンロールなどアメリカが生んだ音楽は、様々な国から移民してきた人々の歴史を写しています。マイアミ、アトランタ、シカゴの3都市で、アメリカ音楽を生で体験する旅をご案内しています。
3都市巡りの最後は、ブルースとビル建築とアートの街、イリノイ州シカゴへ。まるで海のように大きいミシガン湖畔の摩天楼の街、湖を臨むネイビー・ピアにある「W シカゴ レイクショア」に宿を取りました。
W シカゴ レイクショア W Chicago – Lakeshore
https://www.marriott.com/hotels/travel/chiwh-w-chicago-lakeshore/
Wは、音楽を楽しむことをテーマにしているホテルで、共有部分でご機嫌な音楽ががんがん流れていることが多いのですが、ここシカゴのWは大人向けのグルービーな音楽で落ち着いた雰囲気。部屋はとてもモダンでお洒落。
シカゴではまず、ディープディッシュピザと言われる名物のチーズたっぷりの分厚いピザを。注文してから出来上がりまで45分かかるというピザは、具がたっぷりで食べ応え十分。シカゴに来たら絶対味わってほしい一品です。有名店がいくつもありますが、ここ「ジーノズ・イースト」は、壁一面のお客の落書きのインテリアがユニークで、ピザはサクッと軽めのクラストが特徴。
ジーノズ・イースト Gino’s East
「シカゴ大火」と言われる1871年の大火事で市内の古い街並を焼失した街を、有名建築家の手によって当時の最先端をゆく機能的な鉄骨造の高層ビルによって再生していったのが今のシカゴ。シカゴ建築財団が催行する「シカゴ・ファースト・レディ・クルーズ」では、そんなシカゴの街や建築の話を聞きながら、川を行く船上から次々に現れるビルを見ることができます。
シカゴ・ファースト・レディ・クルーズ
Chicago’s First Lady Cruise
シカゴで建築と共に見逃せないのはアート。アメリカ3大美術館の一つシカゴ美術館は、印象派、現代アート、アメリカンアートなど見応えのあるコレクションで、全部ゆっくり回ると1日かかりそう。アメリカでいちばんパロディに登場するという「アメリカンゴシック」やシャガールの壁一面のグラスアートなど、必見のアートがいっぱいです。
穴場は、料理のアカデミー賞であるジェームズ・ビアード賞を受賞したシェフによる、洗練されたイタリアンにワインのセレクションも揃う美術館内のレストラン「テルザ・プラノ」。充実のアート鑑賞の合間のちょっと贅沢ランチに。
テルザ・プラノ Terzo Piano
http://www.terzopianochicago.com/
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さて、残りの1日はシカゴでの音楽三昧。マディ・ウォターズやハウリン・ウルフ、チャック・ベリーといったブルースやR&Bの有名アーティストを輩出したレーベル「チェス・レコード」の本社跡へ。このブルースの聖地ともいえるスタジオでは、ローリング・ストーンズが録音したこともあって、今は、ブルース・ヘヴン財団が管理しています。
ヒストリック・チェス・レコード Historic Chess Records
http://www.bluesheaven.com/historic-chess-studios.html
夜は、ブルースのライブハウス巡りへ。まずは、食事を取りながらブルースやジャズなどが楽しめる「ハウス・オブ・ブルース」へ。オーナーが子供の頃に南部テネシー州で親しんだ音楽を各地でも、ということで開いた店。ステージから降りて来たプレイヤーが、テーブスのお客とかけあいでからんだりということも。
ハウス・オブ・ブルース House Of Blues
二軒目は、1968年オープンとシカゴで最も古く、最も大きいブルースの有名ライブハウス「キングストン・マインズ」へ。2つのステージで交互に途切れなくブルースが演奏されます。住宅街の中にあって、ローカルの人もいっぱい。自分もいつの間にか一緒に身体を揺らしてました。
キングストン・マインズ Kingston Mines
音楽を通して、アメリカの歴史や多様性を体感した旅。2018年11月16日から日本全国で上映される『アメリカン・ミュージック・ジャーニー』という映画で、今回体感したようなアメリカ音楽の魅力が紹介されています。『Wake Me Up』が大ヒットしてグラミー賞にノミネートもされたアロー・ブラックが主演。ブルース、ジャズ、ロックンロールとアメリカの音楽のルーツを訪ねて、出身地のLAから始まりシカゴやニューオリンズなどアメリカ南部州を周り、マイアミではラテン音楽の歌姫グロリア・エステファンにも会いに行きます。映画の中で、大衆の中で“生きている”感じがするアメリカの音楽。映画を見たら、生できっと体感したくなります。
アメリカン・ミュージック・ジャーニー American Music Journey
http://americanmusicjourney.jp
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今回の旅でも本場のブルースに魅せられ、映画でも多くの場面が登場するシカゴへは、羽田・成田ともに直行便が飛んでいます。羽田から唯一デイリーで運航しているのがANA。シカゴまでのロングフライトでも日本語のエンターテインメントが充実していて、おもてなしを感じる飛行機の旅はほっとします。エコノミークラス・プレミアムエコノミーでもフットレストのある座席に、日本発の便ではSNS投票による「機内食総選挙」で選ばれた和食・洋食の人気メニューを味わえます。(写真は一例)
また、2000年世界最優秀ソムリエのオリヴィエ・プーシエ氏と、全日本最優秀ソムリエコンクール優勝者でコンラッド東京エグゼクティヴ ソムリエの森 覚氏がアドバイザーを務める充実のワインセレクションが揃います。2018年9月からは「甲州ANAオリジナルブレンド2017」を含む3種のANAオリジナルワインも機内に登場。ワイン通の方には楽しみですね。
さらに、ビジネスクラス・ファーストクラスの食事を国内外の著名シェフとANAのシェフチームとで創り上げる、THE CONNOISSEURS(ザ・コノシュアーズ)の顔ぶれが超豪華。欧米線では、和のミシュランシェフ「銀座 奥田」の奥田透氏による吟味された食材による和食の粋や、スイーツ・ファンにはたまらないピエール・エルメ氏による珠玉のスイーツが楽しめます。
日本からシカゴ、往路は11時間40分、復路は13時間20分という飛行機の旅自体を楽しんで過ごせます。
ラテンのノリノリのダンス、ラップのリズム、ブルースの心に沁みメロディーと言葉を越えて楽しめて、元気をもらったアメリカ音楽の旅でした。
取材協力/ブランドUSA http://www.gousa.jp/