こんにちは小野アムスデン道子です。神々の宿る島と言われるバリ。森の奥深くの隠れ家リゾートで、神秘的なガムランの調べにのって踊るバリ舞踊体験やスパなどを含む「バリ舞踊美人滞在」をレポートします。
ウブドの東、ペジェンにある「星のやバリ」が、2018年11月1日から2019年5月31日に開催している「バリ舞踊美人滞在」。熱帯雨林に囲まれた渓谷のリゾートに滞在し、まる1日かけて身体の内外から綺麗を目覚めさせるプログラムです。
バリ島のデンパサールまでは、ガルーダ・インドネシア航空の直行便が飛んでいます。熱帯雨林の中に点在するヒンドゥー教寺院や美しい棚田などに惹かれてウブドを訪れたことがあるという人も多いかと思いますが、「星のやバリ」はそこから約40分ほどの渓谷に囲まれた地にあります。開業は2017年1月20日、バリの神話にも登場するという聖なるプクリサン川に向う運河のほとりに、もうすでに集落として溶け込んだ感じがあります。
約3ヘクタールの敷地に点在するバリ建築のヴィラは全30室で、全室運河プールに面しており、メゾネットや渓谷ビュー、水辺のリビング付きのお部屋などの3タイプ。ヴィラのプールは、運河のように集落全体に繋がっています。いずれもバスタブとウォシュレットがあるのがさすが星のや。
森の中にまるで浮かんでいるかのようなカフェ・ガゼボ(バリ風の東屋)が7つ。
ここでお茶や食事もでき、よい気に囲まれているのか中で過ごすだけで気持ちのよい時間が過ごせます。
さて、到着は夜でしたが、何とか夕食のシグニチャーコースの提供時間に間に合いました。コンテンポラリー・バリニーズの7品コース。
アミューズや出汁のおいしいソトアヤム(春雨の入ったチキンスープ)など星のやらしい盛りつけの美しさ。食事後は、明日からの「バリ舞踊美人滞在」のために、すぐ就寝。
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朝に目覚めると、昨夜には見えていなかったジャングルが朝靄の中に美しく浮かび上がっていました。一雨後のしっとりした森は、とても生命力にあふれています。
「バリ舞踊美人滞在」のスタートは、朝の軽いヨガの後に、ハチミツとレモンを入れた白湯に、どれから食べようか迷うみずみずしいフルーツの数々が盛られた朝食から。ゆっくり1時間半、気持ちも清々しく、ゆったりした気分になれます。
朝食後は、いよいよバリ舞踊体験。近くの村でレゴンダンスを教えているユニック先生に「スカールジャガット」という幕開けの華やかな踊りを習います。
練習用サロン(腰巻き)を巻いてもらい、部分に分けて先生の振り付けをなぞること約1時間。
動作について行くのが精一杯ですが、さすが先生の腰の入り方と優雅な指の反りの所作はきれい。指先の美しさがバリ舞踊では重要。毎日、壁に指を押し付けて練習するそう。
インドネシアの生薬ジャムゥにレモン、ハニーを加えた濃厚なお茶で一休み。何とか形になったところで、メイクと着付けをしてもらいます。
赤・青・黄のレゴンダンスの本格的な舞台用のアイシャドウに、濃いアイラインに驚かされます。でも、夜に実際のレゴンダンスを鑑賞した後には、もっと隈取りした方がよかったと思いましたが。つけまつげ持参がおすすめ。
2枚のサロンにゴールドのベルトやネックレス、さらに黄・赤の布飾り。そして、秘かに憧れていたクラウンを被ってバリダンサーに変身。
チャナンという花の供物を持って踊るので、バルコニーで早速ポーズ。
そして、ダンスに挑戦。「ひじを上げて」「歯を見せて笑わない」「はい、ここで目をこちらに」と、先生からアドバイス。緑に囲まれたヨガガゼボで、気分だけはバリダンサーになりきりました。
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ランチは、ブブール(インドネシアのお粥)かベジタブルカレーと2種類のヘルシーなメニューから選べます。私は、カボチャベースにたっぷりの野菜で優しい味のお粥ブブールをチョイス。ちょい足しの薬味としてココナッツや小松菜、魚の塩漬、ヤングマンゴーとピーナッツやライムで酸味を出したサンバルマンゴー、エシャロットと唐辛子のスパイシーなサンバルマタと5種類もの小皿が添えられています。 踊りの後で完食しましたが、胃もたれしません。
午後は、180分の全身&フェイスのスパトリートメントで癒しに身をまかせて。
渓谷の中腹にあるスパ棟へは、籠のようなエスカレーターに乗って。
ジャグジーが設けられたプラーベートなスパルームで、香りのよいフローラルオイルでのバリニーズマッサージでほぐされた後は、ターメリックや米ぬかなどのボティゴマージュと生薬成分を含む肌に優しいフェイスマスク。
癒されるだけでなく、美も引き上げられます。
トリートメント後は、熱帯雨林に囲まれて、フラワーバスに浸かりながらハーブティを一杯、至福の時間です。
ゆっくりと休息も取り、香り高いハーブを使ったスープがおいしいソトアヤムで軽めの夕食。
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夕食後は、約40分かけてウブドの中心にあるバリ舞踊鑑賞会の会場「ウブド王宮(サレン・アグン宮殿)」へ出かけます。
闇に浮かび上がる門には見事なレリーフが施されていて、別世界感が漂います。
ガムランの演奏団が入場。静かに始まった音楽は、やがてうなるようなメロディを奏でて、レゴンダンスが開幕します。
最初の演目「ガボール」は、元は寺院の儀式で神の降臨を迎え入れるための踊り。私が練習した舞踊と同じ様式のもの。昼間の練習を経た後では、踊り手の優雅で美しい所作にさらにため息。そして、いったいいつ瞬きしているのかと思う“目力”に改めて感動。
戦士や若者の男性を表現する舞踊もまた美しく、神秘的なガムランの響きに包まれて、バリにひたった充実の1日が過ぎていきました。
「バリ舞踊美人滞在」は、定員1日1組(1〜2名)で、 1名 Rp(ルピア)6,500,000(税10%・サービス料10%別、宿泊代は別)。料金には、モーニングヨガ、バリ舞踊体験120分(プライベートレッスン60分、バリ舞踊着付けとメイクアップ60分)、朝食、昼食、夕食、全身スパトリートメント180分、舞踊鑑賞料、ホテルと舞踊鑑賞会場間の送迎(片道約40分)が入っています。
おおよそですが、スパと舞踊鑑賞の料金だけでバラバラに依頼するとRp4,000,000以上するので、希少なバリ舞踊体験も入ってのパッケージはお得感があると思います。(現地時間3日前の17:00までに予約が必要)
空港から「星のやバリ」までは車で1時間半。ウブド中心部から40分ほどかかります。「星のやバリ」の予約サイトでは、お得な航空券付きプランもあるので、浮かせた分で送迎を併せて予約がおすすめです。
まる1日の「バリ舞踊美人滞在」は、バリの伝統文化に浸る世離れた時間とウェルネスの両方が体験できました。
※ Rp1,000 = 7.93円(2018年11月)
星のやバリ https://hoshinoya.com/bali/