膝や肩、腰、肘… 痛みが何カ月も続くなら、それはモヤモヤ血管が原因かも。実はその痛み、簡単な自己療法で改善する可能性があります。
自分で押圧する"セルフケア"にトライ!
痛みのある部位を探し、その痛むポイントや周辺を約15秒押すだけ。モヤモヤ血管を減らして、痛みの改善を!
すべての部位に共通! 基本の押し方
1.痛みを感じる部位の周辺を指の腹で押して、圧痛を感じるポイントを探します。その下にモヤモヤ血管があります。
2.痛むポイントを見つけたら、息を吸って、ゆっくり吐きながら、指の腹で約15秒押し、ゆっくり離します。
3.痛むポイントに垂直に力をかけます。指の爪が白くなるくらいの圧が目安。
4.痛むポイントの押圧は、1回約15秒。これを1日3回行います。
ここに注意!
自分で行う押圧法が適さない場合があります。それは骨折や明らかに関節に変形がある、炎症を起こしている急性の痛み。重症の場合は、病院の診察が優先です。また痛い場所をグリグリともみほぐすのもNG! よけい悪化する場合があります。垂直にゆっくり押して、ゆっくり離すのがコツ!
膝痛
膝に長引く痛みがある人は、40代後半になると急増する傾向があります。膝関節の周辺を親指などで押してみて、痛みが少し増す部位の下にモヤモヤ血管があります。ただし、膝関節の明らかな変形、重度の病気がある場合は整形外科の治療を優先してください。
椅子に楽な姿勢で座り、膝の力を抜いて、かかとは床につけます。
膝の内側を押すときは、膝を外側に倒すなど、押しやすい姿勢を工夫して行いましょう。
01 膝の内側
膝に長引く痛みがある場合、特に内側が痛むという人がとても多いようです。膝のお皿のすぐ内側あたりは、モヤモヤ血管の多発地帯。特に膝のでっぱり「大腿骨内顆 (だいたいこつないか) 」の骨膜に多く、ここは神経線維がたくさん走っていることもわかっています。
膝のお皿の内側すぐと、少しすねのほうに移動した部分、 ●印を目安に痛いところを探します。
痛むポイントを見つけたら、親指の腹で15秒程度押し、ゆっくり離します。
痛いポイントが見つからない場合は周辺をまんべんなく押圧しましょう。
02 膝の外側
外側が痛む場合には、膝の滑膜(かつまく)(関節がスムーズに動くように働く)にモヤモヤ血管が増えて、腫れていることもあるかもしれません。これもレントゲンには写りませんが、エコーで調べると、本来薄いはずの滑膜が分厚い層になっていることがあります。
膝のお皿の外側の●印のあたりを押しながら、圧痛があるポイントを見つけて、親指の腹で15秒程度押圧します。
見つからない場合は、その周辺をまんべんなく押していきましょう。
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03 膝の表側
かかとを床につけて、なるべく膝を伸ばした状態で、膝のお皿の上下を触ってみましょう。すぐ上とすぐ下は柔らかい組織。上部が痛む「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」、下部が痛む「オスグッド病」などの病気がありますが、実はこれらもモヤモヤ血管が原因のことが少なくありません。
膝を伸ばした状態で、膝のお皿の上と下を親指で押してみます。
非常に痛むところがあったら、そこがモヤモヤ血管のある押圧ポイント。
見つけたら親指の腹で15秒程度押圧し、ゆっくりと離します
04 膝の裏側
膝の裏側の痛み…立ち上がるときや、歩きはじめがつらい、膝の曲げ伸ばしのときに圧迫感や違和感があるという声をよく聞きます。この場合、膝の裏側の半月板(関節にかかる負荷を分散させる働きをする)あたりにモヤモヤ血管があると考えられます。
膝の裏の中心から、少し上と少し下、右と左に指を動かして、痛むポイントを探します。
見つけたら、親指の腹で15秒程度押圧。膝を90度くらいに曲げて行うと、押しやすくなります。
イラスト/小迎裕美子 構成・原文/山村浩子 指導・監修/奥野祐次