モヤモヤ血管が原因の痛みは、簡単な自己療法で改善する可能性があります。痛みのある部位を探し、その痛むポイントや周辺を約15秒押すだけ。モヤモヤ血管を減らして、痛みの改善を!
すべての部位に共通! 基本の押し方
1.痛みを感じる部位の周辺を指の腹で押して、圧痛を感じるポイントを探します。その下にモヤモヤ血管があります。
2.痛むポイントを見つけたら、息を吸って、ゆっくり吐きながら、指の腹で約15秒押し、ゆっくり離します。
3.痛むポイントに垂直に力をかけます。指の爪が白くなるくらいの圧が目安。
4.痛むポイントの押圧は、1回約15秒。これを1日3回行います。
ここに注意!
自分で行う押圧法が適さない場合があります。それは骨折や明らかに関節に変形がある、炎症を起こしている急性の痛み。重症の場合は、病院の診察が優先です。また痛い場所をグリグリともみほぐすのもNG! よけい悪化する場合があります。垂直にゆっくり押して、ゆっくり離すのがコツ!
五十肩
正式な病名は肩関節周囲炎。レントゲンやMRIに異常が写らないため、「原因がわからない」と診断されがちです。重度の場合は1~2年痛みが続き、肩の動きが悪くなるので、早めに改善したいもの。それにはこの押圧法が役に立つことがあります。
椅子に楽な姿勢で座り、人差し指、中指、薬指の3本指(これが基本)をそろえて、肩の痛みのあるポイントを探します。
左肩は右手、右肩は左手で。手が届かない場合は誰かに押してもらうのがおすすめです
01 肩の前と側面
肩に痛みが現れはじめた頃には、関節を包む「関節包(かんせつほう)」という部分全体にモヤモヤ血管ができています。時間がたつにつれて、関節包の前側にモヤモヤ血管が残るのが一般的。特に鎖骨の外側が痛むケースが多いので、周辺を丁寧に押圧していきます。
鎖骨の外、脇の下の前側、肩の骨のでっぱりの横のくぼみのすぐ下、それよりもう少し二の腕寄りのほうを押して、痛いポイントを探します。
見つけたら、基本の3本指で約15秒押圧します。
痛いポイントが複数ある場合は、何回かに分けて。
02 背中側
腕が回るようであれば、背中側の肩関節包の後方も押圧するとなおOK! 肩関節の前と側面→裏側をぐるりと押していき、痛む部分を探します。ピンポイントで見つからない場合は、肩の周辺をまんべんなく押していくといいでしょう。ただし手が届かない場合は、無理な姿勢をとらず、誰かに押してもらいましょう。
肩の骨のでっぱり(★の部分)のすぐ下と、それよりも斜め下の二の腕の裏側を押して、痛むポイントを探します。
見つけたら、基本の3本指で、約15秒押圧します
03 肩コリ
デスクワークやパソコン、スマホ作業などにより、慢性的な肩コリは今や現代病といえます。実は肩コリのある周辺にもモヤモヤ血管ができています。多発地帯は肩甲骨のまわり。肩甲骨の上部、内側、外側の下(脇の下の後ろ側)を目安に、痛気持ちいい部分を探して! 自分で押しにくい場合は、誰かに押してもらいましょう。
肩の骨のでっぱり(★の部分)の内側、その斜め下、肩甲骨の内側、脇の下の後ろで、押すと痛みを感じるポイントを探します。
見つけたら、基本の3本指で約15秒押圧します。
イラスト/小迎裕美子 構成・原文/山村浩子 指導・監修/奥野祐次