“口内劣化”をくい止めるために自分で実践できる方法についていくつかご紹介しました。さて、日々のメンテナンスには歯科医選びが重要です。なかなかいい歯科医と出会えない。歯科医の選び方がわからない、という声が多く寄せられます。これから先を見据えて、長くつき合える歯科医の選び方のコツを教えてもらいました。
Kiyoshi Amano
天野聖志さん
Yukiko Sato
佐藤由紀子さん
受け身ではなく、
患者側も質問をしたほうがいい
歯の悩みで最も多いのが、症状以上に「いい歯科医の選び方を知りたい」という声。多くの人が、今通っている歯科医でいいのか悩んでいます。みんな、どういう基準で選べばいいのかわからず、昔から通っているから、近所だから、知り合いに紹介されたから、という基準で選んでいるよう。
「確かに、歯科医選びは難しい。でも、患者さんももっと歯科医に質問をするといいですね。例えば、削らない、抜かない治療を希望しているなら、今かかっている歯科医に、削りたくない、抜きたくないと相談してみるといいでしょう。患者さんのことを考えてくれるなら、納得できる治療法を見出してくれるはずです」(天野先生)
ただ、日本の場合、保険制度の問題もあり、保険診療だとできる治療が限定されてしまうことも。削らない、抜かない治療は基本的には自由診療に。
「保険診療にも自由診療にもメリットはあります。どちらを選ぶかはその人次第ですが、まずはよく歯科医と話すことです。こちらの質問に答えない、カウンセリングをほとんどしないところは、やはりそれなりの結果になると思います。一番のポイントは患者と向き合ってくれる歯科医か、ということです。また、最近はクリニックのサイトに、自分が注目している治療法などを積極的に上げている歯科医も多くあります。歯科医を選ぶ際に、サイトで行っている治療法をよく確認するといいでしょう。気になったらカウンセリングだけ受けるというのも、選び方のコツになります」(天野先生)
3つのPOINT
OurAge世代におすすめのクリニック選びの3つのポイントを、佐藤先生と天野先生に挙げてもらいました。
1治療の前に
じっくりカウンセリング
「カウンセリングにしっかり時間をとってくれるかは重要なポイントです。患者さんの症状もろくに聞かず、診察台に乗せて治療を始めてしまうようなクリニッ
クは少し慎重に。カウンセリングは患者さんの状態や治療の方針を決めるとても大事な時間です」(天野先生)
2受付の対応がいい
クリニック
「いい歯科医院かひと目で確認できるのは、受付。受付が混んでいるのは、予約が整理されていない証拠です。患者さんをしっかり診る歯科医は、一人に時間を
かけるので、予約制で混まない工夫をしています。混むところはそういう点が弱いことになります」(天野先生)
3歯科衛生士が上手に
メンテナンスしてくれる
「治療の質は大事ですが、メンテナンスを担当する歯科衛生士の存在は大きいです。お口の状態を親身になって説明してくれるといいですね。"認定歯科衛生士"という資格があるので参考にしてもいいでしょう」(佐藤先生)
いかがでしたか? 歯のエイジングは老化の一歩。10年後、20年後もしっかり自分の歯でおいしくものが食べられるように、今からしっかりと再チェックしていきたいですね。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/伊藤まなび