甲状腺ホルモンは、
海藻などのヨウ素が材料
甲状腺は海藻などに含まれる栄養素、ヨウ素(ヨードともいう)を取り込み、これを材料に甲状腺ホルモンを作ります。海藻をよく食べる日本人は、材料が不足することはほぼありません。
ヨウ素が血液に乗って甲状腺に取り込まれると、ヨウ素がひとつのMITと、ヨウ素がふたつのDITが作られます。
甲状腺ホルモンは2種類!
ヨウ素3個のT3、ヨウ素4個のT4
甲状腺ホルモンには ヨウ素が3つ結合したT3と、4つ結合したT4の2種類があり、4分の3を占めるT4は、T3の前駆体のようなもの。必要に応じて作用の強いT3に変化して使われます。
最終的に働けるのは、タンパク質と結合していない遊離型の甲状腺ホルモンで、これらをF T3(フリーT3)、FT4(フリーT4)と呼びます。
MIT +DIT =T3(トリヨードサイロニン)
DIT+DIT=T4(サイロキシン)
ホルモンの動向を見るには
FT3、FT4を調べるのが一般的
血液検査で調べるF T3の量で甲状腺ホルモンの「作用の程度」がわかり、また、F T4でホルモンを「作る能力」がわかります。
血液中では甲状腺ホルモンの4分の3がT4として存在し、体の各臓器で作用の強いT3に変化して使われます
タンパク質と結合していない遊離型ホルモンFT3とFT4だけが細胞に入って働くことができるため、これらを測定します
甲状腺ホルモンの分泌量を
調整しているのは、実は脳!
血液中の甲状腺ホルモンが多いと脳の指令で分泌量が抑えられ、少ないと分泌量を増やすように働きかけるため、一定の量が保たれています
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/蓮見則子