あけましておめでとうございます、ミーナです。
新年の誓い、というわけではないけれど、改めて思うことっていろいろありますよね。
そんな時、いま輝いている同年代の女性たちの「新しいチャレンジ」のストーリーは、大いに参考になるはず。
連載で、4人の素敵なお話をお届けしますね。
新しい世界で、ますますパワフルに活躍する
4人のストーリー
最近、何かに夢中になったことがありますか?
さまざまな分野で活躍する4人の、新たにOurAge世代で始めた夢中になっていること、充実の毎日を過ごすための方法などをご紹介します。
今までしてきたこと以外に新しく何かを始めることは年齢を重ねる中でもさらに人生を充実させる秘訣です。ぜひ4人のストーリーからそのヒントを見つけてください!
今回は、女優の浅田美代子さんのストーリーをご紹介します。
育てることを放棄された犬の保護活動を通して、
また世界が広がりました
浅田美代子さん Miyoko Asada
profile
1956年生まれ。女優。高校生のときにスカウトされ、’73年にデビュー。結婚を機に一時引退して専業主婦を経験。’83年に女優として復帰を果たし、映画やドラマで活躍。バラエティ番組では、天然キャラが大ウケするなど、愛らしい自然体が大きな魅力
犬の健気さに癒されたその恩返しをしたくて…
今から5〜6年前のこと。浅田さんはネットで一枚の犬の写真を見つけました。千葉の保健所で殺処分寸前だったミックスの洋犬です。
「見た瞬間にこのコを引き取ろう、と思いました。どうしてかはわからない。でも〝このコだ〞って思い、すぐに行動をとりました。当時は先住犬のシーズー、17歳の老犬がいたので、会わせて相性を確認するなどして、我が家にやって来たのが、このアヴィです」(浅田さん・以下同)
これをきっかけに、犬を殺処分から救い出すレスキュー活動に参加していくようになります。
現在、犬猫の殺処分数は年間約16万頭ともいわれています。ペットブームの背後では、安易に飼いはじめたものの、飼いきれずに捨ててしまう人が後を絶ちません。なかには悪徳繁殖所が子どもを産めなくなった犬を捨てたり、施設自体が崩壊することも。安易な多頭飼いで、劣悪な環境での生活を余儀なくされている犬猫たちもいます。
こうして、アヴィちゃんを引き取るときに知り合いになった、保護団体の方たちと協力して、そんな環境から犬猫を救い出す活動を始めました。
「ところが、救っても救っても、なくならない。これは〝売る体制〞を変えない限り無理なのです。日本のように生体をショーケースに入れて販売している国は、先進国ではほかにないでしょう。飼い主のモラルも低すぎるんですね。これはとても恥ずかしいことです。この販売制度を変える法改正を、世界中の人が集まる東京オリンピックに向けて実現したいのです」
ペット先進国では、免許のあるブリーダーから直接面談して購入します。また保護犬がいる施設から、里親として引き取ることも積極的なのだといいます。浅田さんはこの日本の安易な販売システムを変える、法律制定の運動も始めました。そのほかに、「命の授業」と題して、小学校などで講演することも。
「『どうすれば捨て犬がなくなると思う?』と聞くと、『買うときに、誓約書を書けばいい』という答えが返ってきたことも。なかには泣き出す子もいます。子どもの頃から〝命〞について考える機会になるといいなと」
こうして保護活動にのめり込んだ背景には、もうひとつ理由があります。
「数年前に母を亡くしたとき、精神的ダメージがひどく、つらいときがありました。そんなとき助けてくれたのが犬たちです。飼っている犬のためにごはんをあげて、散歩して…と、体を動かしているうちに、立ち直ることができました。その恩返しをしたいのです」
なかには老犬になって捨てられる犬もいます。十数年も一緒にいたのに…。
「犬たちはみんな、捨てられたという自分の境遇を理解しています。だからこそ、里親に救われた犬たちは、みんな本当にいいコですよ」
その後も保護犬を3頭引き取り、現在4頭と暮らしている浅田さん。
「仕事とはまったく別の世界の方たちと接することで、違う生きがいを見つけました。同じ目的に向けて、思いはひとつなので、やりがいがあり、逆に私が元気をもらっています。何かを始めるのに〝遅すぎる〞ということはない。ボランティアで誰かのためになる活動をひとつ、ライフワークに組み込むのも有意義なことだと思います」
次回は、モデルのほか作家や講師としての顔を持つ、塩川美佳さんのストーリーをご紹介します。
撮影/杉山雅史(C-LOVe) ヘア&メイク/新井克英(e.a.t)
取材・文/山村浩子