あけましておめでとうございます、ミーナです。いま輝いている同年代の女性たちの「新しいチャレンジ」のストーリーから、新年のエネルギーをもらいませんか。
新しい世界で、ますますパワフルに活躍する
4人のストーリー
最近、何かに夢中になったことがありますか?
ここでは、さまざまな分野で活躍する4人の、新たにOurAge世代で始めた夢中になっていること、充実の毎日を過ごすための方法などをご紹介します。
今までしてきたこと以外に新しく何かを始めることは年齢を重ねる中でもさらに人生を充実させる秘訣です。ぜひ4人のストーリーからそのヒントを見つけてください!
今回は、「HACCI」代表 水谷仁美さんの、やりたいことを発想力と努力で実現させたストーリーをご紹介します。
42歳、専業主婦からの起業!
〝半歩〞でいい、踏み出すことが大事です
水谷仁美さん Hitomi Mizutani
profile
1962年生まれ。HACCI’s JAPAN C.E.O。1912年から続く老舗養蜂園の長女として誕生。代々続くはちみつによる美容・健康法を伝えるため、2004年に会社を設立し、「HACCI 1912」を立ち上げる。はちみつが持つ美容効果にポイントを置き、食べるだけでなく、コスメ開発にも力を注ぐ
はちみつの美容・健康効果を
伝えたい思いを形に
食べても、肌につけても美容・健康効果抜群の、はちみつ美容を提唱して大ブレイク中。「HACCI」代表の水谷さんは、その美しさとバイタリティで、美容界でも注目されている女性です。バリバリのビジネスウーマンかと思いきや、会社を立ち上げたのは42歳のとき。その前は専業主婦だったというから驚きです。
「大学も良妻賢母を育成するようなところでしたし、母が仕事を持っていたこともあり、逆に専業主婦に憧れていました」(水谷さん・以下同)
26歳で結婚し、27歳で長男が誕生。専業主婦で子育てを楽しむ日々。その後、次男が2歳のときに一家で渡米し、6年間滞在します。
「これがいい経験になりました。特に後半に住んでいたビバリーヒルズで、友人に『あなた自身はどこにあるの?自分を持ちなさい!』と言われたことが心に残りました。まわりにはアーティストや起業家、お金を稼がないまでも、ボランティアなどで社会に接して活動している女性ばかり。当時、私は何もしていなかったのです」
その後帰国し、昔からの友人と二人で起業! それが「HACCI」でした。なんと二人とも就労経験ゼロ! 2004年のことです。
「私の実家が老舗の養蜂園で、子どもの頃からはちみつが日常にありました。けれども、美容・健康にとてもいいことを、その当時あまり知られていなかったのです。それなら、はちみつのよさをもっと広めていきたい…という思いからのスタートでした」
そこで試行錯誤の末、完成したのが「ビューティーハニー」。使いやすいスポイト式の容器に入れ、ヒアルロン酸やコエンザイムQ10などの美容成分を加えたはちみつでした。
「ちょっと疲れたときなど、はちみつをなめると元気になる。そんな提案をしたいので、いつでもバッグに忍ばせておけるよう、容器を保護するリストバンドをつけるなど、アイデアは次々に浮かびました。こうして完成はしたものの、どこで売るのか?(笑) 世間知らずの怖いもの知らずで営業したら、,06年に銀座三越のイベントコーナー枠で、3カ月の売り場設置が決定しました」
はちみつをおしゃれなものにしたいと、まるで宝石売り場のような什器を設置し、かわいいパッケージにも凝り、はちみつの美容・健康効果を猛アピール。マスコミにも取り上げられ、徐々にはちみつ美容が注目されることに。
「次に着手したのは、子どもの頃祖母が手作りしていたはちみつ石鹼です。はちみつを10%以上入れ、繊細な泡立ちで、洗い上がりの肌がツルツルになる、祖母の石鹼を再現すること」
満足のいくものにたどり着くまで、試行錯誤の連続で、完成したのは,08年。これで美容界にはちみつ美容ブームを巻き起こします。その後、ハニーリップやボディクリーム、クレンジングなどを。そして,14年10月に待望の化粧水を発売。何代先までも長く愛され続けるべき渾身の一品。手探りで始めた会社は、また大きく飛躍しました。
「やりたいことが見つかったら、一歩じゃなくていい、まずは半歩を踏み出すこと。私はやるんだ! という気持ちがあれば必ずかないます。その半歩が人生にどれほど大きな前進になることか…。今、つくづく思います」
次回は、フードコーディネーターの伊藤和江さんの転機にまつわるストーリーをご紹介します。
撮影/洞澤佐智子(CROSSOVER) 取材・原文/山村浩子