東洋と西洋が出会うマカオは “美” 食ぞろい
こんにちは、小野アムスデン道子です。
香港から高速フェリーで約1時間のマカオは、中国という東洋とポルトガルという西洋が交錯するところ。
素材、味つけ、料理法などに歴史や文化が感じられる珍しい料理や身体と美容に効きそうな飲茶などエキゾチックな“美”食をピックアップします。
まずは、最もマカオらしい絶品グルメ「アフリカン・チキン」。
タイパにあるマカオ料理の人気店「カフェ・リトラル」で私が必ず注文する料理です。炭火で香ばしくグリルしたチキンに、スパイシーでカレーのような風味だけどまろやかなソース。この絶妙な味わいはマカオの歴史が作り上げた美味。
「アフリカン・チキン」は、カレーやココナツミルク、シナモンなどを使ったソースに鶏を漬け込んで焼いてあります。ポルトガルと中国の交易の中心地だったマカオですが、なぜ料理に“アフリカン”の名が?
この料理の原型は、15世紀に喜望峰回りのインド航路を発見したポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマが、アフリカで食べた唐辛子などの入ったスパイシーな鶏料理なのだそう。その後に、ポルトガル人が航海途中の道のりで得たカレーやココナツが加わって、最後にたどり着いた中国で広東料理と結びつき、ご飯にも合う今の味付けにいたったのだとか。
このスパイシーな料理には、ポルトガルの白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」がぴったり。アルコール度数が10%と低め、微発泡で飲みやすく、日本でも売られています。きりっと冷やして夏におすすめのワインです。
マカオ料理のルーツともいえるのが、ポルトガルの料理。
何種類も一気にお試しできるレストランが、マカオタワーにある「トロンバ・リージャ」。
本店は、ローマ時代からあるポルトガルの古い村に1966年に出来た老舗ですが、こちらマカオ店はモダンで洒落た雰囲気。ポルトガルのチーズやサラミなどの前菜から卵の黄身のシロップ漬けといったデザートまで、60種類ものポルトガル料理がずらりとブッフェスタイルで並びます。オリーブオイルをたっぷり使い、タマネギやニンニク、ハーブなどで味付けするのが特徴。白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」が合うのは、マカオ料理と一緒ですが、こちらは、ポテトやパンが合う西洋のお料理です。
一方、東洋・中国の味は、マカオ在住30年というガイド轡田洋子さんに教えてもらったローカルで大人気の「陶陶居海鮮火鍋酒家」がおすすめ。世界遺産「マカオ歴史市街地区」の一つ、セドナ広場から徒歩で5分ほど。100種類以上もある飲茶メニューが1皿20香港ドルからと、とにかくお得です。ここでは、身体にも美容にもよさそうだけど、いつもは高価で手が出ない食材を試したいところ。例えば、シアル酸などが豊富で、アンチエイジングな成分を含むツバメの巣入り牛乳プリン(燕窩鮮奶凍)は48香港ドル。他にも、カエルの卵巣に、増血にもよいナツメとハスの実を加えた、器蒸しといった滋養デザートなども。ツバメの巣入りプリンも出て来ます。
西洋から東洋へと料理の変遷を感じるポルトガル料理とマカオ料理、そしてたどり着いた先にあった中国の滋養の美味。マカオは1回でいろんな“美”食が味わえる食都です。
1香港ドル=15.8円 (2015年6月20日現在)
カフェ・リトラル http://www.restaurante-litoral.com
トロンバ・リージャ http://www.macautower.com.mo/dining/tromba-rija
陶陶居海鮮火鍋酒家 ホームページなし
住所: 6 Tv. do Mastro, Macau
取材協力/マカオ観光局 http://www.macautourism.gov.mo
キャセイパシフィック航空 http://www.cathaypacific.com/