「56歳からが脳の絶頂期」という黒川伊保子先生の言葉に勇気をもらったミーナ。「脳のためには質のいい睡眠が欠かせない」とも。よくは眠っているのですが、質には自信なし。せめて、寝る前のPC作業は止めなくては。
眠ることは体のためだけでなく、脳のためにも大切なこと。
脳科学者の黒川伊保子先生も「脳のためには質のいい睡眠が欠かせない」と語っています。
そんな黒川先生に、毎日実践している快眠法を伺いました。
脳の進化のためには、寝ている間こそが表の時間
「私たちの脳は寝ている間に更新され、
56歳くらいまでしなやかに進化しています。
健やかに眠ることは、明日への進化のために欠かせない行為。
つまり脳のためには、寝ている間こそが表の時間なのです。
そしていよいよ56歳以降になると、脳の本質の回路が太くなり、
余計なことが気にならなくなる出力性能最大の時期に入ります。
この機能をフルに使うためにも、
質のいい睡眠をとることが重要なのです」と言うのは、
脳の研究者として知られる黒川伊保子先生です。
黒川先生が日々実践している快眠法は次の通り。
●血糖値が乱高下して眠れなくなるので、午後4時以降は甘い物を食べない。
●朝の日差しを目撃し、幸福ホルモンのセロトニンを誘発する。
●卵を1日3〜5個食べる。理由は、脳内神経伝達を潤滑にする栄養素が満載なので。
●昼間は適度な運動をし、夜は筋肉を弛緩させるストレッチなどをする。
●夜中にまぶしい光を見ると50代以降はメラトニンが出にくくなるので、トイレの電気は煌々とつけない。
●熱がたまらず、かつ適度な保温性・通気性がある寝具を選ぶ。
●電子画面の凝視は、眠りのために必要な栄養素(ビタミンB⁶、カルシウム)を使ってしまうので、寝る前にパソコンやスマホの画面を見ない。
スイーツを食べるなら「午後4時まで」と心得て。
快眠だけでなく、ダイエットにもいい効果が期待できそう。
トイレの電気を煌々とつけないようにする。
「我が家のトイレは、夜間は足元のフットランプだけにしています」
不眠を年齢のせいにしてあきらめる必要はありません
「セロトニンの95%は腸で作られるため、
腸内環境を整えることも大切です。
栄養の吸収や代謝がいい人は、年をとってもよく眠れます。
不眠を年齢のせいにしてあきらめる必要はないのです」
黒川伊保子さん Ihoko Kurokawa
profile
1959年生まれ。脳科学者。
’83年、奈良女子大学理学部物理学科卒。
富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて14年間、人工知能(AI)の研究開発に従事。
民間の研究室等を経て、2003年、感性リサーチを設立、代表取締役に就任
撮影/板野賢治 スタイリスト/安部祐美 イラスト/かくたりかこ
取材・原文/上田恵子