美腸ケア4
世界中の研究者が注目!
腸内フローラ最新NEWS
腸にすみつく細菌は100兆個以上。お花畑のような生態系は腸内フローラと呼ばれ、そのさまざまな力の研究は、世界的に大注目の分野。
そんな今、日々更新されている各国の最新情報をご紹介。今回は、スイス、アメリカ・コロラド大学の調査の最新NEWSです。
自分の体調を知るために
急増中の腸内フローラ検査
空前の腸内フローラブームの中、増えているのが“腸内フローラ”検査。大きく分けて、検査は2タイプあります。
ひとつはクリニックタイプ。クリニックで検査をして、検査結果をもとに医師のアドバイスや改善メニューなどを組んでもらえます。もうひとつはセルフタイプ。自分で検査に出して、郵送やネットなどで結果をもらうという方法です。より丁寧に、ということならクリニックがおすすめ。
まずは、自分の腸内環境を知りたい、ということならセルフタイプでもデータはしっかりしているので、満足できるはずです。
「フローラチェック」
「Mykinso」
次ページには、スイスとアメリカの最新情報をお届け!
from Switzerland
スイス連邦工科大学の研究調査より
寄生虫さえも愛おしくなる
腸内細菌との関係性
寄生虫なんて聞くと、不衛生で悪いものと思ってしまうかもしれませんが、実は私たちの免疫に深く関与しています。世界で約20億もの人が腸内に寄生虫を持っているといわれています。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校のニコラ・ハリス教授は、寄生虫のぜん虫による喘息などのアレルギー改善効果などを研究。その結果、寄生虫は私たちの腸の中にいる細菌叢(マイクロバイオーム)と会話のようなものをしながら、免疫系に働きかけていることがわかってきたとか。寄生虫さえも愛おしい!?
The Intestinal Microbiota Contributes to the Ability of Helminths to Modulate Allergic Inflammation, immunity,2015
from USA
コロラド大学の解析調査より
運動は腸内環境を改善し、
脳も代謝もアップ
2015年11月に「Immunology and Cell Biology」で発表された論文で、米国コロラド大学のモニカ・フレッシナー教授は、毎日運動を行ったマウスと運動をしなかったマウスの腸内フローラの状態を比較。運動をしたマウスは運動しなかったマウスに比べて、善玉菌であるプロバイオティクスの状態がよかったことが判明しました。その結果、腸内フローラには代謝を活性化する可能性がある、とまとめました。
フレッシナー教授いわく、腸内フローラは、年齢が若い時期に基盤ができる可能性があるため、できるだけ早い時期から運動を始めることがとても大事、とのこと。また、腸内フローラは同時にうつ改善など、脳機能にも効果があったということです。
Early life exercise may promote lasting brain and metabolic health through gut bacterial metabolites. Immunology and Cell
Biology, 2015
次回は、日本、ニュージーランド、デンマーク、アメリカ・スタンフォード大学の研究調査についてご紹介します。
撮影/ケビン・チャン スタイリスト/森ゆう子 取材・原文/伊藤まなび