羽田美智子さんが気になる〝もの〞〝こと〞からその道の達人にコツを教わるこの連載。
今回のテーマは「着物」です。
続いて八王子花柳界を牽引するめぐみさんにうかがうのは、着物での、美しい立ち方。
美しく立ち上がるためには、かなりの筋力を必要とするのだとか!
02.
着物での立ち居振る舞いを
日常生活に取り入れる
「着物で美しく立ち上がるって、まるでスクワットですね」と驚きの声を上げた羽田さん。めぐみさんはこれを素早く、一日に何度も繰り返しています。「どっこいしょと体を前後させるのではなく、頭のてっぺんを吊られているように体を上下させるイメージで」とめぐみさん。筋力アップにもつながるこの動作、日々の生活にもぜひ取り入れて。
めぐみさんの実演&イラストにより、くわしくみていきましょう!
02-1
負担の少ない正しい
正座姿を身につける
お尻をかかとの上に下ろして正座します。重心を前にかけて軽く左右の親指、もしくは甲を重ね、足の甲に体重がかからないように
02-2
両足のつま先を立てて
〝跪座〞の姿勢を取る
両足のつま先を立て、その上にお尻をのせる跪座(きざ)という姿勢に。そのとき両脚の太ももに力を入れてお尻を少し浮かせます
02-3
体を浮かせて
立ち上がる準備
跪座の姿勢から利き足全体を浮かせるようにし、半足長(自分の足の長さの半分)だけ利き足を前に出します
02-4
いちばんきつい態勢こそ
太ももの筋力強化に
利き足の膝を床から離してゆっくり立ち上がります。このとき両脚の膝に力がかかるので、上体が揺れないように注意します
02-5
態勢を整えて足をそろえる。
この間約1秒の早わざ
立ち上がったら、引いている足をもう一方にそろえ、正立の姿勢に
この所作ができる筋力、姿勢のキープを目標に
めぐみさんの一連の所作を日常に取り入れるにはどうしたらいいか、加圧トレーニングスタジオ、サキュレ銀座の木村優子さんにお話を伺いました。
「軽々と立ったり座ったりしているように見えるかもしれませんが、脚を閉じた状態でこの動作をするには、実はかなりの筋力が必要です。現状、足腰に痛みがなくても筋力がないと感じる方は、勢いをつけずにゆっくりとお腹に力を入れ、太ももに手を添えて行うようにしましょう。どうしても利き足への負担が大きくなるので、エクササイズとして取り入れるなら、時々足を替えてみてもいいかもしれません。2~3回でも、無理せずにできる回数から始めてください」
羽田美智子さん
profile
1968年生まれ。女優として映画、ドラマ、CM、ラジオを中心に活躍。
テレビ朝日「警視庁捜査一課9係 season11」に出演が決まっている。TOKYO FM「ゆうちょ LETTER for LINKS」(毎週日曜15:00~15:30)が好評オンエア中。著書に『私のみつけた京都あるき』『私のしあわせ京都あるき』(ともに集英社)がある。
羽田美智子オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/hada-michiko/
めぐみさん
profile
1962年生まれ。花柳界とは無縁の環境で育ちながらも、約31年前に着物が着られる仕事だからとこの世界に飛び込む。
置屋「ゆき乃惠」と食事処「割烹 すゞ香」の女将を務めながらお座敷にも上がり、地域の人たちとの交流も欠かさない
撮影/板野賢治 ヘア&メイク/稲垣亮弐(maroonbrand)
スタイリスト/田内玲子 着付け/江木良彦 イラスト/かくたりかこ 取材・原文/向井真樹