女優の羽田美智子さんが気になる〝もの〞〝こと〞からその道の達人にコツを教わるこの連載。
今回のテーマは「心と体の整え方」です。
樹木医・塚本こなみさんに習う 「心と体の整え方」
静かにそこにたたずむ樹の気持ちをくみ、治療する樹木医という仕事に魅せられたことがあるという羽田美智子さん。
その羽田さんが憧れていた、女性の樹木医第1号の塚本こなみさん。
塚本さんが"心の樹"と呼ぶ、樹齢1,300年の春埜杉の前で、OurAge世代に共通するテーマでもある日々揺らぎがちな心や体を見つめ直し、整えるための方法を教えていただきました。
02.
樹も人も〝根っこ〞が肝心。
根を育てる土壌環境を整えて
「根気、根性、根本、根源、根幹と、人にとって大事な言葉には"根"という字が使われています。樹木医になって気づきました」。塚本さんが樹木医の資格試験を受けるときに送られた、恩師からの言葉も「枝葉の症状はすべて根にあり」だったそう。
「見えている部分だけにこだわらず、見えない根っこの部分をしっかり見極めることが大切なんだと知りました」と羽田さん。
「樹が健康に育つための条件は、土壌のバランスと土の柔らかさ。人が育つ土壌となるのは家庭環境。家族みんなの仲がいいことが何よりなの」(塚本さん)
03.
〝一日一生〞。
一日で一生が終わると思って生きれば、毎日リセットされて楽に
「一昨日、昨日があり、今日、明日、明後日があるのですが、人生を1本の線だと思うと切り替えができなくなってしまいます。朝の目覚めとともに生まれ、眠るときに死を迎える。そう思えば、新鮮な気持ちで毎日を迎えられませんか? 一日一日に太い点を打っていくこと。人生はこの新しい点の連続です。そう思えば、過去の嫌なことも引きずらないですみます」と塚本さん。
「毎日が新しい一生で、生まれ変われると思えば、上手に生きるコツを見つけられそうですね」と羽田さん。
羽田美智子さん Michiko Hada
1968年生まれ。女優として映画、ドラマ、CM、ラジオを中心に活躍中。近著に『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)がある
羽田美智子オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/hada-michiko/
塚本こなみさん Konami Tsukamoto
1949年生まれ。静岡県磐田市出身。結婚後、造園家である夫の仕事を手伝い、造園会社を設立。’92年、女性初の樹木医の資格を取得。日本各地の緑化事業や古木・巨樹の保護や治療、移植に取り組む。’96年「あしかがフラワーパーク」に大藤を移植し成功。現在は「はままつフラワーパーク」理事長。著書に『おおふじひっこし大作戦』(福音館書店)など
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/永塚克美(HEADS) スタイリスト/田内玲子
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/向井真樹