女優の羽田美智子さんが気になる〝もの〞〝こと〞からその道の達人にコツを教わるこの連載。
今回のテーマは「心と体の整え方」です。
樹木医・塚本こなみさんに習う 「心と体の整え方」
静かにそこにたたずむ樹の気持ちをくみ、治療する樹木医という仕事に魅せられたことがあるという羽田美智子さん。
その羽田さんが憧れていた、女性の樹木医第1号の塚本こなみさん。
塚本さんが"心の樹"と呼ぶ、樹齢1,300年の春埜杉の前で、OurAge世代に共通するテーマでもある日々揺らぎがちな心や体を見つめ直し、整えるための方法を教えていただきました。
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塚本さんの朝食は、新鮮なジュースとヨーグルト
2,000坪の菜園で、自給自足を目指してさまざまな野菜を作るという塚本さん。完全無農薬で栽培したにんじんやみかんで作ったジュースと、ヨーグルトが朝食の定番。
「ヨーグルトにオリーブオイルを入れて栄養のバランスを整えます。樹も人も余分なものはいらないのでシンプルに(笑)」
塚本さんの定番朝食メニュー
●にんじんまたはみかんのジュース
●オリーブオイル入りヨーグルト
つねに食べすぎないように気をつけながら、腸をきれいに保つ食生活を心がけているという塚本さん。「人の命の根っこは、多分、腸にあると思うので、腸内環境を整えるために、野菜を多くとるように心がけています」
心豊かに暮らすために。
感謝の気持ちを忘れずに
羽田 塚本さんは樹木医でいらっしゃると同時に、フラワーパークの運営にも携わっていらっしゃいますね。
塚本 つねにどういう園を造るかを考えていますが、フラワーパークは、パソコンの画面でいう“ごみ箱”でありたいと思っています。日頃ストレスの多い生活をしている方々が、きれいな花を見て、つらいことや苦しいことを園内にポイポイと捨てて、心を癒して帰っていただける場所にしたいと。
羽田 すばらしい!
塚本 一日にはいいことも嫌なこともあります。でもいいほうを持って帰るように心がけ、気持ちを切り替えていくことが大切です。そのためにも自分の樹を持つこと、フラワーパークや自然の中に身を置き、感謝の気持ちを忘れずに過ごしていきたいですね。
春埜山 大光寺(はるのさん だいこうじ)
養老2年(718年)、高僧・行基が山稜を巡錫した際、春埜山で霊気に触れ、ここに開山。明治政府の神仏分離の政策のもとでも、太白坊大権現、大梵尊天、帝釈尊天、閻魔大王を祀り、のちに春埜山 大光寺と号した。行基が植林したとされる神代大杉、春埜杉は、病気を癒すとされ、信仰の対象になっている
DATA
静岡県浜松市天竜区春野町花島22-1 ☎053-986-0941
東名高速「袋井」ICより車で約1時間半。東海道本線「袋井」駅より静岡鉄道バスで「森町」下車、そこから車で約40分
羽田美智子さん Michiko Hada
1968年生まれ。女優として映画、ドラマ、CM、ラジオを中心に活躍中。近著に『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)がある
羽田美智子オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/hada-michiko/
塚本こなみさん Konami Tsukamoto
1949年生まれ。静岡県磐田市出身。結婚後、造園家である夫の仕事を手伝い、造園会社を設立。’92年、女性初の樹木医の資格を取得。日本各地の緑化事業や古木・巨樹の保護や治療、移植に取り組む。’96年「あしかがフラワーパーク」に大藤を移植し成功。現在は「はままつフラワーパーク」理事長。著書に『おおふじひっこし大作戦』(福音館書店)など
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/永塚克美(HEADS)
スタイリスト/田内玲子 取材・原文/向井真樹