こんにちは小野アムスデン道子です。 ニューカレドニアと言えば“天国にいちばん近い島”という森村桂の小説のタイトルが思い浮かぶかも。でも、私もそうだったのですが、どこか南太平洋の遠くにある夢の島のようで、日本とどれくらい離れているとか、具体的にはあまり知られていないように思います。
フランスの海外領土だけあって料理がおいしい。そしてフランス的美意識の高さなのかスパのレベルもとても高いものでした。“天国にいちばん近い島”ニューカレドニアの離島の美しさ、食、そしてスパの魅力をピックアップしてご紹介します。
ニューカレドニアは、ニュージランドの少し北に位置するフランス海外領土で公用語もフランス語。最大の都市ヌメアまで成田と関西空港からエアカランが運航する直行便があって、約8時間半。ヌメアのある本島グランド・テール島と周辺の島々から成り、サンゴ種の美しいラグーンはユネスコの自然遺産に登録されています。
直行便は夜、ヌメアの空港に着くのですが、まず驚くのは、日本語表示が多いこと。“天国にいちばん近い島”からの人気や産出するニッケルを日本に多く輸出していることから、今もニューカレドニアを訪れる外国人客の中で日本はオーストラリアに次ぐ第2位。ホテルのスタッフから「コンニチハ」と挨拶をされることもあり、とても親日的な雰囲気です。
そして、フランス領だなと思うのは、スーパーマーケットでも焼きたてのフランスパンがあること。紅茶もフランスの老舗KUSUMI TEA(クスミティー)が並んでいます。
まず、ヌメアにランチで訪れたのは、フレンスっぽくクレペリエ「ル・ロッシュ」。高台にあって海が一望できる人気のクレープ店で、具沢山のシーフードのガレットとシードル(りんご酒)も。カフェカップで飲むのがフランススタイルとか。
ル・ロッシュ Le Rocher 住所:Nº 9 sur 162 Restaurants à Noumea
もう一つ、ニューカレドニアの名産と言えば「天使の海老」。自然の餌のみでニューカレドニアのきれいな海で育った高品質の海老のこと。ヌメアのフランス料理店「ル・アストラべ」では、フライやグリル、ソテーなど海老料理三昧でしたが、ぷりっとした歯触りでほんのり甘みさえ感じるうま味の濃さは、海老好きにはたまりません。
ル・アストロラベ L’Astrolabe 住所:Baie des Citrons.
ヌメアのラグジュアリーホテル「ル・メリディアン」や、ヌメアから2時間半ほどのブーライユにある、18ホールのゴルフ場を併設する「シェラトン・ニューカレドニア・デヴァ・リゾート&スパ」でスパを運営する「ディープ・ネイチャー( DEEP NATURE)」。フランスのタラソテラピー(海洋療法)の中で、海藻のミネラル分を利用したアルゴテラピーの老舗「アルゴテラム」社と提携したスパです。
日本語スパメニューも用意されていて、「ル・メリディアン」の「ディープ・ネイチャー」には、日本人スタッフも。マッサージの内容についていろいろ説明を受けた後、リラックスを追求したオリジナルのシグネチャーマッサージか、筋肉疲労を癒すスポーツマッサージか迷った末、歩き疲れ&肩こりもひどかったので、タッチが強めのスポーツマッサージを受けました。
肘や腕全体を使った強いストロークと、足裏などは指でもみほぐしてくれ、なかなかのテクニック。べたつかず、しっとりとした仕上がりで、身体が軽くなったよう。入場料を払えば、明るい日の入る屋内のジャグジー、乾式のサウナ、スチームサウナ、屋外ジャグジー、リラクゼ―ションスペースのあるラグジュアリーなスパスペースを利用できます。サウナにまで大きな窓があって、どこも開放感があり長時間過ごせそうです。
ル・メリディアン ・ヌメア Le Meridien Noumea
http://www.starwoodhotels.com/lemeridien/property/overview/index.html?propertyID=1842&language=ja_JP
もう1カ所の「シェラトン・ニューカレドニア・デヴァ・リゾート&スパ」は、1年半前にオープンしたばかりのとてもスタイリッシュでリゾート感あふれるホテル。広大な敷地内に立つ円形のバンガローが立ち、リゾート内の移動は、カートで送迎してくれます。
こちらの「ディープ・ネイチャー」もゆったりとしてほとんどプールのような風情のジャグジーにサウナなどが同様に充実。トリートメントルームも光の入る明るいつくり。今度は、リラクゼーション・マッサージを選びました。自然なアロマの香りのオイルを使って、スウェーディッシュ・マッサージのような柔らかなタッチでとても寛げました。
シェラトン・ニューカレドニア・デヴァ・リゾート&スパ
Sheraton New Caledonia Deva Resort & Spa
http://www.starwoodhotels.com/sheraton/property/overview/index.html?propertyID=3501&language=ja_JP
ニューカレドニアの本島のリゾートの話が中心でしたが、海の美しさを味わうには離島も訪れたいもの。本島から飛行機で30分のイル・デ・パンは、松の島という意味。この島を発見したイギリス人探検家ジェイムズ・クックが島に生える南洋杉を松と間違えてこの名前になったそう。この島のビーチもコバルトブルーの海がとても美しいのですが、ここからさらに高速ボートで20分ほどのイロ・ジュヌ(カメ島の意)の美しさといったら言葉に表わせないほど。真っ白なパウダーのような砂浜、澄んだ水がコバルトブルーからエメラルドグリーンに、そして深い藍に色を変えていく海はずっと見ていても見飽きません。
リゾートも食もスパもフランスらしいセンスにあふれていて、日本人フレンドリーだったニューカレドニア。そしてこの海の素晴らしさは、やはり“天国にいちばん近い島”という言葉がふさわしいと思いました。
取材協力/ ニューカレドニア観光局 https://www.newcaledonia.jp