話題の本の著者に聞く
「私が考えるタンパク質のとり方」
今、タンパク質を積極的にとる健康法やダイエット法を説く本がブーム。 特に話題の2冊の本の著者に、おすすめのタンパク質のとり方を伺いました。
ここでは、4回に分けて著書「ケトジェニックダイエット」で話題の斎藤糧三さん先生が提唱する、正しい糖質制限&タンパク質摂取の方法と健康的なダイエットの方法をご紹介していきます。
今回はアレルギー対策として卵や乳製品の食べすぎには注意すること、というお話です。
『ケトジェニックダイエット』の斎藤糧三先生に聞きました
斎藤糧三さん Ryozo Saito
1973年生まれ。’98年日本医科大学医学部卒業後、産婦人科医に。現在、日本機能性医学研究所所長。アンチエイジングクリニックのプロデュースも行う。得意分野は、栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエット指導、更年期症候群治療など幅広い
斎藤糧三 著『ケトジェニックダイエット』
糖質を制限しながらタンパク質や必要な栄養をしっかりとって行う、ケトジェニックダイエットの方法や効果を詳しく解説。斎藤先生をはじめ、この方法で痩せた人のビフォー・アフター写真も多数掲載。¥1,300/講談社
糖質制限&タンパク質摂取で、
健康的に効率よくダイエット
近年、糖質制限がブームですが、糖質制限に加えてタンパク質をしっかりとることも重視しているのが斎藤糧三先生の提唱する「ケトジェニックダイエット」。
「糖質制限をすると糖の代わりに脂肪が分解され、その過程で生まれるケトン体という物質がエネルギーとして使われるようになります。この“ケトン体回路”が回り続けると、体脂肪がどんどん分解され効率よく痩せていきます。ただし体内で糖質が不足すると、肝臓でアミノ酸やグリセロールを材料として糖を作り出す“糖新生”システムが働き、筋肉のアミノ酸が消費されます。そのためタンパク質を十分にとらないと筋肉が減ってしまいます。糖質制限で体を壊す人が多いのはこのためです。そこで正しい糖質制限術を説くために書いたのが本書です」
ケトジェニックダイエットでは、糖質を1日60g以下に制限しつつ、1日に、体重1㎏あたり1.2〜1.6gのタンパク質をとるのがルール。また、糖質制限中に不足しやすいミネラルや食物繊維、体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸も、毎日とるのが基本です。
「ケトジェニックダイエットは、2週間を目安にし、最長でも1カ月を限度に行います。実践した人の多くは、健康的に美しく痩せるだけでなく、疲れにくくなったり、貧血や便秘、冷え症、糖尿病、高血圧、アトピー性皮膚炎などさまざまな不調の改善効果も報告されています」
実際この本では、半年で10㎏痩せた人や10カ月で32㎏痩せた人など、多くの実例が写真とともに紹介されているうえ、さまざまな不調の改善例も紹介。体型や体調に悩む人は、一読の価値あり!
アレルギーの人には気になる、卵や乳製品の食べ方は次ページに。
4.アレルギー対策として、卵・乳製品は控えめに
卵、牛乳、乳製品は遅延型アレルギーを起こしやすい
斎藤先生は、卵、牛乳、乳製品は控えめにすることを提唱。
「食物アレルギーには、食べてすぐ起こる即時型と、ゆっくり反応が出る遅延型があります。即時型を起こしやすいのが卵で、遅延型を起こしやすいのは、同じく卵、牛乳、乳製品。なるべく控えめに」
卵は1日食べたら3日は食べない。牛乳は豆乳に
卵や牛乳はこんなとり方を推奨。
「卵は1日食べたら3日は食べないというペースにするとよいでしょう。また、牛乳には乳糖という糖質が含まれるのでケトジェニックダイエットでは避けたい食品。代わりに豆乳を、中でも糖質無添加の無調整豆乳を飲みましょう」
ヨーグルトやチーズはOK。でも食べすぎに注意
乳製品でもヨーグルトやチーズはOK食材としています。
「ヨーグルトやチーズは発酵によって乳糖が減るので、ケトジェニックダイエットではOK食材です。ただどちらも食物アレルギーを起こしやすいので、積極的にとることはすすめません。食べすぎないこと」
撮影/フルフォード海〈人物〉 鈴木泰介〈食品〉 スタイリスト/中野径恵〈食品〉
取材・原文/和田美穂 監修/斎藤糧三
撮影協力/UTUWA