「私だけは乳がんにかからない」と思っている人はいませんか? そんな病気を寄せつけない強さも大切だけれど、がんと診断されたときに、へこたれない力強さも大事です。当たり前のようでも意外と知らない「いざというとき」に役立つ10のヒントを参考にして。
01.自分にとっていちばん大事なことは何かを考える
治ったあとにどんな生活を送りたいのか、家族のこと仕事のこと趣味のこと、ファッションのこと…、未来の自分を思い描いて。その自分になるにはどうしたらいい? 何ができなくなるのがいちばん悲しいのか、何だったら捨ててもかまわないのか…?すると、今なすべきことが見えてくるかもしれません。
02.治療法を聞く際には、その根拠まで説明してもらう
治療法としてどんな選択肢があるのか、主治医から説明を受ける際はメモを取ったり録音する、もしくは自分以外の人と一緒に聞くなどします。そのとき重要なのは、その治療法をなぜすすめるのか、その根拠を説明してもらうこと。質問しないと教えてくれないこともあるので、わかるまで説明を求めましょう。
03.栄養と睡眠を今まで以上にきちんととる
治るためには栄養と睡眠、心理状態がとても大事。告知されたあとは、食べられない、眠れない…となる人もいるでしょう。でも何日も眠れないのはよくありません。睡眠導入剤などの力を借りてでも、眠ったほうがいいのです。そして「食べる力は治る力」。心身によい食べ物を厳選して、少しずつでも食べるようにします。
いざというときに役立つ10のヒント、続きは次のページで!
04.すすめられた治療法のほかに、念のため別の方法も聞いてみる
説明を受けた選択肢のほかにも、どんな治療法があるのか、念のため聞いておくこと。あとで困ったときに何か別のヒントになるかもしれません。
05.主治医をうまく利用して不安があればセカンドオピニオン
できるだけ主治医を利用し、いろいろな情報を聞き出すのが第一。それでも主治医の説明に納得できなければ、ほかの医師にセカンドオピニオンを求めます。
06.その場で何か決断するのでなく、時間をおいてよく考えてみる
急いで決断しなければならないことがあったとしても、ひと呼吸おいて考えるようにします。場合によっては、何日間か考える時間をもらいましょう。
07.「がん=死」などとは思わないようにする
乳がんが死に直結する時代ではありません。同じ症状や病期でも、年齢やライフスタイルにより治療法も違うので、自分に最良の方法を考えるのが先決。
08.発想の転換:見るのは将来。前向きな考え方に切り替える
いろいろなことを考えて落ち込んでいる暇はたぶんないはず。今やるべきことをひとつひとつこなし、完治に向けて次のステップへ進みましょう!
09.今まで自分がやってきたことを悔やんだりしないこと
子どもを産まなかったから乳がんになったのだとか、ストレスをため込んでいたからだなどと、過去を考えても始まらない。自分の力を信じて生きる決意を。
10.乳がんについてよく知る人たちに相談してみる
乳がん経験者やピンクリボンアドバイザー、患者の会など、患者の立場になって考えてくれる人たちの話を聞いてみるのもプラスになります。
「もしかして乳がん?」と思ったときはどうしたらいいのでしょう。次のページでご紹介します。
「もしかして乳がん?」と思ったときは
「検診」ではなく「診察」に行くのが鉄則です!
自分の胸にしこりなどの異常を見つけたら、できるだけ早く乳腺科を受診すること。「乳がん検診を受けているから、次回また検診すればいいや…」と思うのは間違いです。
乳がん検診はあくまで一般的な「検診」で、自覚症状がないことが前提のため問題解決にはつながりません。そのしこりがどういうものかが解決するまで調べてもらえるのは「診察」なのです。また、診察結果が「正常です」と言われた場合でも、「しこりだと感じたものは何だったのか?」をはっきりさせることも大事。通常の乳腺なのか膿疱なのか脂肪なのか良性腫瘍だったのか、きちんと調べてもらいます。それが、がんではないことをはっきりと確認してくることを忘れずに。
そして、今まで一度も乳がん検診を受けていず、急にしこりを発見した場合でも、検診していなかったことを悔やんでいても仕方がありません。それよりとにかく早く医師に診てもらうようにしましょう。
※ 気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。
撮影/露木聡子
構成・原文/蓮見則子