女性検診や人間ドックを受けるにも、どんな検査項目が含まれているものがいいのか、オプションで加えるべき検査はあるのか悩ましいところです。
関口先生に気になる疾患別に加えるべき検査項目をうかがいました。
必須検査がわかると自分の体の問題点も把握しやすくなる
関口先生がOurAge世代に重要視してほしい検査項目をリストアップ。
「乳がん、子宮がんなど女性特有のがんは、やはり年齢とともにリスクは高まるので、必須です。リストには挙げていませんが、大腸がんも女性には多いので、定期的にチェックすることは大事です。また、家族に多い疾患などは、下記と併せて検査項目に加えてみることも必要ですね」
関口先生のクリニックでは、40代後半におすすめの検査に、“骨盤底筋検査”という項目もプラス。
「40代後半から尿漏れや子宮脱といったトラブルも増加します。その原因が骨盤底筋の衰えです。私が泌尿器科専門ということもあり、骨盤底筋検査を加えました。生死に関係する項目ではありませんが、骨盤底筋の筋力が低下すると、これから先のQOLがとても悪くなってしまうのです」
これは実は生きていくうえではとても大事なこと。骨盤底筋だけでなく、膝や足腰の関節など、下記の項目だけでなく、自分が弱いな、なにか気になるな、と感じる部分があったら、ぜひ検査項目に加えてみましょう。
50歳前後からはこの項目にも着目して検診を!
マンモ&超音波のダブル検診のほうが、リスクの発見率は高い
乳がん検査は、MyAge世代も必須。マンモだけ受診する人が多いですが、乳腺量が多い場合、マンモだけだとわかりにくいことも。乳房超音波検査と併せるのが正解。
加えたい検査項目
年齢的に子宮体がんのリスクもアップするので、子宮頸がんだけでなく項目にプラス。さらに、卵巣のトラブルも増えるので、経膣超音波の検査も項目に加えるのが理想です。
加えたい検査項目
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この時期にありがちな不調の原因が女性ホルモンかどうかを把握
40代後半から減少する女性ホルモン。更年期が始まっている人も、体に起こる不調が女性ホルモンから来ているのか知るためにも、血液検査で女性ホルモン値を調べておくべき。
加えたい検査項目
"今から"の予防と対策が、10年後、20年後を大きく変えます
骨密度というと手のひらやかかとで測定する簡易検査が多いですが、それだと正確性はイマイチ。将来女性が骨折しやすい腰椎や大腿骨をX線で診るDEXA法検査がおすすめ。
加えたい検査項目
女性に疾患が多い甲状腺トラブルは血液検査と超音波でチェック
甲状腺トラブルは、女性に多い疾患です。なんだか調子が悪い、更年期かと思ったら、甲状腺トラブルだった、ということも少なくありません。超音波と血液検査でしっかりと。
加えたい検査項目
高血圧、脂質異常が気になる人は、必須項目に加えるべきです
女性ホルモン減少や生活習慣などから、40代後半から増えるのが血管系のトラブル。頸動脈超音波で血管の状態やプラークを確認したり、動脈硬化検査などをプラスしましょう。
加えたい検査項目
次回は、関口先生のクリニックで行われている女性検診の体験ルポをお届けします!
1963年生まれ。医学博士、女性医療クリニック・LUNAグループ 理事長。
泌尿器を専門に診るLUNA骨盤底トータルサポートクリニック 院長。『女性外来の骨盤底筋トレーニング』(宝島社)など著書も多数。
www.luna-clinic.jp/
構成・原文/伊藤まなび