羽田美智子さんが、脳科学のエキスパート黒川伊保子さんとスペシャル対談。
「56歳からが脳の絶頂期!」とお話しする黒川さんが、MyAge世代が「脳のためにこれからやるべきこと」を教えてくださいました。
50歳から「成熟脳」を
手に入れる方法5
56歳に向けてはもちろん、それ以降も続けることで脳の活性化を促す習慣と運動。シャープで若々しい脳を保つためにできることを、今日からスタートさせましょう。
01.
脳の進化を促す
シンデレラ睡眠を心がける
脳は眠っている間に今日の体験を何度も再生して確認し、知識やセンスへと変化させて神経回路に書き込んでいきます。そのために必要なホルモン、メラトニンの分泌が最も盛んになるのが夜の10時から2時。「お忙しいかと思いますが、せめて12時には寝る"シンデレラ睡眠"を心がけて」(黒川)。「就寝はいつも夜中の2時、3時でしたが、先生の本を読んでからは何とか12時前後に寝るように心がけています」(羽田)。質のよい眠りを手に入れるには、携帯やPCは11時までにはやめ、室内の明かりを落としてゆったりと過ごすようにして。
02.
1日に卵3個。野菜をプラスした朝食で
安定した精神状態をキープ
黒川さんの朝食はトマトスムージー。トマト1個にオリーブオイル大さじ1、塩、生卵1個をミキサーにかけるだけの手軽さで一年中飲んでいるそう。「卵は、脳が必要とする栄養素を、ビタミンC以外はすべて含んでいる完全栄養食品。1日3個というと驚かれるけれど、コレステロールは脳が大量に必要とする栄養素だから怖がることはありません。それより気をつけたいのが、バターなしのトーストや、甘いパン、おにぎりなどの朝食。高糖質な食べ物は血糖値を乱高下させ、だるさやムカつき、キレやすい状態を招き、脳の質を低下させてしまうので要注意。どうしても甘いものが食べたかったら、血糖値の急上昇を避けられる、卵やバターを使ったプリンやシュークリームを」(黒川)
03.
でも、だって、どうせ…。
ネガティブなブレーキ言葉を封印
過去の失敗をクヨクヨと思い出したり、未来の失敗を案じて思い悩むと、脳内ではネガティブ思考の回路が発達してしまい、余計に失敗しやすい脳になります。「ネガティブなことを思って、口に出して、耳で聞いてしまうから、失敗の回路を3回も活性化させてしまうんですよ」(黒川)。「倍返しじゃなくて3倍!」(羽田)。同様に、人をとやかく言うことを繰り返しても、脳にブレーキがかかるようになるそう。「でも、だって、どうせ、という言い訳言葉を意識して使わないようにすること。簡単なことではないけれど、毎日意識するだけで思考回路がポジティブになります。反対にありがとう、うれしいなどはポジティブ回路を作る魔法の言葉。積極的に口にしていくといいですよ」(黒川)
黒川伊保子さん
Ihoko Kurokawa
1959年生まれ。人工知能研究者。脳科学コメンテーター。奈良女子大学理学部物理学科卒。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリで人工知能の研究開発に従事後、コンサルタント会社勤務、民間研究所勤務などを経て、2003年、感性リサーチを設立。右の著書や『女は覚悟を決めなさい』(ポプラ社)など著書多数
黒田さんの最新刊は、こちら。
「なんだか最近、さえない…」と思ったら、それは脳が疲れているせいかも!? 脳を見つめ続けてきた黒川さんが提案する、〝脳のメンテナンス〞のための生活指南本。
『「ぐずぐず脳」をきっぱり治す!
人生を変える7日間プログラム』
本体¥1,200+税/集英社
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イラスト/かくたりかこ 取材・原文/向井真樹