実は日本人の多くは正しいケアができていないというオーラルケア。大切なのはハミガキではなく、プラークコントロールを行なうことなのだそう。今回は具体的なプラークコントロールの方法をご紹介します。
豊山とえ子さん
Toeko Toyama
1959年生まれ。歯科衛生士。夫である豊山洋輔氏とともに、削らない歯科治療をする「聖母歯科医院」を経営。日本顎咬合学会認定歯科衛生士、ホワイトニングコーディネーターなどの資格も。著書『歯は磨かないでください 歯周病を治すと、全身が健康になる』(廣済堂出版)が話題に
唾液
食べ物をよく嚙んで食べたり、
唾液腺マッサージで分泌を促して
口内環境をよくするには唾液の分泌を高めることも大切。「唾液には抗菌作用だけでなく、歯の再石灰化作用、口内のpHを一定に保ち虫歯を防ぐ作用、口内を清潔に保つ作用など多くの効果が。唾液は食べ物をよく嚙んで食べたり、ガムを嚙むだけでも増やせます。また、唾液腺マッサージを取り入れるのもよい方法。耳下腺、顎下腺、舌下腺をこまめにマッサージして」
1.まず耳下腺から。上の奥歯のあたりにある耳下腺に指を当て、後ろから前に回すようにマッサージ。これを10回。
2.次は顎下腺。あごのエラから3㎝ほど内側の顎下腺に指を当てて5回プッシュ。この要領であごの先まで同様に行う。
3.最後にあごの先端の内側にある舌下腺をマッサージ。このあたりに親指を当て、押すようにマッサージ。これを5回
乳酸菌
乳酸菌を含む食品やタブレットを
とって口内の善玉菌を増殖
食品から乳酸菌をとるのも手っ取り早く口内環境を整える方法。「善玉菌である乳酸菌を補うことで歯周病菌などの悪玉菌を弱体化させます。ヨーグルトや漬け物などの乳酸菌を含む食品をとったり、乳酸菌のタブレットを利用するのもよいですね。腸の入り口である口の中の細菌をよい状態に整えると腸内環境も整います」
[右] 乳酸菌のラクトバチルス・ロイテリ菌がとれる。プロデンティス 30錠¥3,000/ADI.G
[左] 食物繊維・オリゴ糖など善玉菌の栄養とビフィズスB3菌がとれる。菌活プレバイオティクス 84錠(7日分)¥2,000/湘南メディカルパートナー
舌苔(ぜったい)
電動歯ブラシ付属の舌磨きなどで
優しくたたいて除去を
舌苔は細菌の塊なので除去したほうがいいけれど、ケア方法には注意が必要。「舌表面には味蕾(みらい)という味覚を感じるための小さな突起があります。舌苔を取り除くのに歯ブラシで舌をこすると味蕾を傷つけるのでNG。こすらずに、ソニッケアーなどの電動歯ブラシ付属の舌磨きなどで優しくたたいて除去するのが◎」
電動歯ブラシのソニッケアー ダイヤモンドクリーン ディープクリーン エディションに付属された舌磨き。200個以上のミクロの凹凸が舌の汚れを除去。
本体込み¥28,800(編集部調べ)/フィリップス エレクトロニクス ジャパン
次回は歯科医師も納得のオーラルケアアイテムをご紹介します。
撮影/中川十内 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/和田美穂