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知っていればさらに華やぐ シャンパーニュの世界

小野アムスデン道子

小野アムスデン道子

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、旅の楽しみ方を中心としたフリーランス・ライターへ。
旅と食や文化、アートなどライフスタイルについての執筆や編集、翻訳多数。
日本旅行作家協会会員。
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こんにちは小野アムスデン道子です。自称泡ニストですが、グラスに立ち上る泡にハレな感じが沸くスパークリングワインの中でも、シャンパーニュはまた格別。この「シャンパーニュ」というのは、シャンパーニュ地方で造られるワインだけが名乗れる原産地呼称(AOC)なのです。その中で、クリュ(村)やパーセル(区画)といった生産の場の違い、味や色、ヴィンテージ(グレード)、アッサンブラージュ(複数のワインの混合)などによって、実はものすごくたくさんの種類があります。さらに、“乾杯のお酒”のイメージのあるシャンパーニュですが、さらに前菜からデザートまでお料理に合わせて選び、贅沢に楽しむこともできます。

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シャンパーニュの有名なメゾンが集まるエペルネには、シャンパーニュ委員会の本部があり、委員会の交付する業者番号がなければシャンパーニュを醸造することができません。なので、シャンパーニュのメーカーはすべて会員になっており、会員数はなんと約5,000。

そのシャンパーニュ委員会日本支局開催のブラインドティスティングディナーで、6銘柄のシャンパーニュをいただいて、お料理とのマリーアジュについて学んで来ました。講師はフレンチの名店銀座レカンの元シェフソムリエで、日本初のワインテイスターとしてご活躍の大越基裕氏。さて、自称泡ニストというシャンパーニュ好きの私のテイスティングやいかに。

小野アムスデン道子

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会場は、南青山「プレブナンスPrévenance」。まず全部で7品のアペリティフから。手前は鉄板の雲丹とキャビアタルト、ワカサギは透けるようなジャガイモで巻かれ、真ん中にはサボキャベツチップなどが鉢植えのように盛りつけられて洒落ています。最初のシャンパーニュは、私には優雅で柔らかなスタートに思えました。シャンパーニュの銘柄は最後にオープンということで、講師からは「カリッとした食感の揚げ物などは、泡と合わせやすい料理。脂肪と酸の相性がよいのです。キャビアを先に食べて、タルトレットのイーストの感じとシャンパンを楽しむというのもいいですね」とマリアージュについてのコメント。

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シャンパーニュはそのままで、アミューズはくぬぎ鱒のタルタルを二十日大根がきれいに彩る一品。シャンパーニュについては、柑橘系から春の花のような香りということで、その辺りが優雅な感じを醸しているような。

 

メインの一皿目は帆立ポアレ。ソースがほのかに甘く、こちらも柑橘系の香りのシャンパーニュが合いそうなお料理。2番目には繊細にして軽やかな、これぞシャンパーニュというスタンダードなもので。透明感もあって、私はクリアな味に感じました。

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ここで、シャンパーニュのマチュラシオン(熟成)とドザージュ(澱を除去した後の仕上げ段階で、甘みを調整したリキュールを加えて、ボトルの液体量を調整すること)についての蘊蓄。シャンパーニュは、ノンヴィンテージでも最低15ケ月はカーブに置かれ、ヴィンテージでは最低3年間の熟成をさせるとのこと。そして、クリアに感じたこのシャンパーニュのドサージュはやっぱり低めでした。

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メイン2皿目はフォアグラ。贅沢なフォアグラですが、ちょっと塊は重たい感じ。3番目のシャンパーニュは、しっかりしたストラクチャーで、36ケ月の熟成。「これはムニエ、ピノノワールといった黒ブドウが醸すボリューム感」とか。なるほど、ちょっとスパイシーでしっかりした感じのテイストです。

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お魚料理は、冬の味覚、鮟鱇(あんこう)。ここでグラスがボルドー型に!この4番目のシャンパーニュは黄金色。「ブラン・ド・ノワール(黒ブドウ100%) 。テロワール(土壌)とピノノワールのアロマを感じて」ということで、大きなグラスで香りを存分に楽しみます。シャンパーニュの香りがこんなに深く楽しめるなんてと、ちょっと目からウロコ。左から2番目がこのグラス。

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次にもう1品肉料理で、川俣軍鶏のロティも。黒トリュフをのせて。ブルゴーニュ形のグラスに注がれたシャンパ―ニュは、緑を感じる若々しい感じだけど滑らかで余韻もある。そして果実や花などフローラル…これは、私も当てたのですが、ペリエジュエのベルエポックでした。ボトルにエミール・ガレによるアネモネの花の絵が描かれたシャンパーニュですね。

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最後にデザート2品に合わせて出て来たのはロゼのシャンパーニュ。
ドゥミ・セック(甘いタイプ)ではなく今日はブリュットなので甘みはなく、フレッシュなテイスト。最後の締めくくりに、デザートもワインも甘いより、この組み合わせがよい感じでした。

小野アムスデン道子

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ブラインドテイスティングと言っても、当たる当たらないより、お料理に合わせて、シャンパーニュだけでもバリエーションがあるのと、グラスまで変えていく楽しみ方が新鮮だった私。次にお客様を迎えたら、シャンパーニュは決して最初の1本だけではなく、華やかな場面で出していきたいなと思ったのでした。

小野アムスデン道子
本日のシャンパーニュ、左から:
HENRI GIRAUD, Blanc de Craie
BILLECART-SALMON, Brut Réserve NV
GEOFFROY,1er Cru, Cumières Expression Brut, NV
MAILLY, Grand Cru Blanc de Noires
PERRIER- JOUËT, Belle Epoque 2006
DEMOISELLE, Brut Rosé, NV

 

 

取材協力/シャンパーニュ委員会日本事務局

http://www.champagne.fr/jp/comite-champagne/bureaus/bureaus/japan 

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