閉経以降の体の若さを保つには
骨盤底筋(こつばんていきん)と腟の若さ、骨量をキープ!
閉経後は女性ホルモンの分泌が欠乏して、骨盤底筋や腟が緩み、骨こつ粗そ しょう症しょう予備軍になる心配も…。
まずは筋力の衰えや骨量減少を食い止めて、50代の体を老年期まで絶対にキープしたい!
骨盤底筋は年齢とともに変化します
40代以降、徐々に弾力が失われていく骨盤底筋。
年齢とともに変化するから、思わぬリスクがあることを、きちんと知っておきたい!
鍛える!
尿もれ・骨盤臓器脱の予防&改善に
骨盤底筋トレーニング!
呼吸法で、骨盤底筋の働きを
チェック&鍛えることができる
骨盤底筋トレーニングを行うときは、背筋を伸ばし、胸を大きく開く〝胸式呼吸〞をするのがポイント。〝息を吐く〞ときに骨盤底筋と横隔膜を引き上げるイメージで骨盤底筋をキュッと締めます。
「力の入れ方がわからない人は、自分の腟口や尿道口、肛門のあたりを手で触れて、キュッと締めたときの感覚を確かめてみてください」(福岡由理さん)
このとき注意したいのは、下に押し下げるイメージで息を吐かないこと。
「下に押し下げるイメージで呼吸すると、子宮や膀胱などを下垂させてしまうので、〝吐くときに引き上げる〞イメージを意識しながら行うことが重要。軽度の尿もれであれば、この呼吸トレーニングを1週間程度続けるだけで改善されます!」
次のページで図解します。
●Attention !●
特に息を吐くときに
体の内側に意識を向けて
骨盤底筋のハンモックの働きが正常であれば、息を吐いたときに横隔膜と骨盤底筋が連動して引き上げられるのがわかります。もしも、息を吐いたときに下がるように感じられる場合は、骨盤底筋が緩みはじめている可能性が大。その場合は次回詳しくご紹介するトレーニングを実践しましょう。
●「吸う」とき
息を吸って肺がふくらむと、横隔膜が引き下げられるとともに、骨盤底筋が下がります。この骨盤底筋の動きを意識しながら行って。
●「吐く」とき
息を吐いて、肺がからっぽになると横隔膜が引き上げられ、骨盤底筋も一緒に上に上がります。吐くときに、骨盤底筋を引き上げるイメージを持って行うことが大事。
松峯寿美さん Hisami Matsumine
1946年生まれ。東峯婦人クリニック院長。医学博士。日本産婦人科学会専門医。
東京女子医科大学、同大学院卒業。
1980年に開業以来、妊娠・出産・更年期・老年期まで、
婦人科系のQOL(生活の 質)を保つ医療を実践。
骨盤底筋トラブルの治療や子宮脱を改善する経腟手術なども行う。
『女性の医学BOOK』(永岡書店)など著書多数
福岡由理さん Yuri Fukuoka
1982年生まれ。理学療法士。
東峯婦人クリニックにて産前・産後の骨盤底筋ケア、更年期以降の尿もれ、
骨盤臓器脱の予防・改善に有効な骨盤底筋トレーニングを指導している。
全身のバランスを整えて不調を改善する理学療法を行う。
共著に『ウィメンズヘルスと理学療法』(三輪書店)など
次回は、日課として行いたい、簡単な骨盤底筋トレーニングの方法を詳しくご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/大石久恵 監修/松峯寿美、福岡由理