骨代謝!
骨粗症(こつそ しょうし ょう)は予防が肝心!
思いがけない骨折などにつながる「骨粗しょう症」は、女性ホルモンの枯渇が大きな原因。閉経後の女性は誰もが予備軍といえます。
【骨粗しょう症の基礎知識 Q&A】
Q どんな検査を受けて判定されるの?
A DEXA(デキサ)法というX線検査で骨密度を測定します。
骨粗しょう症が疑われた場合はDEXA法というX線検査を行い、前腕部または全身の骨密度を測定します。ちなみに、足のかかとの骨をチェックする超音波検査では、正確な骨密度はわかりません。
Q なりやすいのは、どんな人?
A 生活習慣の中にリスク因子が潜んでいます。
骨が弱くなる要因には、長年の生活習慣がかかわっています。閉経以降の女性ホルモンの欠乏や骨折経験など、防ぎようのない因子もありますが、生活習慣を改めることにより、骨量減少を食い止めることは可能です。
「一般的に『実母が骨粗しょう症になると、娘もなりやすい』ともいわれますが、だからこそ栄養バランスのよい食生活を心がけ、急激に痩せないようにするなど、骨量減少のリスク因子を減らすことが肝心。カルシウム吸収の働きを低下させる喫煙や、骨形成の働きを妨げる過度の飲酒にも要注意」(松峯先生)
Q 骨折しやすいのは体のどこですか?
A 背骨の椎骨、手首、大腿骨の付け根が要注意。
「骨量が減ると、体に負荷をかけたときに背骨の椎骨がつぶれて、背中が曲がる原因になります。また、手首は転んで手をついたはずみに折れやすい部位。とっさに手をつくことができず、しりもちをつくと、大腿骨を骨折することもあります。大腿骨の骨折は寝たきりにつながるため、注意が必要です」(福岡さん)
Q 何科に行くといいですか?
A 骨粗しょう症に詳しい婦人科、整形外科へ。
「日本骨粗鬆(しょう)症学会」が診断基準や治療のガイドラインを定めていますが、科によっては異なる場合も。痛みや骨折を伴う人は整形外科、糖尿病やリウマチなど骨粗しょう症になりやすい持病がある人は内科、また、症状はないけれど閉経後が心配な人は婦人科を受診するといいでしょう。
松峯寿美さん Hisami Matsumine
1946年生まれ。東峯婦人クリニック院長。医学博士。日本産婦人科学会専門医。
東京女子医科大学、同大学院卒業。
1980年に開業以来、妊娠・出産・更年期・老年期まで、
婦人科系のQOL(生活の 質)を保つ医療を実践。
骨盤底筋トラブルの治療や子宮脱を改善する経腟手術なども行う。
『女性の医学BOOK』(永岡書店)など著書多数
福岡由理さん Yuri Fukuoka
1982年生まれ。理学療法士。
東峯婦人クリニックにて産前・産後の骨盤底筋ケア、更年期以降の尿もれ、
骨盤臓器脱の予防・改善に有効な骨盤底筋トレーニングを指導している。
全身のバランスを整えて不調を改善する理学療法を行う。
共著に『ウィメンズヘルスと理学療法』(三輪書店)など
次回からは、骨粗しょう症の予防の実践編をご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/大石久恵 監修/松峯寿美、福岡由理