いし こんにちは、ぐうたらライターいしまるこです。
大寒の頃、みなさまいかがお過ごしですか?体調を崩しやすいこの時期、読む特効薬、根来教授の最新刊がよく効きますよ〜。自己免疫力を高め、細胞から元気になるための知っておきたい基礎知識や生活術が満載です!
「細胞呼吸」とは、息を吸って吐く「肺呼吸(外呼吸)」に続いて全身の細胞レベルで行われる内呼吸のこと。不調が起きている部位は細胞が息切れを起こしている状態。根来教授がその仕組みをわかりやすくレクチャーし、具体的なセルフケアを伝授します。詳しくはコチラから。
根来 こんにちは、根来秀行です。おかげさまで大好評で、すでにいくつかの大手企業からも社員研修の参考書にしたいと申し出を受けています。
いし おおっ、すごい!では、アワエイジの連載もはりきって参りましょう。
ハーバード大学医学部の根来秀行ドクターによる最先端医学に基づくカラダ年齢若返り企画、大好評だった「脳年齢を若返らせる!」の第2弾スタートです。
根来 前回までは7回にわたって脳の「視床下部」を取り上げましたが、今回からは「海馬」を取り上げたいと思います。
いし 海馬といえば、脳の記憶を司る部位ですね。
根来 はい、その通りです。大脳皮質の側頭葉のすぐ裏側で、耳の奥あたりに左右ひとつずつあります。
[イラスト左上]海馬は記憶を司る大切な部位なので、大脳の奥深くにある大脳基底核(視床や脳幹を結びつけている神経細胞の集まり。認知機能や運動調節にかかわる)に格納されるように収まっています
いし 「海馬」ってタツノオトシゴの別名でもありますよね。
根来 はい。海馬は長さ10cmほどで、タツノオトシゴのような形をしていることからその名がついたのです。
いし 想像するとなんだかカワイイですね。
根来 ところで、そもそも記憶はどのようにつくられるかわかりますか?
私たちは目や耳、鼻、皮膚などからつねに膨大な情報を受け取っているけれど、それが全部記憶されているわけではないですよね。
いし 確かに! 全てのことがまるまる記憶されたら脳がパンクしちゃいます。
根来 ですから多くの情報は意識されることなく、1秒ほどで忘却され、意識した情報だけが保持されて記憶となるわけです。
記憶のもとになる情報は、脳の最も外側の層である大脳皮質の側頭葉から海馬の歯状回に入ってきて、海馬をぐるり一周し、再び側頭葉に帰っていきます。
[イラスト右下]情報は歯状回から海馬に入って処理され、海馬傍回を通じて大脳皮質の側頭葉に送られます。脳のそれ以外の場所へ情報を送る際は海馬采を通って出力されます。
いし 記憶してもすぐ忘れちゃうものと、ずっと覚えているものがありますね。
根来 記憶は脳で維持される時間によって、〝短期記憶〟と〝長期記憶〟に分かれるんですよ。
短期記憶は30秒程度しか保持できません。人から電話番号を聞いてダイヤルする時などに使われ、電話をかけ終えればその番号の記憶は忘れ去られます。
ただし、何度も同じところにダイヤルしていると、いつのまにかその電話番号を覚えてしまいます。短期記憶も繰り返されることで定着し、長期記憶になるのです。
いし 今は最初に短縮ダイヤルに登録しちゃうから、長期記憶につながらず、家の電話番号ですら覚えていないなんてことも起きちゃうわけですね。
根来 そうですね。入力された情報は海馬で覚えるべき情報とそうでないものとにふるいにかけられます。海馬が大事だと判断した情報は側頭葉の大脳皮質に送られ、長期記憶として保存されます。
いし いしまるこがいろいろ覚えられないのは海馬が長期記憶を放棄しているからか!?
根来 はてさて、どうでしょうねぇ。
では次回は記憶がどのように定着していくのか解説しましょう。
それではみなさん、今日も素敵な1日を!
根来先生の著書「病まないための細胞呼吸レッスン」より、
自律神経のバランスを整え、ストレス耐性を高める「基本の4・4・8呼吸法」という動画がYoutubeにアップされました。ぜひチェックしてみてくださいね!
(次回は「ど忘れが増えるのは記憶の得意分野の変化!?」です。お楽しみに! )
取材・文/石丸久美子 イラスト/浅生ハルミン