産婦人科医の土屋眞弓先生の快眠対策は生活環境の改善。長年悩んでいた不眠症を克服したその対策とは? くわしくご紹介します。
生活環境を整えることで、
8年前からの不眠症を克服
土屋眞弓さん Mayumi Tsuchiya
土屋産婦人科 産婦人科・美容皮膚科 57歳
漢方薬と適度な運動で、
不眠症を徐々に改善
8年前にご主人が病に倒れて以来、不眠症になってしまった土屋眞弓先生。かつては眠剤で対応してきたそうですが、現在は翌朝早いときや旅行のとき以外は、薬に頼らずとも眠れるようになったといいます。
「不眠が改善してきたのは、ここ1~2年のことですね。現在も旅行のときなど、状況に合わせて超短時間作用型の非ベンゾジアゼピン系のルネスタを服用しています。でも、そこまで深刻でない場合は、ツムラの漢方薬で対処。精神的にストレスを感じたときは、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と抑肝散(よくかんさん)を併せ飲みしています。冬、手足が冷えて眠れないときは当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、お酒を飲みすぎたときは五苓散(ごれいさん)を。歩きすぎてこむら返りを起こしそうなときは、予防のために芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を服用してから眠るようにしています。サプリメントで長く飲み続けているのは、エクオール含有食品のエクエルですね。直接、不眠と関係があるわけではないですが、ホルモンバランスを整えることは快眠にもつながりますから」
土屋先生の現在の平均睡眠時間は5~7時間ですが、理想としては7時間眠りたいのだそう。
「精神的な疲労と肉体的な疲労が同じくらいでないとよく眠れないので、仕事で頭が疲れているときはジムで運動もするようにしています。またお風呂では必ず湯船につかり、ジャグジーでのんびりリラックス。夜はもちろんスマホの使用も控えます。昼間、どうしても眠いときは、昼休みに30分だけ仮眠をとることも。ただし30分以上の昼寝は夜の睡眠を妨げるので、寝すぎないよう注意しています」
「寝る前には、ホットミルクやカモミールティーを飲みます。また快眠のため、好みのアロマディフューザーを枕元に。ニースのフラゴナールやトム・ディクソンなどですね」
トリプトファンを含む食品を
とってメラトニンを生成
不眠症改善のため、食事にも気を配っている土屋先生。日頃から、快眠ホルモンのメラトニンを生成する必須アミノ酸・トリプトファンを多く含む食品を積極的にとっています。
「具体的にはバナナ、くるみ、肉、魚、豆、卵、乳製品、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなど。リラックス効果のあるGABAを含んだ発芽玄米や、チョコレートもいいですね。また、眠る前にはホットミルクやカモミールティーをよく飲んでいます」
寝室も自分好みのインテリアで、眠りやすい空間に。ベッドはシモンズ、枕もシモンズのディープスリープを愛用しているそうです。
「枕はミドルサイズ。布団は軽いものが好みで、夏物も冬物も西川でセレクトしました。肌への刺激が少ない、肌触りのいい生地を使った寝具や寝間着をそろえています。寝室にはディフューザーで気持ちが落ち着くアロマを香らせて。また、私はアレルギー体質でもあるので、ダイソンの空気清浄機をつけて就寝しています」
朝、起床したら太陽の光を浴び、睡眠に影響を与えるメラトニンの生成を促すことも忘れません。生活環境を整えることで不眠症を克服した土屋先生。これからも漢方を併用しながら快眠生活を維持していくそうです。
「ベッドはシモンズ、寝具はミッソーニです。枕はシモンズのディープスリープのミドル。厚さ5㎝のものを愛用しています。自然の明るさで目覚めたいので遮光カーテンは使いません」
次回は眼科医の窪田美幸先生の快眠対策をご紹介します。
撮影/森山竜夫 ヘア&メイク/田代ゆかり イラスト/ミック・イタヤ 取材・原文/上田恵子