先進医療保険やがん保険、どうしてる?③
素敵女医メンバーですら、「なんとなく入ったものの、詳しいことはよくわからない」という声が多い保険。「5つの保険に入っていますが、肝心のがん保険には未加入です」という眼科医の宮澤優美子先生が、医療ソーシャルワーカーの坂本はと恵さんに、保険について聞きました。
宮澤優美子さん
Yumiko Miyazawa
56歳 眼科/表参道内科眼科
「複数の保険に入っていて、これ以上は不要だと思っています。がんに特化したものには入っていませんが、専門家の意見を聞きたいです!」
坂本はと恵さん
Hatoe Sakamoto
国立がん研究センター東病院 がん相談支援センター 医療ソーシャルワーカー。現在、同院サポーティブケアセンター副センター長も務める
保険で300万円カバーできる仕組みを作りたい
宮澤 がんの治療は長期戦なので、収入が減って生活に支障が出ることへの不安を抱える人も多いですよね。
坂本 そこが一番の問題です。例として年収500万円未満の人が高額医療制度を使うと、月9万円ほどかかります。例えば乳がんのステージ1で抗がん剤治療をして、手術をして、その後ホルモン療法をすると、最初に「がんの疑いがあります」と言われた時点から6カ月ほどのあいだに、およそ54万円がかかる計算になります。
宮澤 それ以外にも差額ベッド代、通院のための交通費なども必要。
坂本 平均して、年間150~200万円ほどかかりますね。働けなくなって収入が半減した場合、手元に残るお金はわずかになってしまうので、少なくとも300万円程度は保険でカバーできる仕組みを作っておきたいです。
宮澤 治療が始まる前にもらえるお金があると安心なのですが…。
坂本 「がん診断一時金」のような保険ですね。契約内容や保険のタイプによっても違いますが、がんと診断された時点で、100万円、200万円といった一時金がもらえます。使い道は自由で、入院費用にあてても通院治療に使ってもかまいません。
宮澤 治療費以外にも何かとお金が必要なので、それは安心できますね。
坂本 あとは「先進医療特約」というものもあります。これは厚生労働省が定める先進医療を受けた際に給付金が支払われるもので、限度額は通算500万~2000万円になります。
撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/木下庸子 取材・原文/上田恵子