いし ふんふんふーん♪ ふふふんふーん♪ 前回、鼻歌で鼻呼吸が身につくと教えてもらったので、今回のご挨拶は鼻歌で行ってみました。ぐうたらライターのいしまるこです。
根来 こんにちは、根来秀行です。いしまるこさん、鼻歌うまいですね。鼻歌は腹式呼吸のトレーニングにもなりますからね。腹式呼吸は胸式呼吸に比べて少ない呼吸数で、より多くの空気を取り込めます。
いし ふふふん♪ 鼻呼吸が板について、呼吸も深くなってきた気がしますよ。
根来 すばらしいですね。口呼吸になると呼吸が浅く速くなり、二酸化炭素への耐性が下がって「呼吸のしすぎ」を招き、細胞呼吸を低下させることにつながります。
いし 現代人には、口呼吸が増えているんですよね。
根来 とても多いです。ですが、意外とその自覚がない人が多いんですよ。
というわけで、今回は、口呼吸チェックテストをしたいと思います。下記のチェックリスト項目に3つ以上該当する人は、鼻呼吸のつもりが実は口呼吸になっている「隠れ口呼吸」の可能性大ですよ!
口呼吸チェックリスト
1 おしゃべりなほうだ
2 くちゃくちゃと音を立てて食事をする
3 しょっちゅうため息をつく
4 いびきや歯ぎしりをする
5 起床時に口が渇いていたり、痛みがある
6 歯周病や虫歯、口臭がある
7 舌の両側が波打っている
8 口を閉じると、あごに梅干し状のシワがある
9 マスクをよくする
10 タバコを吸う
根来 解説すると、1〜3の「おしゃべりなほうだ」「くちゃくちゃと音を立てて食事をする」「しょっちゅうため息をつく」に該当した人は、口を開く機会が多いため、口呼吸になりやすいです。意識的に鼻呼吸する必要があります。
いし ぐうたらして仕事をためこんで、ため息ばかりついてるなあ。気をつけよう。
根来 4・5の「いびきや歯ぎしりをする」「起床時に口が渇いていたり、痛みがある」に該当する人は、 睡眠中に口呼吸になっている可能性あり。睡眠時の口呼吸はのどが狭くなるため、いびきや睡眠障害の原因にもなり、眠っても疲れがとれません。
いし 朝、起きるなり疲れているのは、口呼吸のせいかも!?
根来 6の「歯周病や虫歯、口臭がある」も、眠っている間に口呼吸をしている可能性があります。口呼吸をしていると唾液の分泌が抑えられるため、口やのど、唇が渇きやすく、口臭や歯肉炎の原因になるんです。
いし 睡眠中の口呼吸は、どうすればいいんでしょう?
根来 医療用の紙テープなど粘着力の弱いテープを数cm切って、唇の真ん中に縦に貼って寝てみるといいですよ。軽く唇をふさげればOK。
いし わずらわしい気がするなあ。かえって寝れないのでは?
根来 ですが、1日の3分の1を占める睡眠時間中、口が開きっぱなしでは口呼吸は直りませんし、朝の爽快な目覚めは鼻呼吸で眠っている人にしか味わえません。抵抗がある人は、起きている時間の数10分を口テープで過ごし、慣らすといいでしょう。実際に試して、口呼吸をしていることに気づいたという人もいますよ。
いし わかりました。やってみます!
口呼吸になりやすいうつぶせ寝や横向き寝のクセがある人も、口テープをすれば仰向け寝の習慣がつきやすくなります。
いし 7・8の「舌の両側が波打っている」「口を閉じると、あごに梅干し状のシワがある」は、口呼吸とは関係ないようにも思えますが。
根来 それらの現象は、舌の筋肉の衰えによって口呼吸になっている可能性があるんです。
いし へぇ〜。 では、9の「マスクをよくする」はどういうことですか?
コロナ禍で、マスクの着用時間が長いので、とても気になります。
根来 マスクをつけているとさらに気道抵抗が強まるため、鼻で息をするのが苦しくなって、口呼吸になりやすいんです。
いし あー、確かに。夏のマスク着用は熱中症のリスクも高くなるし、どのように考えればいいですか?
根来 屋外でも屋内でも人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずしたほうがいいです。マスクを装着したままの激しい運動や負荷の高い作業は、死亡事故や健康被害を招く恐れがあるので控えてください。中国では医療用の高性能マスクをしたまま走っていた生徒が、急死するケースも出ています。マスクを着用する場合には、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。
いし 了解です。
根来 10の「タバコを吸う」は喫煙=口呼吸。百害あって一利なしは言わずもがなですね。新型コロナとはこれからも付き合っていかなくてはなりませんから、これを機に是非禁煙して欲しいです。
それではみなさん、今日も素敵な1日を!
口呼吸の弊害や、鼻呼吸にシフトするためのコツも盛り沢山!
『ハーバード&ソルボンヌ大学Dr.根来の特別授病まないための細胞呼吸レッスン』
根来秀行 本体1300円+税
(次回からは、細胞呼吸を促すとっておきの呼吸法をご紹介していきます。お楽しみに!)
撮影/角守裕二 取材・文/石丸久美子 イラスト/浅生ハルミン