新型コロナが流行し出して普段からマスクを付けるようになりましたが…効果はあるのでしょうか? ハーバード&ソルボンヌ大学医学部・根来秀行教授にマスクを付ける効果とどのようなマスクを選べば良いか、詳しく伺いました。
飛沫カットの効果が高い不織布マスクが有効
マスクは咳エチケットとして他者に感染をさせないためだけでなく、接触感染は減らせるし、飛沫感染やエアロゾル感染にも一定の防御効果があるんですよ。
おすすめは不織布マスク。大量のウイルスにさらされたらわかりませんが、不織布は荷電しているので、ウイルスを吸着してブロックします。
また、中に入っているフィルターで、細菌やウイルスの飛沫、微粒子を99%カットできることが試験で確認されています。
購入の際には、検査機関がフィルターの性能を評価したことを明示している商品を選びましょう。
僕はウォーキングやジョギングをするときも、2m以内に人がいるところでは、必ず不織布の使い捨てマスクを着用しています。
手作りの布製マスクをしている人は、内側にキッチンペーパーを切って挟むとよいでしょう。隙間を作らないように顔にしっかりフィットさせて、正しく装着してください。
CDC(米疾病対策センター)は、二転三転したあと、特定の条件下では空気感染もあり得ると認めました(2020年10月5日付で改訂)。
その条件とは、換気の悪い閉鎖空間で、運動や歌唱により感染性のある人の呼吸が荒くなる場合など。そういう状況はなるべく避けたいですね。
根来秀行さん
Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医師、医学博士。ハーバード大学医学部PKD Center Visiting Professor、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授、社会情報大学理事。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。本連載から生まれた『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』(ともに集英社)が好評発売中
撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/石丸久美子