新型コロナウイルスの流行で、通っていた歯のクリーニングもさぼりがちに…という声をよく聞きます。コロナ禍の今、歯科の分野ではどのようなことが起きているのでしょう? 最前線で活躍する二人に、じっくり語り合っていただきました!
佐藤恵子さん Keiko Sato
47歳 歯科 Kデンタルオフィス茅場町
東京医科歯科大学歯学部卒業。元摂食機能保存学講座所属。日本歯周病学会所属
坂本紗有見さん Sayumi Sakamoto
59歳 矯正歯科・歯科 銀座並木通り さゆみ矯正歯科デンタルクリニック81
日本アンチエイジング歯科学会所属。著書に『歯周病、口臭、むし歯を防ぐ 1分間「殺菌ベロ回し」』(アスコム)がある
歯科の分野にも影響を与えた新型コロナウイルス
坂本 コロナ禍の影響は歯科の分野にも出ていますね。矯正のために毎月来院していた患者さんの口腔内を数カ月ぶりに診ると、状態が悪くなっている人が結構います。
佐藤 新型コロナウイルスのため通院を控えてしまったせいですね。
坂本 そうです。3~4カ月に一度のペースで歯のクリーニングに通っていた人でも、テレワークで人に会わなくなったからと、きちんと歯を磨いていなかったり。仕事をしながら片手で食べられるおにぎりやサンドイッチなど、柔らかい食べ物を食べている人が増えているのも気になります。
硬いものを嚙まない、人としゃべらない生活を送っていると、口元の筋力が衰えるだけでなく、唾液も出なくなる。マスクの着用で口呼吸になり、口腔内が乾いてしまう問題もあります。息苦しさから口呼吸をしてしまいますから。
佐藤 口の中が乾燥すると歯周病の悪化を招き、虫歯になりやすくなります。唾液には、口の粘膜の保護や、口内の洗浄・殺菌、酸性に傾くのを中性に戻し、再石灰化をはかるなど、さまざまな働きがありますから、唾液をきちんと出すことは非常に重要なんです。
坂本 唾液にはアンチエイジングホルモンのパロチンが含まれているのも、アワエイジ世代には大切ですね。
佐藤 そして東日本大震災後もそうでしたが、歯を嚙み締めてしまい、奥歯やあごに痛みが出たり、詰め物が取れてしまった患者さんが増えています。
歯科医に愛用している人が多いサプリメント、ロイテリ。
「1日1粒なめるだけで口腔内の細菌バランスを整えることができる乳酸菌サプリメント。寝る前になめると、翌朝の口の中のネバネバを軽減できます。歯周病予防にも効果があります」(坂本紗有見先生)
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・原文/上田恵子