口腔内のケアで大切なのは、虫歯が見つかったから治療に通うと思わず、将来的な健康への投資と思って定期検診を習慣にすること。歯科の分野で活躍するお二人にじっくり語り合っていただきました!
佐藤恵子さん Keiko Sato
47歳 歯科 Kデンタルオフィス茅場町
東京医科歯科大学歯学部卒業。元摂食機能保存学講座所属。日本歯周病学会所属
坂本紗有見さん Sayumi Sakamoto
59歳 矯正歯科・歯科 銀座並木通り さゆみ矯正歯科デンタルクリニック81
日本アンチエイジング歯科学会所属。著書に『歯周病、口臭、むし歯を防ぐ 1分間「殺菌ベロ回し」』(アスコム)がある
自費での定期検診で早期にトラブルを見つけて
坂本 私は歯科医なのに、自身が口腔内にさまざまなトラブルを抱えているんです。子どもの頃から虫歯が多かったですし、大人になってからはストレスによる嚙み締めで奥歯を3本失っています。
この嚙み締め癖は開業した頃から。マウスピースが苦手なので、最近ではあごにボトックス注射を打ってみようかなと考えてみたり…。
佐藤 ボトックス、いいかもしれないですね。私も嚙み締めで左の奥歯にひびが入っていて、現在様子見中です。以前矯正をしたあと、嚙み合わせを回復させるために、奥歯にセラミックをかぶせていこうという話がありました。
でも歯にストレスがかかっているので、少し削っただけでも状況が大きく変わってしまう可能性がある。神経が痛むとか、敏感になりやすいとか。
坂本 もうセラミックは作ってもらったんですか?
佐藤 はい。でも結構神経にダメージが出ているみたいで、もしかしたら神経を取らなきゃいけない、でも取りたくない、というあたりで滞っているのが現状です。
坂本 私も歯は抜きたくないので、プラークコントロールをしっかりしようと頑張ってきたんです。でもどうしようもなくなって2年前に抜きました。
でも抜いたことで口元にシワができてしまい、がっかり。そもそも八重歯があって受け口だったため、24歳のときに矯正したんですが、そのときにも4本抜いているんです。受け口だと前歯が嚙み合わないので。
佐藤 前歯はすばらしいセンサーですからね。嚙み合わせで奥歯を守る役目がある。前歯がうまく嚙み合わない人、すいている人は、将来的に奥歯を失いやすい傾向があります。
坂本 私は健康のために必要だからやりましたが、矯正も、何を目的としてやるかですよね。見た目なのか、機能を回復するためなのか。やったほうがいいかっこ人もいれば、あまり歯をいじらないほうがいい人もいます。
佐藤 歯周病が中くらいから重度の人の場合は、歯周病治療と矯正治療がセットで行われることが多いですね。矯正をしないと、バランスが悪いまま歯に力がかかるので、長もちしません。
いずれにしても、歯のためには何度も治療をやり直さないほうがいいので、そのためにも定期検診が重要ということになります。早い段階で問題を見つけて処置するのがいちばん大切ですね。
坂本 歯科へ長く行かなかった人の場合、健診で不具合が発覚して治療を始めることになりますが、これを「虫歯を見つけられたので治療に通わなくてはならない。忙しいのに面倒だ」と言われると悲しくなります。
佐藤 将来的な健康への投資だと思って、ぜひ歯のクリーニングやメンテナンスなど、自費での定期検診を習慣にしていただきたいですね。
坂本 歯と歯茎を守ることに価値があるので、ぜひ予算をとってください。
「サプリメントはアンチエイジングに関するものを飲んでいます。ビタミン、ミネラル、コエンザイム、アスタキサンチン、doTERRA製品の飲料とサプリです」(坂本紗有見先生)
[上左]「オラリンスは、ムースタイプの歯磨き剤。高濃度のフッ素配合で、歯肉炎症(歯槽膿漏)の予防にもおすすめです。口臭や虫歯の予防にも」(坂本紗有見先生)
[上右]「B+は添加物なしの天然由来成分なので、口腔内があれやすい人も使えます。歯面補修、口臭やホワイトニングへの効果も」(佐藤恵子先生)
「エレメンタ ナノシルバー マウスリンスはノンアルコール、アルカリ性の液体で、食後すぐに使うことで虫歯の原因である酸を中性化し、口腔内を虫歯ができにくい状態にします。ハニースウィートとウィンターミントのふたつのフレーバーがあります」(坂本紗有見先生&佐藤恵子先生)
[上左]「研磨剤、発泡剤、界面活性剤、パラべン不使用の薬用歯磨き剤ケアポリス。プロポリス配合で、歯茎が腫れて出血したとき、指につけてマッサージすると症状が改善します」(坂本紗有見先生)
[上右]「チェックアップ ジェルは、フッ素が高濃度。寝る前にあずき大を出し、唾液で口内にいきわたらせて寝ます」(佐藤恵子先生)
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・原文/上田恵子