最新の虫歯治療や認知症と歯周病の関係など、OurAge世代の多くが気になるオーラルケアのトピックスについて、橋本歯科医院の丹羽祐子先生に伺いました。
丹羽祐子さん Yuko Niwa
57歳 歯科 橋本歯科医院
自分の歯に勝るものなし!
「最近多いと感じるのは、インプラントに関するトラブルやブリッジの問題です。インプラントで噛めない、腫れるなどのほか、ブリッジを外してみたら接触していた粘膜が潰瘍になっている、ということも。患者さん自身では到底ケアできない状態になっていて、本当に歯を残せなかったのだろうかと思います。
また、体の歪みの原因にもなり得る、“嚙み合わせ”が考えられていない治療ケースも多く見受けられます。一歯のみの治療でも、事前に全体の歯型をとり、咬合器(こうごうき)につけて精査し、診療計画を立てて丁寧に説明してくれる歯科医師のもとで治療を受けることが大切ですね」と丹羽祐子先生は言います。
また、以前とは大きく治療法が変わってきている虫歯治療。丹羽先生の医院では、どのような診療をしているのでしょう?
「アクアケアという機器を用いて、虫歯治療と予防をしています。虫歯に感染すると、硬いはずの歯が軟らかくなります。その部分に特殊パウダーを混ぜたアルコール入り水溶液を吹きかけると、虫歯部分のみが飛び、健全な歯質が残ります。殺菌効果もあり、再石灰化を促す別のパウダーを吹きかけることで虫歯の予防にもなります。
このように私の医院では、極力歯を削らず、神経を取らない治療を心がけています」
さらに、歯茎の健康にはプラセンタが有効、と丹羽祐子先生。
「私がおすすめするのは、口腔粘膜から直接高濃度プラセンタを吸収できるCSジェル。快眠成分であるグリシンを配合したサプリメント、プラセンタカプセルOPと併用することで質のよい睡眠がとれ、歯肉のコラーゲンを増やす相乗効果が期待できます」
豚プラセンタのサプリメントはグリシン配合でよい眠りにも有効
歯茎に塗るプラセンタジェル「オーラルバリドケア」
アルツハイマー型認知症と歯周病との深い関係とは?
「2019年、アルツハイマー病患者の脳内で、歯周病関連菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスが確認されたという論文が発表されました。
また歯周病の原因菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入すると、アルツハイマーの症状を悪化させるアミロイドβというタンパク質が作られ、脳に蓄積することも解明されています。
口腔内の菌をすべて除菌するのは困難ですが、歯周病に関与する菌と常在菌のバランスをとるには、日頃からオーラルケアをきちんとすること、天然の抗生物質である唾液の分泌をよくしておくことが大切です。
サラサラした良質な唾液の分泌には自律神経がかかわっているため、ストレスをためないこと、ぐっすり眠ることも、口の健康維持に有効です」
取材・原文/上田恵子