免疫細胞を活性化するミトコンドリアは「赤筋(せっきん)」を絶好の住処としています。だから有酸素運動によって赤筋が増えれば、ミトコンドリアも元気になるのです。効率的に免疫力を上げるために、ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授・根来秀行さんの研究チームが開発した有酸素運動「ジョグウォーク」をご紹介します。
30分ちょいで免疫力UP!根来式「ジョグウォーク」
細胞レベルで若返るウォーキングメソッド!
「免疫力を高めるには、ミトコンドリアが豊富な赤筋を有酸素運動で鍛えて、ミトコンドリアを増やすのが得策。姿勢筋や呼吸筋など、体幹を構成する筋肉も赤筋なので、赤筋が増えると姿勢が整い、呼吸も深くなります。
ただし、マラソンのような激しい有酸素運動は活性酸素を大量に生み、細胞をアタックしてしまい逆効果。おすすめはウォーキングですが、漫然と歩くだけではミトコンドリアは増えません」
根来教授の研究チームは、日常に取り入れやすく、健康増進効果の高いウォーキングを10年前より模索。数々の検証の末、誕生したのが「ジョグウォーク」!
「やり方は簡単。歩く前に、数分でいいので少し息が上がるくらい走るだけ。毎日が理想ですが、週4回、各30分以上行うと、筋肉細胞が大量に酸素を欲して、それに応えて毛細血管の血流が増加。新しいミトコンドリアや毛細血管が生み出されます。
ジョグによって脂肪が脂肪酸に分解され、その後のウォークで脂肪酸が消費されるので、ダイエット効果も期待できます。ほかにも、持続力の目安となる酸素最大摂取量が向上、動脈硬化の抑制、自律神経のバランスやトータルパワーの改善、血圧の安定、睡眠の質の改善など、多数の効果が実証ずみです」
ジョグウォークの若返り効果
1 免疫力アップで病気になりにくい
2 筋力アップで姿勢もよくなる
3 持続力がつき、疲れにくくなる
4 基礎代謝が上がってスリムに
5 動脈硬化を抑制する
6 自律神経が整い、更年期症状が軽減
7 睡眠の質が上がり、うつも改善
8 骨粗しょう症の予防・改善
9 柔軟性が高まりコリが解消
10 血流がよくなり、冷えにくくなる
11 脳が活性化し、認知機能向上
12 血圧が程よく下がる
専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(ともに集英社)など著書多数
撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/石丸久美子