免疫力を高めるためには有酸素運動がよい、ということで考案された根来式「ジョグウォーク」のやり方をご紹介します。有酸素運動と聞くと身構える人もいるかもしれませんが、がんばりすぎる必要はないのでご安心を。激しい運動で細胞を傷つけ、活性酸素を増やすより、少し息が上がるくらいで走ったあと、心拍数が上がりすぎないように歩くのが正解。筋肉細胞が酸素を欲して、毛細血管の血流が増加、ミトコンドリアや毛細血管が増えます。脂肪酸も消費され、一石二鳥! ぜひ試してみてください!
ジョグウォーク前後のストレッチ
上半身と下半身の筋肉を、ゆっくり息を吐きながら10〜20秒かけて伸ばします。運動前のストレッチは、筋肉の柔軟性を高めてケガや痛みを予防するだけでなく、血行を促し運動効果を上げます。運動後のストレッチは、疲労回復やリラックス効果があります。運動の前後に、両方やるようにして。
上半身のストレッチ
肩甲骨まわりをほぐすことで姿勢が正しくリセットされ、呼吸がスムーズに。
●肩甲骨まわりをほぐす
前にならえの姿勢から胸の前で両腕を交差させます。右腕で左ひじを抱え込むようにして、右肩のほうにゆっくりと引きつけます。伸ばした左腕はひじが曲がらないように水平に保っておくこと。反対側も同様に
●肩甲骨を寄せて胸を開く
両手を後ろで組み、上に上げていきます。腰を反らせないように、真っすぐな立ち姿勢を保って。腕が60度以上上がらない場合は、肩甲骨がガチガチに固まっている証拠。肩こりも改善されるので、ぜひ習慣に
下半身のストレッチ
硬くなりやすい太ももやお尻の筋肉を緩めることで、疲れにくくなります。
●股関節と内転筋を伸ばす
両足を大きく開き、つま先と膝は斜め45度外向きに。ゆっくり腰を落としていきながら、ハリが感じられるポイントで気持ちよく伸ばす。曲げていくときに膝が内側に入りやすいので注意して
●太もも前側を緩める
左膝を後ろへ折り曲げて、手で足の甲を持ち、かかととお尻を引き寄せます。上体と膝が一直線になるようにすると反り腰になりません。椅子などにつかまって行ってもOK。反対側も同様に
ウォーク前に2分間ジョグするだけでミトコンドリアも毛細血管も増える!
「基本のジョグウォーク」(下記イラストで解説)を習慣に。目標は2セット週4日
基本は「ジョグ2分+ウォーク15分」×2セットでトータル34分。ですが、厳密に行う必要はなく、ウォークを10分にして3セットにしたり、自分のやりやすいようにアレンジしてみて。要は何分かおきに山あり谷ありを作ればOKです。加齢による筋肉量の低下を挽回するには、1日にトータル8000〜1万歩を週4回行うのが理想。ジョグは歩数が稼げるため、基本のジョグウォークを2セットだけでも大体4000歩になり、それを1日2回行えば、トータル1万歩は達成できます。体力に自信のない人は、まずは1日2セット週4回を目標に、徐々に歩数を増やしていくとよいでしょう。決まった時間に行うと、体内時計も整います。
2分ジョグ
少し息が上がって、ややキツイと感じる程度で走ります。アラフィフ女性なら心拍数130くらいで
●ひじは90度
腕は体の横で前後に振ります。ひじを直角に曲げて大きく後ろに引き、その反動で自然に前に。手を握り締めないように
●リズム呼吸で目線は25m先
顔を起こして25mほど先を見ながら、ジョグやランのペースに合わせてリズミカルに鼻呼吸。リズム運動はセロトニンを活性化し、心を安定させて睡眠を改善します
●肩の力を抜いてリラックス
肩甲骨を後ろに引いて、背中が真っすぐになるように肩を下ろします
●お腹を縮めず腰を反らさず
普段、猫背や反り腰の人はクセが出やすいので要注意
●膝頭は正面、歩幅は広く
踏み出すときは、膝頭を正面に向けて、親指の付け根で地面を蹴り出し、くるぶしの真下に重心が来るように、かかとから静かに着地します
15分ウォーク
ジョグの流れから徐々に速度を落としてウォークへ。息が上がらない程度の速度でリズミカルに
●ひじは自然に伸ばして
ひじを伸ばして腕を大きく引き、戻すときは自然に前へ。体幹が弱いと横振りになりがちなので、前後に腕を振ること
ジョグウォーク後、30分以内に糖質+乳製品
運動後30分以内に糖質と乳タンパクを多く含む食品をとると、栄養素が効率よく吸収され、傷んだ筋肉の修復効果が高まり、筋肉が増えやすくなります。タンパク質が豊富なギリシャヨーグルトにオリゴ糖をかけたり、牛乳にオートミールクッキーなど、血糖値を上げにくい低GI値の食品がベター。
1日平均1万6000歩を超える先生。ジョグウォークもしているそう
専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(ともに集英社)など著書多数
撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/石丸久美子