ひざ痛の悩みは、50代以降感じる人が多くなるそう。ひざ痛の原因には、腰椎型、関節型、お皿型、筋肉型があります。まず自分がどのタイプか、ひと通りの動作を試してみましょう。それぞれの動きによってひざの痛みの改善が感じられたものが、あなたのひざ痛のタイプです。タイプがわかったら、それぞれのタイプ別体操を実践しましょう。基本はひとつの体操でOKですが、いくつかの原因が併発しているケースもあります。その場合は複数の体操を行なってかまいません。また、継続しているうちに効果が表れなくなった場合は、改めてこの診断をやり直し、現在の原因を見極めて。
腰椎型のエクササイズに続いてご紹介するのは、関節型のエクササイズです。関節型はDとEの2つのタイプに分けられることをご紹介しました。今回は、タイプDのエクササイズをご紹介していきます。
教えてくださるのは、
銅冶英雄さん
Hideo Doya
お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。運動療法、オーダーメイド靴、栄養療法を組み合わせた治療が好評
関節型
ひざの曲げ伸ばし運動にトライ!
普段、長い時間とりがちな姿勢と逆の動きを取り入れることで、関節包(関節を包む組織)の歪みを整えます。ひざを伸ばしたときに痛みが改善したらタイプDのエクササイズ1を。効果がいまひとつのときはDのエクササイズ2へ。曲げたときに改善したらタイプEのエクササイズ1へ。こちらも痛みが取りきれない場合は、Eのエクササイズ2も試してみて。1日10回×5~6セットを目安に!
TYPE D エクササイズ : 1
ひざ伸ばし体操(伸展改善型)
椅子に浅めに腰かけて、痛む側の脚をしっかりと伸ばすエクササイズです。デスクワークなど、普段座っている時間が長い人は、こうして伸ばすと痛みが軽減するケースが多いようです。ひざの裏が伸びきったと感じることが大事。両手を添えてひざに対して垂直に押し、しっかり伸ばしましょう。
1
ひざが痛む側の
脚を前に出す
椅子に浅めに座り(椅子が動かないように注意)、ひざが痛む側の脚を前に出します。そのひざのお皿の上部に両手のひらを当てます
2
ひざの裏を
しっかり伸ばす
両手でひざを垂直に押し、ひざの裏が伸びきったと感じるまで伸ばします。そのまま2秒ほどキープして、力を抜きます。これを10回
NG!
ひざが曲がって
いたら効果なし!
ひざの裏がきちんと伸びていないと効果がありません。ゆっくりでいいので、しっかり伸ばしていきましょう
TYPE D エクササイズ : 2
ひざ外向け&内向け伸ばし
Dのエクササイズ1で痛みが取りきれない場合は、足先を外側や内側に向けて、ひざを伸ばしてみましょう。これにより関節包の歪みが整うことがあります。内側か外側、痛みが軽減したほうのエクササイズを行なってください。
1
痛む側の脚を
前に出して!
椅子に浅めに座り、ひざが痛む側の脚を前に出します。伸ばしたひざのお皿の上部に両手のひらを置き足をリラックスさせます
2
足を外に向けて
ひざを伸ばす
前に出した足の先を外側に向けます。そのまま、両手に力を入れて、ひざの裏を伸ばし、2秒ほどキープして元に戻ります。これを10回繰り返します
3
足を内に向けて
ひざを伸ばす
足先を内側に向けて、そのままひざを伸ばします。こちらも2秒ほどキープして、力を抜いて元に戻ります。これを10回繰り返します
エクササイズの注意点!
これらの体操を行なってはいけない人
次に該当する人は今回紹介する体操を行わないで。
●転倒や捻挫によるひざ痛。●皮膚に赤みがある。●ひざに腫瘍がある。●関節リウマチ。●ステロイド剤を使用中。●人工膝関節手術を行なった人。●体操中に痛みが強まる場合。
次回は、関節型タイプEのひざ痛解消エクササイズをご紹介します。
撮影/フルフォード海 モデル/島村まみ イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子