OurAge世代の多くが感じているひざの痛み。ひざ痛の原因には、腰椎型、関節型、お皿型、筋肉型があります。ひざ痛を解消するには、タイプ別にエクササイズをするのがオススメ。自分のひざ痛のタイプを知って適切なエクササイズを行えば、ひざ痛は改善します。基本はひとつの体操でOKですが、いくつかの原因が併発しているケースもあります。その場合は複数の体操を行なってかまいません。また、継続しているうちに効果が表れなくなった場合は、改めてこの診断をやり直し、現在の原因を見極めて。
関節型はDとEの2つのタイプに分けられることをご紹介しました。今回は、関節型タイプEの方向けエクササイズを取り上げます。
教えてくださるのは、
銅冶英雄さん
Hideo Doya
お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。運動療法、オーダーメイド靴、栄養療法を組み合わせた治療が好評
関節型
ひざの曲げ伸ばし運動にトライ!
普段、長い時間とりがちな姿勢と逆の動きを取り入れることで、関節包(関節を包む組織)の歪みを整えます。ひざを伸ばしたときに痛みが改善したらタイプDのエクササイズ1を。効果がいまひとつのときはDのエクササイズ2へ。曲げたときに改善したらタイプEのエクササイズ1へ。こちらも痛みが取りきれない場合は、Eのエクササイズ2も試してみて。1日10回×5~6セットを目安に!
TYPE E エクササイズ : 1
ひざ曲げ体操(屈曲改善型)
椅子かベッドなどに脚を乗せて、ひざを深く曲げるエクササイズです。座面が動かないよう注意して。脚を乗せたときに、ひざが90度くらいに曲がる高さがベスト。立ち仕事や歩くことが多い人は、これで改善する場合が。
1
ひざが痛む側の
脚を乗せる
椅子やベッドの上に、痛む側の脚を乗せ、ひざの上に両手を添えます。椅子が動くと危ないので、固定されるものを使用してください
2
重心を移動して
ひざを深く曲げる
上体はそのままで、重心移動でひざを深く曲げて2秒キープし、元に戻る動きを10回行います
NG!
上体が前かがみに
ならないように!
上体をそのままキープしながら、重心だけの移動で、ひざを大きく曲げるのがポイントです
TYPE E エクササイズ : 2
ひざ外向け&内向け伸ばし
Eのエクササイズ1で十分な効果が感じられない場合は、足先を外側と内側に向けて、同様にひざを曲げてみて。足の角度を変えることで、関節包の歪みが整う方向を見定めます。どちらか痛みが改善する側を実践しましょう。
1
ひざが痛む側の
脚を乗せる
エクササイズ1と同様に、痛むほうの脚を椅子かベッドの上に乗せます。両手はひざに添えて、上体を真っすぐに保ちます
2
足を内に向けて
ひざを曲げる
椅子に乗せた足先を内側に向けて、重心移動でひざを深く曲げて、2秒ほどキープして、元に戻ります。これを10回
3
足を外に向けて
ひざを曲げる
椅子に乗せた足先を外側に向けて、重心移動でひざを深く曲げ、2秒ほどキープして、元に戻ります。これを10回
エクササイズの注意点!
これらの体操を行なってはいけない人
次に該当する人は今回紹介する体操を行わないで。
●転倒や捻挫によるひざ痛。●皮膚に赤みがある。●ひざに腫瘍がある。●関節リウマチ。●ステロイド剤を使用中。●人工膝関節手術を行なった人。●体操中に痛みが強まる場合。
次回は、「お皿型」ひざ痛の見分け方をご紹介します。
撮影/フルフォード海 モデル/島村まみ イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子