「適度な運動」をすることで得られるメリット前編では、痛み予防や骨を強くすることなどをご紹介しました。後編では、更年期以降にますます重要となる運動のメリットをお伝えします。
適度な運動のメリット前編の記事は、下のリンクからから読むことができます。
生活習慣がもろに体に出る閉経後に備えて、今こそ運動習慣を
適度な運動習慣には数多くのメリットがあります。
「閉経すると体を守っていたエストロゲンの恩恵を受けられなくなる分、自分の生活習慣がもろに体に出るので、適度な運動を習慣にすることは大事。でもどんなに言ってもなかなかやらない人が多いのが現実。ぜひやってほしい! と口を酸っぱくして言いたいです」(高尾美穂先生)。
「適度な運動を習慣にするかどうかで未来の生活の質は大きく変わります。今こそぜひ始めて」(中村格子先生)
適度な運動のメリット
●更年期症状の予防・改善
運動をすると、更年期のほてりや異常発汗などといったホットフラッシュのほか、うつの改善に効果のあることがわかっています
●心肺機能を高める
有酸素運動をすると、心臓と肺の機能が高まり、全身の筋肉に送り届ける酸素量が増え、持久力が高まって疲れにくくなります
●筋肉の維持
加齢とともに筋肉量は減少しますが、運動をすると筋肉量を維持でき、サルコペニア(筋肉量減少による身体機能低下)の予防に
●睡眠の質の向上
自重以上の筋トレをすると深い眠りである徐波睡眠の時間が延びるほか、運動を習慣にすると睡眠時間も延びることがわかっています
●痩せる、若返る
運動をするとエネルギーの消費量が増えるうえ、筋肉量が増えて代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなるので、痩せて若返ります
●免疫力を高める
運動をすると血行がよくなって全身に酸素や栄養が行き届くようになり、睡眠の質も上がることから、免疫力アップにもつながります
答えてくれたのは
整形外科医
中村格子さん
Kakuko Nakamura
Dr.KAKUKOスポーツクリニック理事長。医学博士。スポーツドクター。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポートスタッフ。日本体操協会専任メディカルスタッフ(新体操)。近著(共著)に『整形外科医がすすめる一生スタスタ歩けるフリフリ体操』(学研プラス)
(中村格子さん)
産婦人科医
高尾美穂さん
Miho Takao
イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガ指導者。診療の傍ら、アプリstand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」でリスナーの多様な悩みに回答し、510万再生を超える人気に。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など
高尾美穂さん)
イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂