猫背、巻き肩、カメ首の改善には体の柔らかさが大事ということがわかった前回。3つのセルフチェックで、あなたの体の柔軟性を調べてみましょう!
体の柔軟性をセルフチェック!
「よい姿勢だけでも、ラクな姿勢だけでも体に負担がかかり、やがて猫背、巻き肩、カメ首、その合体型の姿勢に。重要なのは柔軟性です」。
まずは自分の姿勢がどこまでくずれているかをチェック。そして、首(頸椎)や背中(胸椎)の柔軟性を確かめてください。
Check 1
猫背、巻き肩、カメ首…あなたはどのレベル?
理想の姿勢は首から腰にかけて、背骨は緩やかなS字ラインを描いています。これが、加齢や生活習慣などにより、少しずつくずれていきます。
●理想はこれ
壁を背にして立ち、後頭部、肩甲骨、尻、かかとが無理なく壁につき、ウエスト部分に手のひら1枚分のスペースがあいているのが理想です
●Level1
壁から頭が離れてしまったり、あごが上がってしまうが、頑張れば後頭部をつけられる人はレベル1。すでに姿勢のくずれが始まっています
●Level2
壁から頭が離れてしまう、もしくはウエスト部分に手のひら2枚以上入る人はレベル2。背中の丸さを反り腰でカバーしているケース
●Level3
頭が壁につかない、背中が丸まり、下腹部が出ている。またはウエスト部分にまったく隙間がない人は、姿勢崩壊がかなり進んでいます
Check 2
首の柔軟性を知る
猫背、巻き肩、カメ首が進行すると首の可動域が狭くなります。首は前後左右に倒せ、60度回転させることができます。痛みがある人は無理をしない範囲で首を動かしてみて、柔軟性を確認しましょう。
●側屈
姿勢を正して、肩は動かさないようにして、首を横に倒します。左右にそれぞれに約50度倒せれば合格。鏡を見ながら左右差もチェック!
●前屈後屈
頭を前に倒したときは60度以上(あごが胸につくのがベスト)、後ろに反らせたときは約50度(顔が天井を向くくらい)倒せればOK
●回旋
首は左右にそれぞれ60度回すことができます。上体を動かさないようにして、これも鏡を見ながら、左右差や痛みがないかも確認します
Check 3
胸椎と肩の状態を知る
悪い姿勢が続くと、胸椎が硬くなり、肩の可動域が狭くなります。その確認には、壁バンザイ、もしくは椅子に座っての上体反らしで!
●壁バンザイ
壁に後頭部、肩甲骨、尻、かかとをつけて立ち、バンザイをします。両手が壁につけば、胸椎の柔軟性と肩の可動域に問題はありません
猫背の状態でバンザイをすると、両手は真上まで上がりません。実はこれが肩の可動域の限界です。これ以上、両手を上げるためには、胸椎の柔軟性が必要です
●上体反らし
五十肩などで痛みがあって、バンザイが難しい場合は、椅子に座っての上体反らしを。両手を後頭部に当て、背もたれを肩甲骨下に当てて、上体を反らします。ひじが天井を向くまで反らせればOK!
教えていただいたのは
山口正貴さん
Masataka Yamaguchi
1980年生まれ。東京大学医学部附属病院リハビリテーション部 理学療法士。2016年の研究論文で日本理学療法士学会の第8回優秀論文表彰で優秀賞を受賞。著書に『背骨の医学』(さくら舎)、『「ねたままストレッチ」で腰痛は治る!』(集英社)など
撮影/塩谷哲平 高山浩数 ヘア&メイク/木下庸子(プラントオパール) モデル/Yumico(YumiCoreBody) 構成・原文/山村浩子