日本人に多い腰痛の主な原因は、頭が前に出た姿勢=“ニワトリ姿勢”のせいで背骨のカーブが崩れているから、と説く整形外科医の巽一郎医師。背骨の正しいカーブを取り戻す簡単な体操を教えてもらいました。
骨格を取り戻して
痛みを減らす
●腰痛に絶大な効果あり!
「私たちの背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙骨からなり、横から見ると緩やかなS字カーブを描いているのが理想です。しかし、ニワトリ姿勢・歩きを続けていると、そのカーブがくずれ、やがて腰や膝の軟骨がすり減り、腰や膝の痛みにつながります」。
※今回は背骨の自然なS字カーブを取り戻す“CS体操”を学びます。
腰痛予防になる
CS体操
背骨の自然なS字カーブを取り戻す体操です。[イラスト参照]
両脚を少し開いて椅子に座り、膝を直角に曲げ、両太ももが床と平行になるようにします。骨盤の横に両手を当て、骨盤を後傾させながら、かかとを上げていき、同時に頭を前に倒し、背中を丸めて、横から見てCの形に。元に戻り、今度は骨盤を前傾させ、体を前に倒します。頭だけを上げて背中を反らせ、S字の形を描きます。これを交互に3回ずつ行います。
Cの形
●姿勢を正す
●少しふんぞり返る
●背を丸めて体を前に倒し、へそを見る
●Cの字になるように体を丸める
S字の形
●姿勢を正す
●背を反らせる
●上体を深く前に倒す
●頭を上げる
●さらに頭を上げてS字になるように
専門は膝。一宮西病院整形外科部長・人工関節センター長。体への負担を最小限にする膝手術で日本屈指の技術を持つ。一方「すぐには切らない」医師として有名で、独自の保存療法(エクササイズなど)を提案し、全国からの患者が絶えない。著書に『100年足腰』(サンマーク出版)など
イラスト/green K 構成・原文/山村浩子