余分な脂肪が減って筋肉が増えると、体が軽い!
まずは、さっそく小川さんの3カ月のビフォーアフターをお見せしましょう!
数値だけを見ると、劇的な変化ではないように思うかもしれませんが、立ち姿の印象は別人レベルだと思いませんか?
何が違うかといえば、“重心”が上がったこと。首が長くなり、肩から二の腕のラインがシャープになったのが特徴的です。
注目すべきは、筋肉量と脂肪量。
体重が3.55kg減ったのに対し、脂肪量は4.05kgも減りました。脂肪が約4kg…想像してみてください。2ℓペットボトル2本分を手放したことになりますね。いや、脂肪は容積が大きいので、見た目には、2.2本分減っていることになります!
対して筋肉は0.45kg増えています。体重が減ると、脂肪と一緒に筋肉も減ってしまうのが一般的。年を重ねるほど筋肉を増やしたいのに、それでは元も子もありません。
余分な脂肪は落とし、筋肉を増やす目的で食生活を改善し、運動のアドバイスを受けたおかげでこの結果に! どうやったらそんなことができるのでしょうか?
「首が伸びたね、とはよく言われます。肌がきれいになったとも言われることが多いんです。
体の動かしやすさや軽さは、もう30代後半くらいの感じです。体重ではないですね、その頃はもっと体重が少なかったので。
変化はいろいろあります。いつも首の後ろが痛いくらいこっていたのに、それがなくなりました。階段を上がりきるのがつらかったのも、すごく楽になった。
お酒を飲んだ翌朝など頭痛がすることもなくなった。筋肉痛の回復が早くなったことにも驚きです。
それまでタンパク質を意識して食べることがなかったので、体調の変化はかなり大きいと思っています。
実はスタートから1カ月以上は、ボールやフォームローラーでのリリースが痛くてしんどかったんですよね。でも翌月からエクササイズが始まり、体が楽になっていくのがわかりました。
運動する時間や食事を工夫する時間なんてないと思っていたけれど、時間は作れますね! そのことに気がつけてよかったです」とは、小川さん自身のコメント。
小川さんの変化を詳しく見てみましょう!
スタート時の数値
■体重:61.25kg ■筋肉量:37.65kg
■脂肪量:21.30kg(体脂肪率:34.7%) ■内臓脂肪レベル:7.0
↓
3カ月後の数値
■体重:57.70kg ■筋肉量:38.10kg
■脂肪量:17.25kg(体脂肪率29.9%) ■内臓脂肪レベル:6.0
躊躇せずにタンパク質をたくさんとったことが成功の秘訣
3カ月の推移を見てみると、さらによくわかります。
小川さんの変化を、食事指導をしてくれた管理栄養士の麻生れいみさんが解説してくれます。
「単純に体重を減らすことは簡単です。食べなければ減るのですから。でもそれでは、筋肉が落ちて代謝が悪くなり、痩せにくい体になるだけ。
小川さんのグラフのように体重とともに脂肪量が減っていき、それとは逆に筋肉量が増えていく。それが正しいあり方。
タンパク質を素直にたくさん食べてもらえたのがよかったですね。筋肉量を増やそうという目標を掲げても、女性はどうしてもダイエット意識が強すぎて、食べる量を減らしてしまう傾向にあります。
それが小川さんの場合は、躊躇なく高タンパクのものをたくさん食べ、自然と糖質の量が減っていき、3カ月で十分に栄養が行き渡った感じがしました。しっかり理解していただけたことが結果につながりましたね。
3カ月目に送ってもらった写真を見てすぐ『なんだか女っぽくなった!』と思いました。肌ツヤも髪のツヤもよくなって若く見えます!
これはタンパク質増し増し生活の賜物です。ぜひお手本にしてほしい」
また、3カ月の間に、小川さんは10日間ほどアメリカ出張にも行っていました。出張先での食事がどうなることかと心配しましたが、取り越し苦労。
アメリカではタンパク質=お肉がいつでも食べられる。その分、糖質の多いピザやパスタなどを避けることができたので、帰国したとき、いちばん体重が減っていたほどでした。グラフでいちばんガクンと体重が減っているのがそのタイミングです。
↑麻生さんのお話に出てきた、小川さんから送られてきたという写真がこちらです! 確かに表情までエレガントに♡
筋肉増し増しができたのは、筋トレ前にガチガチ筋肉を使える状態に変えたから!
さらに、運動の指導をしていただいたパーソナルトレーナー・姿勢アナリストのKAORUさんにも解説していただきましょう。
「最初は体のいたるところがガチガチにこわばっていたので、硬いところに引っ張られて、姿勢も歪んでいました。そんな体で筋トレを始めるのは無意味どころかマイナス! 筋肉もちゃんと働くことができません。
でも1カ月続けた筋肉のリリースによって、本人も実感しているように埋もれていた首が長くなったり、前肩になっていたのが改善されていきました。
上半身が変わったことが実感できると、顔もすっきりと変わったことだし、モチベーションアップにつながりますよね。
後半、小川さんは膝も伸びましたね。何よりお尻が下に引っ張られなくなり、ヒップアップしています。
立ち姿が本当に変わって、性格まで違う人に見えますよ。私はいつも『姿勢が変われば人生が変わる』と言っていますが、それを地で行くすばらしい例です。
かちこちだった筋肉が伸びて、正しく使える筋肉になっていくと代謝が上がり、脂肪も燃焼しやすくなる、そのサイクルに入れたのです。
もうひと息、骨盤まわりを運動で引き締めると、より動きやすい体になり、さらに体型が激変するはず。ここからは小川さんの継続にかかっていますね」
とKAORUさんが言えば、小川さんも答えます。
「KAORUさんのスタジオアプロが毎朝リアルでやっている、30分オンラインエクササイズはこれからも継続したいです。カメラオフで参加してもいいことが、私にはとても向いていました。
自分的に3カ月頑張りましたけど、そんなに必死に頑張ってる感じはまるでなかったですね。先生方にサポートしていただいていると思うと、無意識にやる気が湧いてきていたのかもしれません」
正しいやり方でやれば、筋肉を増やして、体重といらない脂肪は落とせる! ということがリアルにわかるリポートでした。
やる気になったら、ぜひトライしてみてください!!
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科医療栄養学領域修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス&テクノロジー共同研究機構メンバー。著書は『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『20kgやせた! 糖質オフ入門 最新版』(宝島社)などすでに28冊に及ぶ。ベストセラーも多数。
人物撮影/藤澤由加 取材・文/蓮見則子