血圧が下がった! Mさん(48歳)のケース
血圧152→115にDOWN
OurAge読者の皆さん、こんにちは! 整体師ともです。腰がバナナのように反りすぎている「反り腰」の状態=バナナ腰を改善したことで、血圧やコレステロール値が下がった!という患者さんが増えています。バナナ腰と血圧の関係、その仕組みについては、すでにお話をした通り。そこで今回からは、実際に僕が伝授したストレッチを実践したあと、劇的に数値が下がった患者さんの実例をご紹介したいと思います!
Mさんが僕の整体院に来院されたのは、YouTube「ストレッチ整体師とも先生」のストレッチを見て、持病の全身痛が緩和したことがきっかけでした。Mさんの持病は“スティッフパーソン症候群”といって、とても稀な進行性の神経性疾患。全身の筋肉が硬くなりやすく、歌手のセリーヌ・ディオンさんもこの病気であることを公表しています。
Mさんはピアノ講師の仕事をされており、日常生活に支障をきたすほどではないものの、「進行性の病気ではあるから、自分でできることをしっかりとやって、進行を抑えたい」と、悩みを打ち明けてくれました。全身の筋肉がこわばると呼吸が浅くなり、そのせいで血圧も高くなってしまっていたのです。Mさんのコメントもご紹介しますね。
「病気の症状が出たのは、5年ほど前です。全身痛をやわらげようと探しているなかで、とも先生のYouTubeに出会い、ストレッチを始めました。約1カ月続けたくらいから全身の血流がよくなって、リラックス効果も感じられ、全身痛が緩和されてきたのです。
効果を実感したので、先生の整体院にも来院し、教わったストレッチを朝、晩と継続。すると約3カ月後には、血圧が152→115に安定していました。血圧が最高値の152になってしまったときは降圧剤を服用しましたが、逆に血圧が低くなってしまうなど、なかなか安定しませんでした」
僕が患者さんにお伝えするストレッチは、多くても2〜3種。続けてもらうためにも、数は少なく、簡単でシンプルなものだけにしています。Mさんには、全身の血流をよくして血圧を下げるために、次の2種のストレッチをお伝えしました。
2種のストレッチを1日1分!
【その1. 大胸筋くるくるストレッチ】
病気のために筋肉がこわばってしまうMさんは、ピアノ講師という仕事柄もあり、指や腕も酷使していました。そこで、「大胸筋」を柔らかくするストレッチを伝授。胸の前にある大きな筋肉である大胸筋が柔らかくなると、猫背や巻き肩が解消され、呼吸も深くなり、血圧を下げる効果が期待できます。
① 左右どちらかの大胸筋を反対側の手でつかみ、伸ばしたほうの手を下から45度くらいに開き、やや後ろに引く。
② 1①のまま、伸ばしたほうの手を後ろに引き、肩から手のひらをくるくると回転させて動かす。手のひらを動かす動作を加えることで、血流が悪い末端部分(心臓から遠い場所)の血流もアップし、冷えの改善にもつながります。左右各15秒ずつ、計30秒行いましょう。
↑ひじから下や手首だけを回すのはNG
記事が続きます【その2. 大腰筋もも上げストレッチ】
「ぽっこりお腹も気になっている」というMさんには、腰の骨から太ももの骨をつなぐ、「大腰筋」の筋肉にアプローチするストレッチを伝授しました。体幹を支えている大腰筋が硬くなるといい姿勢がキープできず、バナナ腰の原因につながります。「このもも上げストレッチを継続したことでお腹の筋肉が柔らかくなり、ぽっこりお腹も解消。姿勢の改善も実感できました」とMさん。
① おへそから外に指3本分、下に指3本分の場所を両手で押さえる。
② ①の場所を押さえたまま、上方向と内側( 斜め上方向)に少し引き上げながら、もも上げ。すべらないように①の場所をしっかり押しながら、斜め上に引き上げるようにします。 押し込むことでも、筋肉を刺激しています。左右各15秒ずつ、計30秒行って。太ももを上げるときは、脚が開かないよう注意。真っすぐ上に上げることを意識しましょう。
血圧も下がり、持病の症状も緩和!
日常生活を楽しく過ごしている現在のMさん
Mさんは現在もストレッチを継続し、心身ともに元気に過ごしています。ストレッチによって筋肉の状態をコントロールできるようになったことで、仕事を制限したり趣味を我慢したりすることも減り、不安が払拭されたとのこと。
「降圧剤に頼らなくても血圧が下がったことに感動し、高血圧で悩んでいる人にも、とも先生のストレッチをすすめたくなりました」とMさん。最近は、大好きだった山歩きも再開したとの報告も受けて、僕もうれしくなりました。
「元旦に登ってきた記念に、とМさんにいただいた高尾山のお守りを整体院に飾っています」(とも先生)
【教えていただいた方】

幼少期に病気がちだったことから健康に興味を持ち、国立大学で薬を作る研究を行う。しかし、自身が椎間板ヘルニアになり、寝たきり状態の日々を経験。手術するしかないと言われるも、整体の技術により完治。柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を取得し、滋賀県草津市に慢性腰痛専門「整体院 智-TOMO-」を開院。YouTubeチャンネル『ストレッチ整体師とも先生』は、登録者数58万人超え(2024年)に。著書に『「バナナ腰」を治せば、体の不調が消える! 腰痛・脊柱管狭窄症・ぽっこりお腹・ストレートネックを改善!』『「バナナ腰」を治せば、血圧が下がる! コレステロール値も改善! 』(ともに小学館)がある。
イラスト/green k 取材・文/井尾淳子