コレステロール値が下がった! Cさん(65歳)のケース
LDLコレステロール値174 → 104にDOWN
OurAge読者の皆さん、こんにちは! 整体師ともです。僕の著書『「バナナ腰」を治せば、血圧が下がる! コレステロール値も改善! 』(小学館)
をはじめ、YouTube『ストレッチ整体師とも先生』などでご紹介しているストレッチを実践し、血圧やコレステロール値を劇的に下げた方々の体験談シリーズも今回で最終回となりました!
今回ご紹介するのは65歳の女性、Cさんのケースです。
アルバイトとして仕事を続けていたCさんは、デスクワーク中心の生活。一日の大半は座りっぱなしでした。2年前から膝の痛みがあり、外に出るのもおっくうになっていたため、「ウォーキングなども積極的に行っていなかった」とのこと。 運動不足が影響し、LDLコレステロールの最高値は174まで上がってしまったのです。
病院では薬の服用と1日30分のウォーキングをすすめられたものの、薬は副作用が怖く、飲んだり飲まなかったり。 「他の方法はないかな?」と探していたところ、僕がすすめたストレッチと出会った…というわけです。
ところがCさんは半信半疑。 ストレッチで本当に解決するのか?と思いながらも、僕に会う直前だけは、とりあえず形だけやるという感じ。それでも、これが意外にも効果てきめん。悩みだった膝の痛みが、わずか1カ月半で解消されたのです。この実感があったからこそ、コレステロール値を下げるストレッチも、前向きに取り組めたんですね。
LDLコレステロール値は、1年間で174→104にDOWN!
さて、ここで種明かし! 実はこの女性は、僕の母なんです(笑)。
こんなエピソードがあります。まだ膝が痛かったとき、僕が「久しぶりに実家に帰る」と連絡をしたところ、その時点では完全に、教えたストレッチをサボっていたようでした。 でも、僕からまた「ちゃんとストレッチやってる?」と聞かれるな〜、マズいな〜と思い、僕が帰る3日前くらいから少しだけやり始めたそう。 母としては、一応「やってるよ!」と言えるようにするためでした(笑)。まぁ、僕にはそれもバレバレでしたが……。
母のコレステロール値が高くなっていた原因について、もう少し具体的に解説しましょう。
「膝の痛みがあるせいで、動くのがおっくう」と前述した通りで、歩く量が減ると、股関節や太ももの筋肉がしっかり使えなくなります。 さらには膝をかばって腰も痛くなり、全身のバランスがくずれていきます。
母の場合、骨盤が後継しているバナナ腰でした。このような骨盤の歪みがあると、筋肉がサボるようになり、お腹を突き出した姿勢&猫背+巻き肩のセットになってしまいます。でも、ストレッチを続けたことで巻き肩が改善し、胸が開きやすくなり、首の位置も整ってきました。
僕から見ても、 前かがみのクセが減って、あごを引く姿勢ができるようになり、歩き方も変わってきたのです。もちろん、食生活の見直し(パンを減らすなど)もしたけれど、結果的に1年後、数値はしっかり正常値に戻りました。
さて、そんな母に実践してもらったふたつの簡単ストレッチとは? 次にご紹介しましょう!
記事が続きます膝の痛み軽減&コレステロール値を下げる!
【貧乏ゆすりストレッチ】
膝の痛みがある人は、(足の)動き出しの瞬間がいちばん痛いことが多いです。 座りっぱなしでいると筋肉が固まり、血流も悪くなり、その状態でいざ動こうとするから筋肉がうまく伸びずに痛みが出る。
でも、歩いているうちに筋肉がほぐれ、血流がよくなる…という仕組みです。
ですから、座っている間にこのストレッチをやっておくことで血流も促され、筋肉も少しずつ伸び縮みするので、動き出しは楽になり、急な痛みをやわらげるのにも役立ちます。
椅子に座ったまま、両足でつま先立ちをした状態で、ふくらはぎの筋肉を使って細かく貧乏ゆすりをする。
両足で計30秒行う。
このとき、ガニ股になったり、内股になったりしないように注意しましょう。
コレステロール値を下げる!
【もも上げストレッチ】
骨盤や姿勢の歪みがあると、体が前に倒れやすくなって、お腹を突き出すような姿勢になりがち。 このとき、特に大腰筋や太ももの前側がちゃんと働いてないことが多いのです。腰の骨から太ももの骨に伸びる大腰筋(お腹の奥の筋肉)は、体幹を支えている筋肉。ここが硬くなると、いい姿勢を意識してもすぐにくずれてしまい、バナナ腰の原因に!
太ももを持ち上げる筋肉の大腰筋を持ち上げ、刺激を与えることで姿勢が改善し、血流アップにもつながります。
①おへそから外に指3本分、下に指3本分の場所をイラストのように両手で押さえる。
② ①の場所を押さえたまま、上の方と内側、斜め上方向に少し引き上げながら、もも上げを行う(左右各15秒、計30秒)。
「すべらないよう、①の場所をしっかり押し込みながら、斜め上に引き上げるように押さえてください。押し込むことでも、筋肉を刺激しています。
このとき、脚が開かないよう注意。真っすぐ上に上げることを意識しましょう」(とも先生)
記事が続きます
身近な人にもストレッチの効果を伝える喜び
母自身、「セルフケアでよくなるってことがわかったから、これで努力しよう」と決めたようです。 自分の体を自分で整えられるという実感を持てたのが、大きな変化でした。
また僕自身も、この仕事をしていてよかったなと思いました。 近くにいる家族にすぐアドバイスできることは、ありがたいことですよね。 ただ、その割には、あんまり感謝されている気はしませんけど…(笑)。 たまに実家に帰ると、時々、悪い姿勢に戻っていることがあるんですよ。 でも引き続き、「それ、やめたほうがいいよ」と厳しく注意するようにしています(笑)。
OurAge世代の皆さんも、血圧やコレステロールの数値が上がったときもすぐに諦めずに、ぜひストレッチを実践してみてください。
本当に、やって損はありませんよ〜!
【教えていただいた方】

幼少期に病気がちだったことから健康に興味を持ち、国立大学で薬を作る研究を行う。しかし、自身が椎間板ヘルニアになり、寝たきり状態の日々を経験。手術するしかないと言われるも、整体の技術により完治。柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を取得し、滋賀県草津市に慢性腰痛専門「整体院 智-TOMO-」を開院。YouTubeチャンネル『ストレッチ整体師とも先生』は、登録者数58万人超え(2024年)に。著書に『「バナナ腰」を治せば、体の不調が消える! 腰痛・脊柱管狭窄症・ぽっこりお腹・ストレートネックを改善!』『「バナナ腰」を治せば、血圧が下がる! コレステロール値も改善! 』(ともに小学館)がある。
イラスト/green k 取材・文/井尾淳子