体幹の筋力の衰えによって姿勢が支えられず、背中を丸めた楽な姿勢を続けることが原因
なぜ40代、50代になると背中が丸くなりやすくなるのでしょうか?
「背中が丸くなっていくのは、やはり体幹部の筋力の衰えが原因です。体幹の筋肉には、姿勢を支える働きがあります。
ところが、加齢や運動不足によって、体幹の筋肉は衰えて体をしっかり支えられなくなるので、座っているときなどに背中を丸めたり、首を丸めたり、腰を丸めたりと、自分が楽な姿勢をとるようになります。そんな姿勢を長く続けるうちに、丸まった背中が定着してしまうのです。
背中が丸まった状態だと、腰痛や肩こりなども起きやすくなるので、早めの改善がおすすめです」(澤木先生)
改善するには、どんなトレーニングが必要?
「背中が丸くなっている人は、背中やお尻など、背面の筋肉が弱っているので、これらを鍛えるトレーニングをしましょう。
また、体をひねって肩や胸を開くようなストレッチもおすすめです。
これらを続けることで、背中が真っすぐに立つようになって、丸まった背中が改善しやすくなります」
体幹のプロが教える、猫背&老け見え撃退ストレッチ
背面を鍛えて脊柱を安定させる
<バックブリッジ>
あお向けになりお尻を引き上げる動きで、背中の脊柱起立筋と、お尻の大殿筋を強化するトレーニング。
普段、運動不足の人は、まずはこれを毎日続けるだけでもOK。
① あお向けに寝て、膝を三角に立てます。手のひらを床につけて、腕を体の横に置きます。息を吸ってお腹をぺたんこにします。
② 息を吐きながら、お尻を引き上げて2秒キープ。このとき、お尻にグッと力を入れ、肩から膝までを一直線にします。
③息を吸いながらお尻を下ろします。
これを10回繰り返します。お尻を引き上げたとき腰が反らないように、お腹に力を入れましょう。
記事が続きます縮こまった肩を開いて猫背改善
<寝てアーチェリー>
弓を引くような動きで胸椎をひねるストレッチ。
背すじを伸ばさないとひねりにくいので、自然と背すじが伸びるようになり、猫背が改善しやすくなります。
① 横向きに寝て、股関節、膝をそれぞれ直角に曲げます。両腕は真っすぐ前に伸ばして手のひらを合わせます。
② 息を吸いながら、弓を引くように上半身(胸椎)を後ろにひねります。そのまま2秒キープしたら、息を吐きながら元の位置に戻します。
反対側も同様に行いましょう。左右各5回。
弱っている背中の筋肉を鍛える
<ベントオーバーY>
股関節から上体を前に倒して、背中を真っすぐに保った状態で、腕でYの字を作るように上げることで、背中の筋肉を鍛える効果が大。
背中が丸まらず真っすぐに立ちやすくなります。
① 足を腰幅程度に開いて立ち、股関節から上体を前に倒して、膝を軽く曲げ、両腕は下ろします。
② 腕を耳の高さに上げて、腕と背中でYの文字を作るようにします。2秒キープしたら腕を元に戻します。これを10回繰り返しましょう。
体幹強化は見た目にも若々しさを取り戻す第一歩です!
【教えていただいた方】

SAWAKI GYM代表取締役。1991年よりトレーナー活動をスタート。静岡県の整形外科病院で、リハビリ後の患者からトップアスリートまで医学的根拠に基づき指導。その後、専門学校講師を12年、トレーナー団体理事を14年務め、のべ1万人以上を指導。現在はトレーナー活動のほか、講演会やメディアで健康情報を発信。著書は『4週間で姿勢がよくなる! スタスタ歩ける!長寿の体幹トレーニング』(大和書房)など多数。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/山下三輝(SAWAKI GYM) 取材・文/和田美穂