夏の強い日差しや、秋冬に低い角度で差してくる日の光が目に入って辛い、ということがありますよね。そんな時の強い味方となるのが、サングラス。そこで、サングラスについてのウソ・ホントや、どのように選んだらいいかについて、メガネトップの掛本紀子さんにおうかがいしました。
◆〈ウソ・ホント〉透明レンズのサングラスは、あまり効果がない?
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「ウソ」
いかにもサングラス、という感じではない、透明や色の薄いレンズのサングラスも増えています。これらは、サングラスとしてあまり効果がないのでしょうか?
「紫外線は『UVカットコート』が付いているレンズであれば、色の濃さ関係なくしっかり防ぐことができます。UVだけでなく、まぶしさも防ぎたい場合は、レンズが透明よりは色が濃いものがおすすめです」(掛本さん)。
まぶしさだけを防ぐのではないのならば、必ずチェックしたいのがUVカット率。タグをしっかり見て、99%以上のものを選びましょう。
◆〈ウソ・ホント〉濃い色のレンズは瞳孔が開くから、目によくない?
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「ウソ」
暗いところで瞳孔が開くため、濃い色のレンズだと瞳孔が開いて、目に良くないという説を聞いたことがあります。これは実際にはどうなのでしょうか?
「確かに人間の目は、暗いところでは光を取り入れようとして瞳孔が開きます。すると目に光が入る入口が広くなるので、色の濃いレンズは目に良くないと言われることがあります」(掛本さん)。
しかし、濃い色のレンズでもUVカットコートがついていれば、レンズが紫外線を吸収してくれるため、紫外線が目に入る心配はほとんどないそう。濃い色のレンズだと目に良くない、というのは俗説だったんですね。
◆〈ウソ・ホント〉サングラスの形によって、目を守れないことがある?
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「ホント」
サングラスの形でも、紫外線をしっかり防げるかどうかは変わってくるのでしょうか。
「しっかりと紫外線を防ぎたいのであれば、スポーツ用のサングラスのような形がおすすめです。レンズがカーブして目元を上からも横からも覆うような形だと、すき間から入ってくる紫外線からしっかりと目を守ることができます」(掛本さん)。
アウトドアに出かけるなどでしっかりとまぶしさや紫外線から目を守りたいなら、レンズの色が濃くて大きめのサングラスを。日常使いなら、小ぶりの透明レンズを。そんな風に使い分けるのもいいのだそう。
◆〈ウソ・ホント〉レンズが傷つくと、UVカット効果が半減⁉
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「ホント」
サングラスは使っていくうちに、レンズに傷がついてしまうことも。傷がつくことで、サングラスの機能は変化するのでしょうか?
「サングラスのレンズの多くは、プラスチック製。プラスチックレンズは、土台のレンズ表面に細かい粒子で、UVカットコートや反射防止コート、色の素材が吹き付けられています。そのため、表面に傷がつくとUVカットコートが剥がれてしまい、UVカット効果が落ちてしまいます」(掛本さん)。
プラスチックレンズの傷で気を付けなければいけないのは、普段使っている間につく傷だけではありません。「熱」でできる傷にも注意が必要です。たとえば、車にサングラスを置きっぱなしにすると、暑さで膨張し寒さで収縮するのを繰り返し、蜘蛛の巣状に傷がつくことがあるそう。レンズのUVカット効果を保つために、傷をつけないよう心がけたいですね。
そのために、次のような、傷つきにくいお手入れ方法がおすすめです。
①水道水でほこりなどの汚れを洗い流し、ティッシュでやさしく水分を取る。
②メガネクリーナーを全体に吹きかけ、指の腹で全体に伸ばす。ティッシュを押し当てるようにしてクリーナーを拭き取る。
③メガネ拭きでレンズとフレームを拭き上げる。
外出先などでサッときれいにしたいときは、メガネクリーナーがしみ込んだ、ウェットティッシュタイプのクリーナーがおすすめ。小分けの使い切りタイプを化粧ポーチなどに入れておくと便利です。
◆〈ウソ・ホント〉レンズの色の濃さやカラーで機能が変わるってホント?
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「ホント」
お店に行くと、ブラウンやグレーのほか、さまざまな色のサングラスを見かけます。いろいろあると、何を選んだらいいのか迷いますが、色によってどのような違いがあるのでしょうか?
「先ほどお伝えしたように、レンズは色が濃いほどまぶしさを防ぐことができます。そして、色によって目の前の景色の見え方や光のカットの仕方が変わるので、どういったシーンで着用するサングラスかどうかによって、色選びも変わってくるんです」(掛本さん)。
まずは、定番色の「ブラウン系」「グレー系」「グリーン系」のレンズの特徴について教えていただきました。
■ブラウン系
まぶしさの原因となるブルーの光をしっかりカットしてくれるカラー。肌と同系色でなじみやすく、かけると柔らかく穏やかな印象に。ナチュラルなコーディネートをしたい方におすすめです。
■グレー系
光を全体的に平均的にカットできる色。まぶしさを軽減する効果が最も高く、レンズを通しても色調が大きく変わらないので自然な見え方になります。かけると、シャープでクールな大人の印象に。初めてのサングラスをかける方や、あまりサングラスをかけ慣れていない方におすすめです。
■グリーン系
光を平均的に抑え、自然な色調で見ることができます。緑の色など自然の色をきれいに見せてくれるので、キャンプやゴルフ、川遊びなどアウトドアに出かける時にかけると、景色がきれいに見えておすすめ。シャープで若々しい印象を作ってくれます。
そのほかにも、ブルー系、ピンク系、イエロー系のレンズもあるので、特徴を見ながらなりたい印象や欲しい機能を考えて選んでみてください。
◆〈ウソ・ホント〉サングラスにフィッティングは必要ない
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「ウソ」
「お店に置いてあるままではなく、店員さんにフィッティングしてもらってから使いましょう。人によって耳の高さが左右で違うこともあります。鼻パットやフレームの開き方などを調整してもらい、顔にぴったりフィットさせることが大切です」(掛本さん)。
季節を問わず、目の紫外線ケアは大切。いかにもなサングラスに抵抗がある方は、まずは透明や薄い色のレンズで普段使いできるデザインのものから試してみてもいいかもしれませんね。シーンや目的に合わせたサングラスを選んで、目を守っていきましょう!
株式会社メガネトップ 広報グループ リーダー
掛本紀子さん
1万人の目を見てきた眼鏡コンシェルジュ、350人の診断をしてきたパーソナルカラーアドバイザー。メガネ&サングラスのプロ。
◆資料提供/メガネトップ
取材・文/倉澤真由美