40代、50代の更年期以降に状態が悪化しやすい「腟内フローラ」。
腟内細菌のバランスの乱れは、フェムゾーンのトラブルの原因にも
ここ数年のコロナ禍などの影響もあり、健康への意識がますます高まっています。
さまざまなメディアで健康情報があふれていますが、そんな中でも特に40代、50代の女性が知っておきたい、気になるワードをピックアップして解説します。
今回取り上げるワードは、「腟内フローラ」です。
取材に協力していただいたのは、さまざまな医療施設(健診施設、美容皮膚科、歯科など)の運営支援を行っている会社、(株)アドバンスト・メディカル・ケア。
各医療施設を支援してきた経験やノウハウをもとに、肌や髪、体に表れるさまざまな年齢サインに対して、年齢にとらわれない美しさ=No Ageを目指して、自宅で手軽にセルフケアできる化粧品の開発・販売も行っています。
なかでも注目したいのは、婦人科学発想で、女性のゆらぎやすい体をサポートするセルフケアブランド「est’re ®」(エストール)。
「エストール」は、月経痛の改善、不妊対策、更年期症状など、女性が抱える健康の課題を解決する「フェムテック」や「フェムケア」をテーマに、“体への愛と想いをカタチにした、女性らしさを支える”ためのブランドです。
「腟内フローラ」にアプローチすることを重視して、フェムケア商品も開発されているので、詳しく見てみたいと思います。
腸内に多くの細菌が生息しているように、女性の腟内にも細菌が生息しています
上の図にあるように、女性の子宮口の下から、体外の開口部(腟口)に通じる管の部分が「腟」です。
そもそも、「腟内フローラ」とは何でしょう?
ヒトの全身・各臓器には、「フローラ」が存在しています。
特に腸内には1000種類以上もの細菌が生息し、それがお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
それと同様に、口の中にも多くの細菌が生息していることから、「口腔内フローラ」という言葉も登場しました。
そしてさらに、女性の腟内にも、同じように多くの細菌が生息していることから、最近「腟内フローラ」という言葉が生まれ、注目されています。
腟内フローラが注目されている理由は、女性の健康にとってのさまざまな効果がわかってきたためです。
腟の中はいったいどんな状態なのか? 女性だったら気になりますよね。
産婦人科医の吉形玲美先生に、腟内フローラについて詳しくお話を伺いました。
吉形玲美 さん
産婦人科臨床医として医療の最前線に立ち、婦人科腫瘍手術などを手がけるかたわら、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わってきました。
現在、婦人科診療を行うほか、多くの施設で予防医療研究に従事。
医学博士、日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
著書に『40 代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) があります。
腟内にラクトバチルス乳酸菌が多いと、
妊娠率の向上、婦人科系疾患・性病のリスク低下につながります
「“腸内フローラ”とは、人体にさまざまな影響を与える多様な腸内細菌が、腸内に存在している状態のことです。
腸内と同様に、女性の腟内にもフローラは存在します。
月経、妊娠、出産、更年期、閉経と大きな変化をする腟は、腸と同じようにフローラがよい状態であることが大切です。
腸内フローラはバラエティに富んでいる=多様な状態がよいとされる一方、腟内フローラは、ラクトバチルス乳酸菌が単独で多いのがよい状態といわれています。
ラクトバチルス乳酸菌とは腟に存在する善玉菌のこと。
善玉菌から出る乳酸は、女性の腟やフェムゾーンを酸性にするほか、免疫作用も有し、自浄作用を働かせて、病原体の侵入や細菌の繁殖を防いでいます。
ラクトバチルス乳酸菌が腟内に多いと、妊娠率が上がるという報告があり、また、子宮頸がんをはじめとする婦人科系疾患や、性病のリスクが下がるという報告もあります。
そのため、近年、腟内フローラに注目が集まっているのです」(吉形先生)
腟内環境がよければ、更年期に増える腟や外陰部の
かゆみ、痛み、萎縮性腟炎、過活動膀胱などの予防にも
そんな腟内フローラですが、実は更年期の女性にとっても重要な働きがあるのだとか。
「腟内の善玉菌であるラクトバチルス乳酸菌は、女性ホルモンから産生されるグリコーゲンをエサにして活発に活動し、ブドウ糖を分解して乳酸を産生。
その乳酸が、腟内を酸性に保ち、自浄作用を働かせています。
でも、更年期になって女性ホルモンの分泌量が急激に低下すると、グリコーゲンが作られなくなり、ラクトバチルス乳酸菌が減少します。
すると腟内の酸性度が低下し、腟内の免疫力も低下し、自浄作用が働きにくくなり、大腸菌などの悪玉菌が増えやすくなります。
それだけでなく、女性ホルモンの減少により、腟と外陰部の皮膚や粘膜が萎縮して、かゆみや痛み、萎縮性腟炎、過活動膀胱といった、フェムゾーンの違和感やトラブルも起きやすくなります。
更年期に起こる、こういったフェムゾーンのトラブルをGSM(Genitourinary Syndrome of Menopause=閉経関連泌尿生殖器症候群)と言いますが、GSMの原因には、腟内フローラの状態も関係しているのです」(吉形先生)
腟内フローラを良好に保つためのケアのポイントとは?
40代、50代の更年期になると、腟内フローラの状態は悪化しやすいけれど、セルフケアによって良好な状態に保つことは可能なのだそう。
おすすめの方法を吉形先生に伺いました。
「近年の研究で、フェムゾーンの専用ケア用品を取り入れて正しくケアをすることが、フェムゾーンの気になる症状を改善させるだけでなく、腟内フローラの維持・改善に役立つことが明らかになっています。
フェムゾーンケアのポイントは以下の3つです」(吉形先生)
1 専用のソープで優しく洗う
洗浄力の強いボディソープは、腟を守るバリア機能まで洗い流してしまう可能性があるので、専用のソープで、フェムゾーンを優しく洗いましょう。
2 専用の保湿剤で潤いをキープ
フェムゾーンの皮膚の角層は、唇よりも薄いといわれています。
顔と同じように、洗浄後は専用のジェルやクリームなどで保湿することが大切。
3 不足する乳酸菌の入った保湿剤や腟内ジェルを使う
腟内フローラを改善するため、乳酸菌を含んだケア用品を選び、腟の免疫力を上げましょう。
さらに一歩進んだケアとしては、乳酸菌を直接、腟内に注入するインナージェルがおすすめです。
──フェムゾーンのケアアイテムは最近どんどん増えていますが、腟内フローラにアプローチするアイテムも続々と登場。
2023年2月に行われた「健康博覧会2023」でも、腟内フローラに着目したケアアイテムや、サプリメント、検査キットなどさまざまな商品が展示されていたのが印象的でした。
腟内フローラの状態を手軽に整えられるアイテムが増えているのは、40代、50代の更年期の女性にとってうれしい限りです。
編集部おすすめ。腟内のラクトバチルス乳酸菌を手軽に補える
「エストール インナージェル ラクトバチルス乳酸菌配合」
ここで改めて編集部からおすすめしたいのが、フェムケアブランド「エストール」の「インナージェル ラクトバチルス乳酸菌配合」。
この商品は、ラクトバチルス乳酸菌や乳酸、ヒアルロン酸を配合したインナージェルです。
アプリケーター式になっていて、腟に先端を挿入したらピストンを押し、ジェルを注入して、ゆっくり抜きます。
これで手軽に腟内のラクトバチルス乳酸菌を補うことができます。
お風呂上がりなどの清潔な状態で使用を。
●エストール インナージェル ラクトバチルス乳酸菌配合 1.7g×10本入り ¥4,950/アドバンスト・メディカル・ケア
着色料、合成香料、防腐剤(パラベン)、アルコール(エタノール)、鉱物油、石油系界面活性剤、無添加。ホルモン剤も不使用。
「エストール」ブランドは、上記の商品のほか、ラクトバチルス乳酸菌配合の「デリケートソフトウォッシュ」、「デリケートソフトジェルクリーム」、「デリケートリッチオイルセラム」のラインナップもあります。
こちらの3品はすべて、腟のまわりのフェムゾーンに使います。
<左から順に>
●エストール デリケートソフトジェルクリーム 100g ¥3,520/アドバンスト・メディカル・ケア
●エストール デリケートソフトウォッシュ 100ml ¥2,475/アドバンスト・メディカル・ケア
●エストール デリケートリッチオイルセラム 15ml ¥8,800/アドバンスト・メディカル・ケア
──フェムゾーンや腟はエイジング(老化)が進みやすい部分です。
腟内フローラの状態を良好に整えることは、私たちが快適で健康的な生活を送るために、とても重要なケア。
今後ますます注目度が上がっていきそうなので、常にチェックしておきましょう。
取材・文/和田美穂 イラスト/かくたりかこ 取材協力、写真・資料提供/アドバンスト・メディカル・ケア
アドバンスト・メディカル・ケア 「エストール」 公式ホームページ