コーヒーの生豆などに含まれる「クロロゲン酸」は、
血流を改善し、肌の水分量を高め、美肌づくりを助けます
ここ数年のコロナ禍の影響などもあり、健康への意識が高まっています。
巷にはさまざまな健康情報があふれていますが、そんな中でも特に40代、50代の女性が知っておきたい、気になるキーワードをピックアップして解説します。
今回ご紹介するキーワードは、「クロロゲン酸」です。
「クロロゲン酸」という言葉は、まだ聞いたことがないという人も多いかもしれませんが、これは、コーヒーの生豆などに多く含まれる植物ポリフェノールの一種。
緑茶に含まれる「カテキン」などとともに、注目されているポリフェノールのひとつです。
このクロロゲン酸が、最近、肌によい効果があることで注目を集めています。
今回は花王に取材。花王は、クロロゲン酸について、20年以上も前から研究してきました。
その研究成果に基づき、商品開発を行っています。
この2023年秋、リブランディングした、花王のブランド「SOFINA iP(ソフィーナ iP)」。
その健康皮膚科学に基づいた商品の中でも、食品シリーズの「クロロゲン酸」に再び注目が集まっています。
下の写真はコーヒーの木の実(生豆)です。
クロロゲン酸をとると約1時間で、血流が改善し、皮膚温が回復することが判明
花王によると、クロロゲン酸には、肌によいふたつの効果が認められました。
そのひとつが、気温や室温が低いときなどの冷えにより低下した血流を、改善する効果です。
花王が、20〜35歳の健常女性を対象に行った実験では、コーヒー豆由来クロロゲン酸類270mgを摂取してから約1時間で、クロロゲン酸を含まない群に比べて血流が改善し、皮膚温も回復したという結果が出たそうです(以下のふたつのグラフ参照)。
<上のふたつのグラフ>
※ 2017年11月~12月実施。20~35歳の健常女性。コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含む群 n=21、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含まない群 n=21 手指で測定。
Jpn J Biometeor(2019より改変 ※ 0(分)は摂取50分後(冷水負荷直後)
クロロゲン酸を飲むと、その抗酸化作用によって、血流低下の原因となる活性酸素が除去され、血管拡張を助けて血流が促進。
また、自律神経に作用して、血管を収縮させて血流を低下させる交感神経の働きが過剰になるのを抑制。
こういった作用から血流が改善し、皮膚温が回復したと考えられるそうです。
血液は、血管を通って体に必要なもの(熱、栄養、水分、酸素、免疫細胞やホルモンなど)を運び、不要になったもの(老廃物や二酸化炭素など)を回収し、細胞の代謝を支えています。
つまり血液は、健康的な美肌を生み出すために欠かせない存在で、必要なときに必要な場所に送られることが大切。
クロロゲン酸は、このような血液を調節する力=「血管力」を高め、美肌づくりをサポートしてくれるのです。
加齢とともに血管は老化しやすく、血流も悪くなりがちですが、飲むことで血流を改善できるクロロゲン酸は、40代、50代のOurAge世代にとってうれしい成分ですね。
クロロゲン酸を継続してとると、頰や口元、脚のすねなど、全身のカサつきが改善
そしてもうひとつの効果が、肌の水分量を高める効果です。
花王が、クロロゲン酸を肌の乾燥が気になる健常女性104名に対して、8週間行った実験によると、コーヒー豆由来のクロロゲン酸類を1日に300mgとった群は、クロロゲン酸をとっていない群に比べて、肌の水分量が増加し、頰や口元、すねなど、全身のカサつきが改善したことが判明(以下のグラフ参照)。
<上の3つのグラフ>
・被験者:肌の乾燥が気になる健常女性104名。コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含む群(n=50)、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含まない群(n=54) 試験期間:2016年12月~2017年1月実施。
・コーヒー豆由来クロロゲン酸類300mg/日を、8週間連続摂取(対照群は0mg/日)。摂取前、摂取4週および8週目にCorneometerを用いて角層水分量を測定。
・**p<0.01(対照群との比較)
・皮膚の科学,16:347-355,2017より作図:研究レビューの対象となった論文のうち、代表的な1報を事例として提示しています。
40代、50代になると肌の水分量は減少しやすくなり、特に冬は、頰や口元、すねなどのカサつきが気になるという人は多いと思います。
クロロゲン酸は、肌の潤いを保つための頼もしい味方!
そのほか、クロロゲン酸は、ストレスの緩和や、睡眠の質の改善効果も期待できるという研究結果もあるそう。
これも、日々ストレスや睡眠に悩むことの多い更年期世代にはうれしいですね。
クロロゲン酸が手軽にとれるタブレットとドリンク
そんなクロロゲン酸ですが、効果が期待できる量とされる270mgを毎日の食事で補おうとすると、りんごなら10個、ブロッコリーなら2本を食べる必要があり、現実的には困難。
そこで花王では、2015年にクロロゲン酸を手軽にとれる飲料を販売開始。
2021年には持ち運びに便利なタブレットも発売し、ライフスタイルに合わせて選べる2タイプの展開をしています。
それが、「ソフィーナ iP クロロゲン酸 タブレット」と「ソフィーナ iP クロロゲン酸 飲料W」。
ともにコーヒー豆由来のクロロゲン酸を配合し、気温や室温が低いときなどの冷えにより低下した血流(末梢血流)の改善や、肌の水分量を高める機能を持つ機能性表示食品です。
●ソフィーナ iP クロロゲン酸 タブレット [機能性表示食品] 1袋(6粒)/日×10日分 ¥3,564(編集部調べ)/花王
1袋にコーヒー豆由来のクロロゲン酸270mgのほか、低分子コラーゲンやビタミンB2、B6も配合。
嚙んで食べられるタブレット。シュワっとはじけるシトラスハーブ味。
●ソフィーナ iP クロロゲン酸 飲料 W [機能性表示食品] 100㎖×10本 ¥4,104(編集部調べ)/花王
1本にコーヒー豆由来のクロロゲン酸270mg、低分子コラーゲン、ビタミンB6を配合。フルーツブレンド味。
──肌の乾燥やカサつきが気になっても、顔や体の一部ならスキンケア化粧品で保湿できますが、体全体を化粧品でケアするのは、とても難しいこと。
でも、クロロゲン酸をとることで、顔だけでなく、全身の肌の水分量を高められるのがうれしいですね。
冷え症や血行不足だと感じる人、顔や体の乾燥が気になる人、ストレスや疲れを感じる人、体の内側からもケアしたい人…。
多くの更年期世代が感じている、さまざまな悩みをサポートしてくれる、クロロゲン酸を配合した製品。
当てはまるなと思う人はぜひ試してみて。
取材・文/和田美穂 取材協力、商品写真・図表・資料提供/花王