再生医療の分野だけでなく美容にも取り入れられ、注目が集まる「骨髄幹細胞」。
「母細胞」を元気にして、ハリ・弾力のある肌に導きます
ここ数年のコロナ禍の影響などもあり、健康への意識が高まっています。
巷にはさまざまな健康情報があふれていますが、そんな中でも特に40代、50代の女性が知っておきたい、気になるキーワードをピックアップして解説します。
今回ご紹介するキーワードは、「骨髄幹細胞」です。
骨髄幹細胞という言葉は、今、医療の分野のみならず美容業界でも注目されています。
美容通の方などは耳にしたことがあるかもしれませんね。
骨髄幹細胞は、なぜ美容業界で注目されているのでしょうか。
その理由を、骨髄幹細胞の研究成果を製品に取り入れている化粧品会社、カバーマークの協力のもと、ご紹介したいと思います。
骨髄幹細胞は皮膚の母細胞に変化し、肌の再生をサポートします
「骨髄幹細胞」は、体内に存在している幹細胞(さまざまな細胞に変化することができる多能性幹細胞)です。
通常、細胞は自己増殖をしたり、自己修復する能力がありますが、自分以外の細胞には変化できません。
例えば、骨の細胞は骨に、血液の細胞は血液になります。
でも、幹細胞は異なる性質を持つ細胞にも変化できるのです。
現在、再生医療の分野でも、骨髄幹細胞を利用した技術の開発が進んでいます。
骨髄幹細胞の多くは、骨の内部にある骨髄に存在しています。
そのため、紫外線などの外的ダメージを受けにくく、老化が進みにくい細胞といわれています。
骨髄に含まれる細胞のうち、骨髄幹細胞といわれるのは0.01〜0.001%。
数は少ないけれど、血管を通って全身をパトロールしていて、体の中に変調や異常が起こってSOSシグナルが分泌されると、血流を介して損傷部位へと誘導され、損傷した組織に集積し、組織を修復する能力を持っています。
皮膚においても、下の図のように、骨髄幹細胞が皮膚の表皮や真皮の母細胞(細胞を生み出す細胞)に変化することで、肌の再生に重要な役割を果たしています。
カバーマークは、体内の骨髄幹細胞を肌に誘導する成分をコスメに配合
「幹細胞コスメ」といっても、そのアプローチはさまざまです。
幹細胞を培養する際に産生される「幹細胞培養液」には、細胞の活性化や修復を助ける作用があるとされています。
このため、幹細胞培養液が配合されたコスメも登場していて、塗ることで、肌のハリや潤い、透明感がアップする効果が期待できます。
そのほか、植物の幹細胞の培養液を使った化粧品なども登場。
こちらは高い抗酸化作用や保湿効果が期待できるといわれています。
一方、自身の肌の幹細胞に働きかけて、肌を活性化することも重要です。
カバーマークでは、体内を流れる骨髄幹細胞を肌に誘導する技術を、スキンケア化粧品に応用し、開発を進めています。
肌を健やかな細胞で満たすには、母細胞自体が健康であることが大切。
しかし、母細胞は加齢や紫外線などの外的ダメージによって機能が衰え、その数も減っていってしまいます。
「元気な状態の肌」と「老化した肌」を比較すると?
ここで、下のふたつの図を比較してみましょう。
元気な状態の肌(上)と老化した肌(下)です。
老化した肌では、母細胞の数が減少。
機能が低下した母細胞から生まれた細胞は形がバラバラで、ハリ・弾力の低下につながります。
そこでカバーマークは、骨髄幹細胞の皮膚損傷時におけるSOSシグナルと同様の働きをする骨髄幹細胞誘導成分を探したところ、「クスノハガシワエキス」を発見。
クスノハガシワエキスは、骨髄幹細胞を選択的に肌に誘導することができる成分。
肌に誘導した骨髄幹細胞が母細胞に変化し、母細胞の「質」と「量」を改善します。
この成分が配合されている美容液には、そのほか、肌に誘導した骨髄幹細胞が元気な表皮母細胞に変化する力を向上させる「ニームリーフエキス」「紅茶エキス」「ナス果実エキス」なども配合されています。
これらの成分が働くことで、ハリ・弾力のある肌に導く、画期的なエイジングケア美容液を開発しました。
──加齢とともに肌のハリや弾力は失われがち。
でも、このような新しい研究や技術によって、予防・改善が期待できる時代になったことは、40代、50代の肌機能低下や肌老化に悩む世代にとっては、とてもうれしいですね!
骨髄幹細胞の働きをどのように応用していくのか、今後のさらなる展開にも期待しましょう。
取材・文/和田美穂 取材協力、図・資料提供/カバーマーク