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【眼瞼下垂手術の体験レポート】前編~まぶたが重い! 目が開かない!からの脱却

国内では数少ない眼瞼下垂の専門医の高田尚忠先生は、年間2000件以上の手術をこなす眼科医。何を隠そう(全然隠してはいませんが)、この記事の担当ライターも、高田先生に眼瞼下垂手術をしてもらった一人です。せっかくなので、その実体験を詳細にレポートしてみたいと思います。

実体験! 眼瞼下垂に気づいてからのつらい日々

この記事の担当ライター蓮見が「私も眼瞼下垂かもしれない」と思い始めたのは数年前のこと。

「疲れてるの?」「眠いの?」などと心配されることが多くなったうえ、おでこのシワが急に増えたからでした。

 

さらには涙が止まらない症状が続き、眼科で診てもらうと、ドライアイとの診断。
そのうち、長時間パソコンに向かっている日の夕方には、目をちゃんと開けていられなくなり、重いというか視野が狭いというか眠いというか…、仕事にも支障が出る状態になっていました。

それでも周囲からは「目はパッチリ開いているし、眼瞼下垂には全然見えない」と言われ続け、このつらさは人にはわからないものなのね…と感じていたのです。

 

 

その頃、眼瞼下垂について調べていると、かなりの確率でヒットする眼科医のブログ記事がありました。私が知りたいことは、ほぼこの先生が知っているのね…。でも、先生のクリニックは浜松と名古屋だから、手術は難しいのかな?

そう思っていたのと同じ時期。

友人がSNSで「眼瞼下垂の手術をしてきた」と投稿しているのを目撃! その後の経過を報告しているのをみると、保険診療での手術のうえ、手術時間は両目で30分。術後1週間ですでに目立たなくなっている!
何より「めちゃめちゃ自然〜♪」と、皆さん絶賛しています。

 

 

どこで手術したの? なぜそこにしたの? いくらかかったの?
カウンセリングに行ったの? 根本的に治すには手術しかないのよね?
などなど、質問を浴びせまくったことは言うまでもありません。

 

すると、友人を執刀した先生は、まさに私が何度も見ていたブログの眼科医、高田尚忠先生ではありませんか!
これはホンモノだ。私も診てもらいたいかも! と急激に治療したいモードに突入したのでした。

順序は逆になりますが、高田先生に手術をしてもらった直後の写真です。唯一のツーショット

 

 

多くの人が当てはまる可能性のある「隠れ眼瞼下垂」とは?

そんなとき、タイミングよく眼瞼下垂をテーマにした記事を作る機会がやって来ました。

待ってましたと高田先生に取材を申し込み、お話を聞いたついでに、自分の症状についても質問すると…「隠れ眼瞼下垂症」とのこと。

 

 

隠れ眼瞼下垂? 聞いたことがない症状です(後からわかったことですが、ネーミングしたのは高田先生だそう)。

それは、いわば「眼瞼下垂の代償期」といえます。

 

具体的には、腱膜が緩んできたばかりだったり、外れかけているような状態。眼瞼下垂が軽度の場合は、ミュラー筋や前頭筋などがまぶたの開閉をバックアップしてくれるため、なんとか正常な開瞼ができているように見えます。

実際は目の開きが悪くなっているのに、パッと見た目にはわからない。
でも本人はもうまぶたの力が弱くなり、眉の力で目を開いて見ていたり、おでこの力を使って目を開けている状態なのです。

 

素人目には眼瞼下垂には見えないけれど、専門家が診れば、私がおでこの力を抜いたふとした瞬間に、まぶたの縁が瞳孔にかかってしまっていることがわかるようでした。


長年おでこに力を入れて目を開けていたせいで(本人はそのつもりなし)、おでこにはもはや深いシワ! 右目には「サンケン・アイ」と呼ばれる引きつれたようなシワがくっきり入り、しかも二重がよれてしまっていました。

 

「人の体はよくできていて、上まぶたの筋肉が衰えてまぶたが上がらなくなったとしても、カバーする機能があります。

おでこの筋肉を使って眉を上げることで、まぶたの働きを助け、一見して眼瞼下垂ではないような状態に見えるんですよ。

 

これが眼瞼下垂の代償期、隠れ眼瞼下垂です。眼瞼下垂に伴う症状、肩こり、頭痛、眼精疲労などは、この代償の働き、おでこにある前頭筋の過緊張によって引き起こされるものなんです。

 

医療機関で眼瞼下垂ではないと診断される人もいますが、私は眼瞼下垂手術を行うかどうかを考えるうえでは、この代償を考慮した診断が大事だと思っています。

当院では眼瞼下垂が軽度であっても、特有の症状に悩まされていて、それが眼瞼下垂手術により改善される見込みがあるのであれば、保険適用の手術対象としています。

 

ただ、手術は最終手段ですから、術前の診察や説明をきちんと理解したうえで選択すべきでしょう」と高田先生。

 

眼瞼下垂の程度を確認するテストは、第1回で紹介した「MRDによる眼瞼下垂の判定」を参考に。

セルフチェックもできます。

MRDチェック。おでこを動かさないようにして慎重にこのテストをやると、私も確かに「中度」。疲れていたら「重度」にもなりそう。

 

自分は眼瞼下垂の症状があると思っているのに、眼瞼下垂と診断されなかった人の中には、私と同じ隠れ眼瞼下垂の人がたくさんいるのだろうと確信!

 

 

治療とともに自然な二重になる⁉ 保険適用の「TKD切開法」

トントン拍子に手術したように見えますが、実際には手術法について慎重に予習をしていました。

というのも高田先生の手術法は、他の医療機関にはない「TKD切開法」というオリジナル手法だったからです。
高田先生は眼科医でありながら形成外科を学んできたという珍しい医師。眼科医ゆえ、手術は“顕微鏡下”で行われます。

 

眼瞼下垂の手術にはいくつか代表的な術法があり、その中で最も一般的で安定した仕上がりが期待できるのが、新しい考え方の「挙筋腱膜前転法」。「ファシアリリース」を用いた挙筋腱膜前転法がそれです。

高田先生の医院では、「TKD切開法」という手法を加えた独自の手術を行っています。「TKD切開法」とは、不自然に二重が広くなりすぎないようにするための皮膚切開デザインのことです。

 

挙筋腱膜前転法は、まぶたを切開して挙筋腱膜を引き出して前転させ、瞼板に再固定する方法ですが、傷つきやすく再発もしやすいミュラー筋には触らないので、安心な術法といえます。

 

 

 


手術の直前に撮ってもらった写真です。治療用のリクライニングチェアに座り、笑気麻酔。これから局所麻酔に入るところ。ドキドキ…

 

で、TKD切開は何が違うのか?

 

「眼瞼下垂の手術に求められるのは、まぶたの機能を正常にするだけでなく、できるだけ人相を変えないこと、不自然な印象を与えずに美しい目にすることだと思っています。

当院は、保険診療の眼瞼下垂手術に特化したクリニック。保険診療だと、どうしても仕上がりに配慮しないと思われることが多いのですが、私は決してそうではありません。

 

美容外科での手術では、幅の広い二重にしたい人が多いでしょう?

ところが、当院の患者さんの中には他院の手術で二重の幅が広くなりすぎてしまい、それを狭めてほしいという人がとても多いんです。

 

そこで考え出したのがTKD切開法でした。切開するのは通常よりずっとまつ毛の根元に近いライン。まぶたのきわに近いほうが傷あとが目立ちにくく、不自然な二重になる心配もありません。その分、技術は難しいですが…。

 

保険診療なので皮膚自体の切除は3~4㎜程度で、眼輪筋や眼窩脂肪も二重幅をつくるだけの最小限の切除にします。

さらに、ファシアリリース(結合組織による癒着を剥がす)を追加して腱膜をフリーにするため、負荷の少ない状態で前転・固定することができ、それが自然な二重につながるんです」

 

こんな説明をしてくれた高田先生。信頼しないわけにはいきません。
そして、私もいよいよ手術にこぎ着けました。

 

もちろん、TKD切開法+ファシアリリース。
はたして、目は開けやすくなるのでしょうか? どれくらいで目立たなくなるのでしょうか?

 

 

 

【教えていただいた方】

高田尚忠
高田尚忠さん
眼科医
公式サイトを見る

高田眼科(静岡県浜松市)院長、フラミンゴ眼瞼・美容クリニック(愛知県名古屋市)主宰。眼科医と形成外科医の知識、豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとにファシアリリース法を考案。保険適用手術にこだわり、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上。全国から患者が来院。メールでの眼瞼下垂相談も可能。

イラスト/かくたりかこ 取材・文・画像制作/蓮見則子

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