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シワもシミも、老け顔になる原因は「糖化」!

40歳を過ぎた頃になると、同じ年齢でも見た目年齢に大きく差が出てきます。その見た目年齢を左右するひとつの要因が「肌年齢」。その肌の老化にも「糖化」が深くかかわっています。肌と糖化の関係について、抗加齢医学、糖化研究の第一人者である米井嘉一先生に伺いました。

保湿や弾力を保つタンパク質が糖化すると、肌は老化する

 

糖化は体の正常なタンパク質を、AGEsという異常なタンパク質に変えてしまいます。それは肌でも起こります。

 

若々しく見える肌はシワやシミが少なく、弾力があります。これらを保つ肌のシステムにも、糖化が関係しているといいます。

 

それはどのように起こるのでしょうか?

糖化 肌と糖化 しわ しみ たるみ 老け顔

「皮膚の表面には角層があります。この主な成分がケラチンやフィラグリンというタンパク質です。これらは外部から異物が侵入しないようにしたり、水分を保持するなどして、体を守るバリア機能を果たしています。

 

このケラチンも糖化ストレスの影響を受けます。皮膚にも常在細菌叢があり、ケラチンが糖化ケラチンに変質すると、皮膚の表面に常在する黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増え、よい影響を与えてくれる美肌菌が減ります。

 

こうした常在菌の組成が変化することで、肌が乾燥しやすく、外からの刺激にも弱くなります。アトピー性皮膚炎などを発症するきっかけになることも。肌が乾燥すると小ジワが増える原因に。

 

また、肌の弾力を構成しているのがコラーゲンです。コラーゲンは皮膚の深層にある真皮の約7割を占めるタンパク質です。

 

このコラーゲンは三重らせん構造をしていて、それをつなぎ止めるようにエラスチンというタンパク質が橋(架橋)をかけて補強しています。このエラスチンがクッション役になって、肌に弾力を生み出しているのです。

 

このエラスチンが糖化して硬くなると、クッションが利かなくなって弾力がなくなります。これがやがて大きなシワやたるみになっていきます」(米井嘉一先生)

 

記事が続きます

肌の色やシミを増やすのにも糖化が関係している

シミは排出されずに残ってしまったメラニン色素が原因というのは、すでに常識となっています。これにも糖化がかかわっているといいます。

 

「メラノサイトで作られたメラニンが表皮細胞に吸収されると、その細胞内部の核の上にメラニンキャップという構造体ができます。この帽子のようなものは、紫外線の酸化ストレスから守る役割なのですが、これが糖化で大きくなってしまうことがあります。これがシミの原因になります。

 

また、通常はできたメラニンは肌のターンオーバー(新陳代謝)により排出されますが、糖化で老化が進んだ肌はターンオーバーが遅く、排出が追いつかなくなります。これもシミが増える原因と考えられます。

 

そして、AGEsは褐色をしているので、これが蓄積されると肌全体が黄褐色にくすんできます。これにより、肌に透明感がなくなり、不健康で老けた印象を与える原因になります」

 

【糖化が肌に与える悪影響】

〇肌表面→ケラチンやフィラグリンが糖化→乾燥肌やシワに

〇肌深部→コラーゲンやエラスチンが糖化→弾力低下やたるみに

〇メラニンキャップが糖化+ターンオーバーの乱れ→シミに

〇AGEsの蓄積→黄ばみ、くすみに

 

肌の老化を促進する喫煙

「特に肌の老化を促進させる大きな要因が喫煙です。2013年にアメリカで発表された、49組の双子の調査では、喫煙している人ほど、目の下のたるみや口元のシワが多かったという報告が。また、喫煙者と非喫煙者の皮膚のAGEsの量は、喫煙者のほうが明らかに多かったという結果が出ています」

 

やはり、喫煙は「機能年齢」の老化を進める大きな要因のようです。

 

 

【教えていただいた方】

米井嘉一
米井嘉一さん
同志社大学 教授
公式サイトを見る

1958年、東京都生まれ。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター/糖化ストレス研究センター教授。日本抗加齢医学会理事、糖化ストレス研究会理事長。公益財団法人医食同源生薬研究財団代表理事。抗加齢医学研究の第一人者として、研究・臨床に従事。近年の研究テーマは「老化の危険因子と糖化ストレス」。著書に『糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因「糖化」の正体』(池田書店)など、多数。 米井先生 著書 糖と脂肪で体は壊れる 書影 『糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因 「糖化」の正体』著者・米井嘉一(池田書店)

 

イラスト/かくたりかこ 取材・文/山村浩子

 

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