これから先、できるだけ長く、
健康で美しい歯を維持する必須7条件
50代からは体のほかの部分が変化するように、歯をはじめ口腔内の環境や機能も変化しはじめます。この変化を見過ごさず、早めに対処することが肝心です。歯科の先生に大切な7つのポイントを教えていただきました。
お話を教えてくれたのは
宝田恭子さん Kyoko Takarada
宝田歯科医院院長。歯科医。東京歯科大学卒業、同保存科勤務後、現医院3代目院長に。口元から全身の美を考え独自メソッドを展開。『たるみが消える顔筋リフト 宝田流表情筋トレーニング』(講談社)など著書多数
3.歯をサポートする飲み込み力を鍛えよ
スマホの猫背姿勢が飲み込み力を低下させます
「しっかり嚙む歯が整っても、それだけでは私たちは咀嚼できません。食べたものをスムーズに運ぶための唾液、さらに舌の力、また、飲み込む力も重要。これらがひとつでもくずれてしまうと、口腔内のトラブルだけでなく、全身に影響してきます」と宝田先生。
しかも、40代後半からは筋力も低下傾向に。また、ちょっとした日々の癖が、咀嚼力低下に結びついていると宝田先生は指摘します。
「口に唾液をためて、スマホを見ているような背中が丸い姿勢で唾液を飲み込んでみてください。どうですか? 途中でつかえる感じがして上手に飲み込めないはずです。そう、姿勢は飲み込む力に深く関係しています。背すじを伸ばし、胸郭を開いた状態で同じ動作をすると、すっと唾液は入っていきます。でも、悪い姿勢を続けていると、喉の筋力も低下し、飲み込み力は悪化しやすくなります。スマホを見ながら背が丸い姿勢で食事をしたり、PCやスマホでつねに背中が丸くなっている人は要注意。また、同時に喉の筋力もこの年齢からは鍛えておくべきです」
宝田先生が教えてくれたのは、すぐにできる「喉仏エクササイズ」。1日2~3回行うと効果的。
「このエクササイズは、喉の筋力を鍛え、声の老化予防にも効果的。口腔内の問題はこうやって老化に直結します。今日から始めることが大事です」
喉仏の上に人差し指を横一文字に当てて、唾をゴックンとします。喉仏が指の位置よりも上に移動するのを確認し、30秒間で4回以上を目指して繰り返して
●姿勢が悪いと飲み込み力は低下
スマホ姿勢のような丸い猫背のまま口に唾液をため、「ゴックン」と飲み込んでみましょう。最近飲み込みが悪い、むせるという人は、こんな姿勢が原因で低下している可能性も!
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/伊藤まなび