痛みがある人もない人も、深刻なトラブルになる前に
今なら間に合う! 股関節ケア
日本人女性に股関節トラブルが増えています。最大の関節であり、実は動作の要ともいえる股関節。いったん不調が起きると、影響は全身に及んでしまいます。今できることは何? やっておくべきことは? 数少ない股関節のスペシャリストとして、股関節痛に悩む人たちを救ってきた佐藤正裕先生に、ようやくわかってきた股関節ケアの真実をお聞きします。
お話を教えてくれたのは…
佐藤正裕さん Masahiro Sato
1976年生まれ。理学療法士。変形性関節症国際学会、日本股関節学会所属。順天堂大学病院リハビリテーション室などを経て、国際学会最新の保存療法をもとに独自のケア法を確立、2010年「股関節ケアサロン銀座プラス」をオープン。著書に『変形性股関節症は自分で治せる!』(学研プラス)など。https://ginzaplus.com/jp/
それ、ひょっとして股関節のトラブルかも!?
腰やお尻のまわり、脚の付け根などに違和感や痛みがあるのを放っておいてはいませんか? それ、実は股関節のトラブルかもしれません。 骨盤まわりからコキコキ、ポキポキ音がする、たまにはずれたような感覚がある、などは可能性大! 腰痛を繰り返すのも股関節が弱っているのかも…。
ぎっくり腰を繰り返している
時々腰が痛い
Vラインに違和感がある
日本人女性に多い股関節痛。実は気がついていない人も!
「『私、腰が痛いんですよ』と言っている方に、どの辺が痛むのか聞いてみると『このあたりが…』と指し示している場所が、まさに股関節だということが少なくありません。お尻の筋肉の付け根、仙骨のまわりなど。あー、それは腰でなく完全に股関節の領域だ、とよく思います」
こう教えてくれるのは、股関節専門のケアサロンを開業して3000症例をみてきた佐藤正裕先生。理学療法士として大学病院や治療院での臨床経験を経たのち、股関節痛の患者さんを専門に施術している「股関節のスペシャリスト」です。
「自分の痛みが、股関節のトラブルによるものだとわかっていない人もいるので、日本人で股関節痛を抱えている人は、潜在的には600万人以上いると推測されます。股関節トラブルは日本人女性にとても多いのが特徴。若い頃は疲れやコリも寝れば治る、自然の回復力で何とかなるものですが、40代以降だと痛みを訴える女性が、が然多くなります」
え? 日本人女性に限って、だなんて聞き捨てなりません。なぜですか?
「日本人独特の生活スタイルや習慣、美意識、幼少期からの癖などが股関節痛の原因になっていると思います。畳に座る環境で育ったり、何より昔から女性は両脚を広げたりしてはいけない、座るときも膝を閉じて、歩くときは内股小股で…と言われましたよね」
それがどう股関節に関係しているのか、これから詳しく見ていきます。まずは、あなたの股関節が正常かどうか、次回のチェックリストで確認しましょう。
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/蓮見則子